殺人ヒーロー ジャック・ザ・リッパー 作:謎多き殺人鬼
~雄英side~
実技試験と筆記試験を終えた雄英では合格、不合格を決める会議が開かれていた。
合格或いは不合格が決まっていく中、そこでジルの結果が決められようとしていた。
「実技の結果はヴィランPが37で救助Pが40。一位の爆豪と同列になってしまったな」
「でも、試験中に言ってた事や行動を踏まえると40も与えるのは良いと思うわ」
「確か……それでも助けを呼ぶ相手を無視できない。無視したらそれこそヒーロー失格よ。でしたよね?」
「そうだぜ!俺も見ていたがなかなかにイカした女だぜ!」
「だが……問題がある。その子には人格がもう一つある。殺人鬼の人格。それもかなり厄介な人格だ」
「アーサー・ヒューイットだね?」
校長として会議の参加者の一人である根津はそう言うと他の教員達は驚きの表情を浮かべた。
「アーサー・ヒューイットってあのロンドンの切り裂きジャックのか?」
「それは初代の方です。アーサーは二代目切り裂きジャックとも言われている殺人鬼で初代同様、捕まって死刑にされたと言われており、またの名を切り裂きジャックの再来だと言われています」
「人格に有名な殺人鬼がね……疑わしいですが不安要素があるなら流石に合格は無理では?」
教師の一人である相澤が言うと回りな静まり返って重苦しい雰囲気になる。
将来有望な受験生が人格が危険な為に落ちる。
そんな事を考えれば誰でも気が重くなるのも仕方なかった。
「僕が責任を持つよ」
「校長!?」
そんな中で責任を持つと公言した根津に教員達は驚きの声を挙げた。
「誘ったのは他ならぬ僕だしね。それなのにもし、人格なんかで不合格なんて言ったら希望を持った彼女の頑張りを無駄にしてしまうからね。なら、僕が責任を持つ事で彼女をヒーロー科に入れてあげて欲しいのさ」
「……なら、その責任は私も持ちます」
根津の言葉に挙手してから相澤が言い、他の教員達は相澤に注目した。
「その代わり。彼女をA組に入れてください。"見極め"が大事な生徒なら俺が直接見ていた方が合理的だ」
「分かったよ。でも、注意をして欲しい所があるのさ。彼女の人格は"個性に組み込まれていない"みたいなのさ。つまり、君の個性では彼女の個性は止められても人格が切り替わってしまうのを防げないと言う事さ」
「個別になっていると言う事ですか……」
根津から伝えられたジルの人格に関して聞いた相澤はジルの乗る資料を見つめるのだった。
______
____
__
実技試験の後、筆記試験も終えた私は家で
実技でやってしまった以上、筆記ができても合格できているのか分からない中、私は燃え尽きた様にテレビを見ていた。
『おいおい、大丈夫か?実技試験の後からずっとそうだぞ?』
「大丈夫じゃないかも……」
『やれる事はやったんだ。何故か0Pの奴は出なかったがな』
「後から聞いた話だとピンポイントでCだけ動作不良を起こして動かなかったんだって。まぁ、かなりデカイ仮想敵だから私じゃどうにもできなかったと思うけど」
『なんだそりゃ?お前、運が良いのか悪いのかやら……まぁ、結果を待つんだな』
アーサーの言う通り、結果を待つしかない中、溜め息をついてるとバタバタと母さんがやって来た。
「ジル!来たわよ!」
その言葉に私は通知を受け取って自分の部屋に入って椅子に座った。
暫く自分に大丈夫だと言い聞かせてから開封……したら何か出た。
文字じゃなくてどうやら映像のようだ。
『通知だけで無駄にこってるな』
アーサーはそう言う中、私はまじまじと映像を見ているとドアップのスーツ姿のオールマイトが出てきた。
《私が投影された!!!》
「お、オールマイト!?」
『何でオールマイトなんだ?』
咄嗟に通知の封筒を確認すると間違いなく雄英の物。
だとすればオールマイトは雄英の関係者として出てきた事になるけど……
《久しぶりだね霧先ジル君!何故、私が投影されたのかって?それは!私がこの春から雄英に教師として勤めるからさ!おっと!この情報はまだ世間には出ていないからね!内緒で頼むよ!さあ早速、君の合否を発表しよう!》
『マジかよ。No.1ヒーローが教師だとよ』
「凄いと思うけど合格できたとは思えない……」
『まだ言ってんのかよ』
ジルはかなり不安になる中で結果が話される事を待つ中、オールマイトが親指を立てた。
それはつまり。
《おめでとう!君は合格だ!筆記はトップ!実技もヴィランPは37だったが君の行動と言葉が道を開いて救助Pが40も与えられた!しかもお邪魔虫である0Pの仮想敵も此方の事情でCだけ動く事なかった強運も助けたとも言える。君の特殊な事情で少々、危ない橋を渡ったがな!》
私はそれを聞いて安心すると身体の力が抜けていく。
どうやら緊張し過ぎて力み過ぎていた様で椅子に深く座り込んでしまった。
『良かったじゃないか。合格できて』
「えぇ……本当に……」
私はもう安心し過ぎて泣きそうで堪らなくてヒーローを目指せるんだって思えて嬉しすぎる。
《君には見えないハンデがあるかもしれない!しかし!君はそれを物ともせずヒーローへの道を切り開いた!胸を張って来いよ霧先少女!
オールマイトのその言葉に私はもう限界で泣いてしまい、アーサーはそれに見ていたが何も言わず笑っていた。
でも、そんな事なんて構ってられない。
私は合格したと母さんにつたえる為に部屋から飛び出した。
危険な個性と不安定な人格だけどそんな私もヒーローになるチャンスがあるって支えてくれた母さんと出張中の父さんに伝えたかったから。