殺人ヒーロー ジャック・ザ・リッパー    作:謎多き殺人鬼

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首領の正体

夜も更けた時間帯に私は忌々しい緑衣と仮面を身に付けてグリーン・メイスンの本拠地のある、深淵(ふかうち)市にある大きな建物……救済支援会の本部にやって来た。

 

真夜中の午前二時とだけに通りは人がいない中、緑衣の者達が数十人集まって建物の中に入ろうとしていた。

 

私はそれに紛れて中に入り込むと中はいたって普通の受付の場で拍子抜けしてたら今度はエレベーターに乗り込んでいく。

 

私も続いて乗り込むとエレベーターは地下に向かっているのか下に進む感覚を覚えた。

 

『成る程な。上はカモフラージュの為の表向きの顔……だが、その下には慈善家達の本部とは思えない奴等の集まる会合場所だったって訳だ』

 

「(確かに死穢八斎會の様に申請しないで地下を造ろうとおもえば幾らでも造れる。隠蔽にはもってこいでしょうね)」

 

私はエレベーターに揺らされながら地下へと降りて来て最初に見た光景は。

 

「(何よ……これ?)」

 

『相変わらず無駄に金を掛けてそうだな』

 

そこには緑を主とした旗と布、ジュータンが部屋に飾られた大理石が満遍なく使われた場所だった。

 

謂わば豪華絢爛と言った具合で、あちこちに投資してるとは聞いたけど儲かるのね秘密結社って。

 

私はそんな贅沢を終わらせてやると思いながら着いていけばまるで謁見の間の様な場所に出た。

 

「(王でも気取ってるの?)」

 

『昔からそうなのさ。自分達は頂点に立ってると勘違いして王を……いや、神を騙るのさ。それよりも出てきたぞ。衣緑 乗美がな』

 

私はアーサーの言った場所に視線を向けるとそこには顔を仮面で隠した緑の分厚い衣装を纏った私と同じ毛色をな一つ結びにした女が現れた。

 

「(あれが……!)」

 

『今は雑魚には構うな!先ずは頭を取れ!!』

 

私はナイフを手にし、飛び出して衣緑に躍り掛かると頸動脈目掛けてナイフを振るった。

 

でも、そのナイフの刃は届かないで激しい金属音と共に衣緑の手にするナイフによって受け止められていた。

 

「嘘……!?」

 

「いきなり切り掛かるとは随分と無粋ですね?」

 

そう言って衣緑はナイフを反らして逆に切り付けてきたのを私は避けたけど変装で使っている衣装が少し切れた。

 

『もう脱いどけ。いらないだろ?』

 

私はアーサーの言われた通り、衣装を脱げ捨てて仮面を外すと周りのグリーン・メイスン達から驚きの声が挙がった。

 

「グリーン・メイスンの首領……衣緑 乗美ね!今まで上手く逃げて来たでしょうけど今日、貴方を殺してやるわ!!覚悟しなさい!!」

 

「ふふふ……ふっははは!!私を殺すですか?まぁ、良いです。此方も貴方の事が目障りだと思っていて探そうと思っていました。探す手間が省けて丁度良い!!しかし……勇気と無謀を履き違えるなどと親には教わらなかったのですか?」

 

「父さんも母さんも貴方達に殺されたわよ!!だから私は貴方達を殺す。人の大切な者を奪ったもの。文句は出ないでしょ?」

 

「小娘が言いますね。なら、それを私が返り討ちして貴方を殺してしまっても文句は出ないと言う事ですねぇ?」

 

私の言う事を簡単に返してくる衣緑に私は苛立ちを覚え、ナイフを構えた。

 

「抜かせぇ!!」

 

私はナイフを振るうとそれに合わせて衣緑もナイフを振るってきた。

 

私の攻撃は……何度も防がれてしまう。

 

まるで全て知っているとばかりに読まれ、防がれ、反撃してくる。

 

対する私は攻撃こそしてるけど押されてしまっている。

 

ナイフだけじゃなく拳や足での格闘も混ぜた読み合いすらも衣緑に優位に立たれてしまう。

 

「その程度ですか?ガッカリさせないでほしいですね!!」

 

「ちッ……!」

 

私が舌打ちした時、腹を思いっきり蹴られて地面を転がると衣緑は余裕の笑みを浮かべてくる。

 

でも……

 

「それはどうかしら?」

 

「……いつの間に」

 

私が咄嗟に振るったナイフは衣緑の仮面に当たり、割れると衣緑は仮面の割れた傷を撫でた。

 

「流石はその若さで切り裂きジャック(ジャック・ザ・リッパー)を名乗るだけはありますね……しかし、これを見て冷静でいられますか?」

 

衣緑はそう言って着込んでいた衣装を脱ぎ去って身軽になると仮面を外した。

 

「嘘……!?」

 

『こいつ!?』

 

私は衣緑の素顔を見て固まってしまった。

 

忘れもしない……とても愛おしく、甘えたくて、過去に戻れるならと何度も願った……また家族で食卓を囲みたいと願い続けたか……

 

その想いを踏みにじる様にそこにある顔に私は動揺が隠せなかった。

 

「母さん……!」

 

その顔は間違いなく……両眼こそ私と同じ赤だけど母さんの顔その物だった。

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