殺人ヒーロー ジャック・ザ・リッパー    作:謎多き殺人鬼

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【第五章】殺人鬼の決意(アヴェンジャー)【殺人鬼ルート】
決意を固めて


両親の仇であるレディ・クイックの訃報は全国のテレビで流れていた。

 

私が"FROM HELL(フロム ヘル)"の文字を書かなかったから別の誰かの仕業だと言う憶測が出ているけど世間ではやはり私の仕業だと考えられている。

 

犯行方法は刃物……だけど何度も殴られた跡と殴った跡がある事から殴り合いになったと言う事は確かだと伝えられている事からわりと隠されずに公表されている事が分かる。

 

「それにしてもヒーローいないわね……」

 

『自信を無くして勝手に辞めたんだ。常に責められてるよりマシさ』

 

私が見た光景は前まで当たり前の様に一人か二人は巡回していた筈のヒーロー達がいない事だった。

 

見たとしても本当に稀で休んでいないのかとても疲れきった顔をしていた。

 

「見てられないわね……」

 

『ほっとけ。ある意味では付けを支払う時なんだよ。飽和社会なんて呼ばれてヒーローが当たり前の様に溢れて更にオールマイトがいた事でオールマイト一人に甘える時があったヒーロー達……少しは苦労するべきだ。よく言うだろう?勤労であるべきだってな』

 

「だからと言って重労働なのは間違ってると思うけどね」

 

『俺のいた時代はお前より年下の子供ですら当たり前に働いてたからな。お前達は学業に専念できる事は本当に恵まれてるってコトだ』

 

アーサーや切り裂きジャック(ジャック・ザ・リッパー)の事を調べていた時に知った当時のロンドンの事だ。

 

19世紀の英国は労働環境はある意味では最悪だった。

 

長時間労働、低賃金、児童労働。

 

負の連鎖が支配する悪循環な労働環境はとても酷い物だと言われている。

 

工場で働いていて事故が起きても子供が怪我をしてようが保険なんて当時は無いから給料から引かれる。

 

しかも怪我した後の保証も無しと来る。

 

「本当に恵まれたわよね……私達」

 

『だろ?さて……ん?あれは……』

 

私が見つけたのは公園のベンチに座る私服姿のデステゴロだった。

 

その姿は何処か老けた様な姿でボンヤリと遠くを眺めていた。

 

私はデステゴロの所に近付くと私に気付いてもデステゴロは身構えもしなかった。

 

「何だよ……ジャック……」

 

「貴方こそ何してるのよ?ヒーロー活動は?」

 

「辞めたよ……俺は……ヒーローじゃなく人間だったて思いしらされてな……」

 

デステゴロはそう言ってまたボンヤリと遠くを見る。

 

「昔の貴方はそんなのじゃなかったのに」

 

「お前に何が分かるんだよ……殺人鬼の癖に……お前が現れたせいで何もかも滅茶苦茶なんだよ……!今までオールマイトに甘えてきた俺や俺達が言うべきじゃないのは分かってるがよ!!お前が滅茶苦茶しなきゃ此処まで荒れやしなかったんだ!!」

 

デステゴロのその言葉に私は胸が締め付けれ、鋭い刃が心に突き刺さった様な感覚を覚えた。

 

私のせい……それは認める……でも、直接言われるのはやっぱり堪えるわね……

 

「消えろよ!!今すぐに俺の……俺達の目の前から消え失せろ!!殺人鬼が!!!」

 

「消えてやるわよ。勝手に拗ねてなさいよ馬鹿ヒーロー。私は私のやり方を貫いてやるから」

 

私はそう吐き捨てて背を向けて歩き出す。

 

私は歩いた……歩いていれば現役ヒーローよりも引退したヒーロー達が目立っている。

 

私は覚えていても周囲からは忘れ去られ、慣れない仕事をして怒鳴られている者やデステゴロの様に放心状態の者、ヒーローよりも副業が成功してそのままそっちに行ってしまった者、犯罪を犯す者。

 

殆どの者は私に気付かないか、無視するか、或いは敵意を向けるか、怯えるか。

 

もうあの日のヒーロー社会は存在しない……ヒーローは衰退の時代を迎えた。

 

他ならぬ私のせいで壊れていく。

 

確かに社会の腐敗には不満があった……でも……誰かの笑顔を奪いたいとまでは思っていなかった。

 

今いる人達の表情は暗く、疑心暗鬼に満ちていた。

 

ヴィランが活性化し、警察はおかしくなり、ヒーローの不正が明らかになる。

 

私は此処まで来たけど本当に正しかったの……?

 

いや、もう良い。

 

私は貫くって決めた以上はやり抜くだけ……それだけは絶対に譲らない。

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