殺人ヒーロー ジャック・ザ・リッパー    作:謎多き殺人鬼

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とある少女の悲劇

私は敢えて生かされた後、私はすぐにでも外堂先生に母さんの事を問い詰める為に診療所へと向かった。

 

右の頬から血が流れるけどそんな事は気にする事なく私は診療所へと来ると扉を叩いた。

 

「こんな夜中に誰なの?あれ……ジルお姉ちゃん……?」

 

「こんばんは智枝美。ごめんなさいね……外堂先生はいる?」

 

「う、うん……診察室にいるけど……どうしたの?その頬?」

 

「少しね……取り敢えず上がらせて貰うわね。貴方は寝てて良いから」

 

私はそう言って智枝美の頭を撫でた後、そのまま外堂先生のいる診察室に踏み込むと驚いた様子の外堂先生がいた。

 

「どうしたんだね?こんな夜更けに?それにその頬は?」

 

「……先生。正直に話して下さい。母さんの件です」

 

「はて?君のお母さんの事かね?」

 

「ある人物に心臓移植をしましたか?母さんの身体を使って?」

 

「何を言い出すんだね?幾らなんでも死体に移植などしないだろ?」

 

「そうですね……私も疑っていました……しかし、現に母さんの身体をその人物が使っていた!そしてその人物は貴方が移植に関わったと聞きました!私も……疑いたくありません。証拠も無いです。だから……否定しても構いません」

 

私は否定してくれる事を期待してそう言った時、外堂先生は突然、笑い出した。

 

「何が可笑しいのですか?やはり間違い」

 

「いや、間違いではないね」

 

私の言葉を遮る様に間違いではないと言い出した外堂先生は不適な笑みを浮かべて私を見据えてくる。

 

「いやはや乗美にも困ったものだね……私は既に用済みか。まぁ、良い。そうだよ。私は君の母君の身体に乗美の心臓を移植する事に関わったよ」

 

「どうして……どうしてなのですか!!何故、グリーン・メイスンに力を貸したのですか!!」

 

私は声を張り上げて言うと外堂先生は暫く無言で見つめてきた後、答えを出した。

 

「智枝美の為だ。君と出会う前は心臓を患っていてね……移植する為の心臓が必要だった。だが、どうしてもドナーが見つからず、智枝美の命が短くなるばかり。どうしようも出来ない中で乗美、グリーン・メイスンに話を持ち掛けられた。君の母親、オリヴィアの身体に乗美の心臓を移植する。意識が移る事に成功すればオリヴィアの心臓は智枝美に譲ってくれるとね。検査した結果、一致した。だから迷わずに話に乗ったのだ」

 

「それってつまり……!」

 

「そうだ。智枝美の身体にあるのだよ。オリヴィアの心臓がね」

 

私はその答えに唖然としていると外堂先生は笑って私を見つめてくる。

 

「意識の混合については問題無い。19世紀に存在した外道医師とされるオルターと言う男が発見した方法を用い、オリヴィアの意識が万が一にでも目覚める事は無い」

 

「貴方って人は……!」

 

静かに聞いていたけど我慢が出来なくなった私は外堂先生にナイフを向けた。

 

「私を殺すのか?はっはは!今更そんな事をしても遅いと言うのにね!」

 

「黙れ!!」

 

「ジル君。私が前に言った事を憶えているかね?優しさを捨て去り、目的の為なら手段を選ばなくなる者は皆……冷酷な怪物となる。君はそうなるつもりだね?」

 

「……そうね。母さんに行った所業を聞けば貴方に対しての優しさも慈悲も無い。だけど……智枝美には手を出さない。それだけは約束する」

 

「憎まれるよ?もしかしたら殺しにくるやもしれない」

 

「覚悟のうえです。本当に……残念です。貴方はとても良い医師だと思っていました」

 

私はそう言って外堂先生の首にナイフの刃を突き刺した。

 

刺された外堂先生は最初こそ刺された痛みによる苦痛で表情を歪めたけど最後には何処か満足そうな笑みを浮かべながら死んでいった。

 

「……これだけは言います。母さんの心臓が智枝美を生かしたと言うのなら……誇りに思います」

 

私はそう呟いて外堂先生の瞼をゆっくりと閉じて眠らせてあげた時、診察室に誰かが入ってきた。

 

