殺人ヒーロー ジャック・ザ・リッパー    作:謎多き殺人鬼

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最終決戦 ~前編~

~別視点side~

 

グリーン・メイスンの本拠地ではジルによるグリーン・メイスンへの攻撃によって浮き足立っていた雰囲気は解消されつつあった。

 

衣緑がジルを撃退した事により、不安と恐怖が和らぎ、ジルに情報を流して保身を図ろうとした者への徹底的な弾圧もあって組織内には結束力が生まれていた。

 

再びジルが攻めて来ても衣緑が撃退してくれる。

 

その安心感が出ていた時、出入口のエレベーターが降りて来た。

 

「誰かまだ来てなかったのか?」

 

「いや?全員来ていた筈だぞ?」

 

エレベーターの側にいた構成員は首を傾げていた時、エレベーターの扉が開かれた瞬間、顔を青ざめた。

 

「さぁ……来て上げたわよグリーン・メイスン!!」

 

そこにいたのは不適な笑みを浮かべているジルで、その手にはナイフが握られている。

 

グリーン・メイスンの構成員達はジルを目の当たりにして恐怖で包まれていく。

 

~sid終了~

 

私は"一人"、グリーン・メイスンの本拠地に再び踏み込むとそこには怯えている雰囲気を見せているグリーン・メイスンの連中がいた。

 

「衣緑はいる?また私と殺し合いをしたいのだけど……いるかしら?」

 

「く……クソオォォォォォッ!!」

 

「掛かれ掛かれ!!」

 

「銃も持ち出せ!!此処で殺すんだ!!」

 

グリーン・メイスンの連中は大慌てで戦闘態勢に入る姿に私は面倒だと思いつつも歩き出した。

 

「さぁ、行くわよ……アーサー」

 

私はもう側にはいない相棒の名を呟きながら通路を歩けばグリーン・メイスンの連中は個性や銃を使って攻撃してきた。

 

「死ねぇ!!」

 

「退きなさい雑魚」

 

私は向かって来るグリーン・メイスンの連中を相手にナイフを踊る様に振るった。

 

頸動脈、脇腹、胸と確実に急所を切る事を心掛けで攻撃を避けながら反撃しつつ進む中、何人かが小銃を手に立ちはだかる。

 

「どのみち殺すけど死ぬのを先延ばしにしたいのなら退きなさい……雑魚が」

 

「ひ、ヒイィッ!?」

 

「ば、化け物め!!」

 

「貴様達には言われたくない。退かないなら殺す!!」

 

私は地面を蹴って駆け出すと小銃を手にしたグリーン・メイスンの連中は発砲した。

 

激しい弾幕が降り注ぐ中、私はそれを冷静に見極めながら避けて行き、発砲していたグリーン・メイスンの一人の頸動脈を切り裂いた。

 

「小銃だぞ……?な、なんで避けられんだ?」

 

「何なんだよ……何なんだよお前は!!」

 

「私は霧先ジル。お前達が身勝手に弄び、殺した者達の代弁者……切り裂きジャック(ジャック・ザ・リッパー)よ。よく覚えておきなさい!!」

 

私は残ったグリーン・メイスンの連中を切り裂き、殺すとナイフの血糊を払って歩き出す。

 

道中、何度も邪魔しようとしてくるグリーン・メイスンの連中を切り裂いて凪ぎ払いながら突き進み、奥にあった前にも行った謁見の間の様な部屋の扉を開け放つとそこにはちゃんと正装をしている衣緑が玉座に座りながら見下す様に笑っていた。

 

そしてその周りにはグリーン・メイスンの連中がウヨウヨといた。

 

「今回も来ましたか……殺人鬼、ジル」

 

「まぁね。決闘の決着も着けないで捨て置くなんて半分だけとは言え、英国淑女としては恥ずかしいでしょう?だから決着を着けに来たわ」

 

「今回は逃がしてはあげませんよ?よろしいですね?」

 

「勿論。私が死ぬか、貴方が死ぬか……それまで戦うまでよ」

 

私がそう笑いながら言うと衣緑は玉座から立ち上がり、正装で着ていたローブを脱ぎ捨てると余裕の笑みを浮かべながらナイフを手にして私の前へと来た。

 

「自らの蛮行を悔い改めて私に命を差し出すと言うのなら楽に殺して差し上げますよ?」

 

「笑わせないでくれるかしら?貴方は今度こそ死ぬの。グリーン・メイスンと共にね」

 

「私が死ぬ……?面白い冗談ですね」

 

衣緑は笑いながらそう言うけど少し怒った素振りを見せて私は微笑む。

 

「冗談なんて言わないわよ。偽物。切り裂きジャックの真似事は大概にしなさいよね」

 

「……まだ粋がるだけの余裕があるのですね。身の程を弁えなさい。分かりました。今度は絶対に逃がしはしません。何度も刃向かわれるのは目障りです」

 

「一度勝ったからって何度でも勝てる訳じゃないわよ?そんな考えを抱くのは……傲慢としか言いようがないわよ?」

 

「強がりを……!そんなに死にたいのなら今すぐに地獄へ送って差し上げますよ!!」

 

「貴方の身体に刻んであげるわ!"FROM HELL(フロム ヘル)"のサインをね!!」

 

私達にはもう軽口の応酬を続けるつもりもなく、私と衣緑は互いに駆け出してナイフが交差する様に噛み合い、火花を散らした。

 

噛み合ったナイフを打ち払い、互いにナイフと格闘によるシンプルな戦闘が行われた。

 

突き合い、切り合い、殴り合う。

 

二人で舞う様に動き、油断なく戦う。

 

私は衣緑の喉を狙って突けば、衣緑はそれを避けて私の手首を切ろうと振るい、私はそれを咄嗟に避けて蹴り込めば衣緑は咄嗟に後ろに下がって衝撃を逃がす。

 

衣緑が切り込めば私はナイフで弾き返して逆に切り込んで防がれる。

 

~別視点side~

 

その一方、ジルと衣緑の戦いを固唾を飲んで見守るグリーン・メイスンの者達は二人の舞いの様なその戦いに見とれていた。

 

「す、素晴らしい……!」

 

「何て美しい戦いなんだ……!」

 

煌めくのは銀閃、ナイフの輝き。

 

ジルと衣緑の互いのかすり傷から舞い散る飛沫が、銀閃に朱色を加えた。

 

そう……例えるなら切り裂きジャックの円舞、死の舞踏会だった。

 

もしも、迂闊に舞台へと踏み込んだ者がいれば……。

 

踊りを邪魔をする無粋や輩には速やかな死が与えられる事になるだろうと思えた。

 

二人の戦いの腕は一流なだけでなく、どちらも美しい容姿を持った女性だと言う事も視野に入れれば無理らしからぬものだった。

 

~side終了~

 

 

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