「さっきから二人で何を話してるの?……ッ!?お父さん!?」

 

「智枝美……」

 

「やだ!!首から血が流れてる!!助けてお姉ちゃん!!お父さんが死んじゃう!!!」

 

智枝美は外堂先生に掛けよって医者の娘として学んだ物なのかハンカチを使って止血を試みている。

 

でも……外堂先生はもう……

 

「無駄よ。もう死んでる。諦めなさい」

 

「何言ってるの……?どうしちゃったの!?」

 

「そのヤブ医者は私の母さんの安眠をさまたげた挙げ句、身体を犯罪者に引き渡していた。許されない事よ」

 

「お姉ちゃん……?」

 

智枝美の表情には前の様な人懐っこい笑顔は無く、私に怯えていた。

 

でも、これだけは告げないといけない。

 

「貴方のお父さんを殺したのは……」

 

「嫌……止めて……聞きたくない……!!」

 

智枝美が拒絶しても絶対に言う……それが私に出来る罪滅ぼしの一つ。

 

「この私よ。どうかしら?私はヒーローとして悪を裁いたわ」

 

「そんなの……ヒーローじゃない!人殺しよ!!」

 

「何とでも言えば良いわ。今更、引き返すつもりも無いしね。さよなら智枝美。もう会う事と無いわ。貴方が罪さえ負わなければね」

 

私はそう言うと智枝美を置いてそのまま診療所を後にした。

 

暗い夜道はもうすぐ空に登ろうと太陽の日差しに照らされる時間帯となった時、私のスマフォに電話が鳴った。

 

このスマフォに掛けてくる者は既に報告用に伝えたヴィラン連合くらいで私は報告の催促かと電話に出たら。

 

《残念だがヴィラン連合ではないぞ。切り裂きジャック(ジャック・ザ・リッパー)

 

「ッ!?その声はエンデヴァーね?」

 

何でエンデヴァーがヴィラン連合の連絡で電話してきたのか分かってる……ヴィラン連合は既に。

 

《匿名の通報によって死柄木弔及び幹部は全員、捕縛し、タルタロスへと護送した。異能解放軍の面々もまた同じだ。後は貴様だけだ。ジャック!!》

 

「それで?投降しろと?」

 

私がそう言うと電話相手が代わったのか雰囲気が変わった。

 

《霧先少女》

 

「今度はオールマイト?」

 

《久しぶりだね。君の言った通り……投降してくれ。そして君の持つグリーン・メイスンの情報を提供してくれないか?》

 

「何処でその情報を?」

 

《君のお父さんが残した資料からと言えば嘘かな。だが、闇に潜む巨悪がいるなら見過ごす訳にもいかない。それに君のお父さんの無念を晴らさねばならい。どうか此処で手を止めて我々に力を貸して欲しい。必ず我々がグリーン・メイスンを捕まえる》

 

「……駄目よ。ヒーローじゃ奴等は捕まらないし、裁けない」

 

《霧先少女!!》

 

私はオールマイトの説得でもおうじるつもりはなかった。

 

何しろ何年も日本の地下に潜んでた奴等だもの。

 

ヒーローへの対策もしてある筈……それにグリーン・メイスンが手段を選ばない抵抗を始めれば被害は只でさえ少ないヒーローに、民間人に大きな被害を与えかねない。

 

そうなれば今度こそ……平和の終わりよ。

 

「私は必ずグリーン・メイスンを根絶やしにする。必ずよ」

 

《駄目だ!!君の復讐は既に終わった!!レディ・クイックの余罪は既に分かっている!!君のお母さんの仇だとも!!》

 

「遅いのよ!!真相を突き止めるのが!!半年近くも経って真相を知れば私が殺して終わってるって何よ!!ヒーローが復讐よりも後で解決しようなんて意味もないじゃない!!」

 

《そうだね……すまない……本当に……すまなかった……!》

 

「言い訳なんて聞きたくない……逆探知でもしてるのでしょうけど来た所で私は見つからないわよ」

 

私はそう言って電話を切ると道路にスマフォを投げ捨てて何度も踏みつけて壊した。

 

緋色との思い出の品だけどもう必要無い……ごめんなさい緋色。

 

私は衣緑を殺す為に……再度、決意を新たにしなきゃいけない。

 

今度こそ殺す……その為にもアーサーと話さなければいけない。

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