殺人ヒーロー ジャック・ザ・リッパー 作:謎多き殺人鬼
取り敢えずマスコミ達からの一件から暫くしてチャイムが鳴ると相澤先生が何事も無かったかのように教室に入ってきた。
「昨日の戦闘訓練お疲れ。Vと成績を見させて貰った。爆豪。お前はガキみてえなマネすんな。能力あるんだから」
「分かってる……」
相澤先生の厳しい言葉に流石の勝己も反省してるのか元気無く返事を返すと相澤先生は今度は出久君に視線を向けた。
無論、お怒りで。
「で、緑谷はまた腕ブッ壊して一件落着か」
相澤先生のその言葉に出久君は身体を震わすと、相澤先生が不機嫌モードになった。
「個性の制御……いつまでも出来ないから仕方ないじゃ通させねぇぞ。俺は同じ事を言うのが嫌いだ。それさえクリアすればやれる事は多い。焦れよ緑谷」
「っはい!」
相澤先生の言葉に出久君が大きな声で返事をする姿に頼もしさを覚える。
「それと霧先。お前は優秀だな。無駄な動きが少なく連携した作戦も立案する能力がある」
挨拶先生はそう言うと鋭い視線を私に向けた。
「だが、勇気と無謀を履き違えるな。前みたいな事になりたくないなら次からは物事をよく考えてから行動しろ。特に昨日の夜の無謀な行いは褒められた事じゃない」
「はい。ご迷惑をお掛けしました……」
私はそう言ってあの時の事を思い出してしまい少し落ち込む中、相澤先生は話を切り替えた。
「さてHRの本題だ……急で悪いが今日は君らに……」
「(またテストかしら?)」
『そんなにテストするもんなのか?』
私とアーサーは疑問に思う中、相澤先生は本題を切り出した。
「学級委員長を決めて貰う」
「「「学校っぽいの来たあぁぁぁぁッ!!!」」」
相澤先生からの学級委員長を決める話に皆が食い付くと一斉に手を上げて行く。
私も迷わずに挙手をし、やる気を見せた。
『やる気満々だな』
「(当然よ。ヒーロー科に取っては学級委員長は集団を導くトップヒーローの素地を鍛えられる役だからね。やっておいて損は無いから)」
『普通なら雑務のイメージなんだがな。ヒーロー科と言うのは細かい所にも育成の為の何かが仕込まれているとは気が抜けやしないな』
アーサーの言葉に私は少し苦笑いした後、ワイワイと騒ぐ皆を制するのはやはりこの人。
「静粛にしたまえ!!」
飯田君だった。
「多を牽引する責任重大な仕事だぞ……!やりたい者がやれるものではないだろう!!周囲からの信頼あってこそ勤まる聖務……!民主主義に則り真のリーダーを皆で決めると言うのなら……これは投票で決めるべき議論!!」
「飯田君は本当に真面目ね……なら、その腕は何かしら?」
「そびえ立ってんじゃねーか!!何故、発案した!!!」
私の言葉を皮切りに上鳴君が何故か投票を発案しておいてやりたいとばかりに手を挙げている飯田君にツッコミを入れた。
「日浅いのに信頼もクソもないわ飯田ちゃん」
「そんなん皆、自分に入れりらぁ!」
「そうね……日が浅い内は難しいわね。でも、入れるとしたら飯田君かな」
「「え?」」
「だって日こそ浅いけどクソがこびりつくどころか強力接着剤で何回も塗りまくった位に超真面目な飯田君なら信頼出来そうだし」
「それ……誉めてるのか?」
梅雨ちゃんと上鳴君は意外だと見られ、砂藤君には何故か引かれた視線を向けられた……何で?
「と、とにかく!だからこそ此処で複数票を獲った者こそが真に相応しい人間と言う事にならないか!?あと票をありがとう!」
入れる決まった訳じゃないのに律儀ね……でも、彼は適任だと思えるし今回は譲ってあげましょう。
取り敢えず始まった学級委員長選挙は皆は結局、自分に入れたりする中、此処で予想外な事が起きた。
出久が三票、八百万さんが二票、そして私も二票。
誰よ私に二票も入れたの?
『まぁ、お前もそれなりに真面目だしな。同列の主席と言うのも大きい。しかももう片方の主席とは違って筆記もトップで更に性格は良いとくれば信用する奴は多いだろ』
「(忘れてたわ……勝己と一緒の結果だったの)」
私は入試の成績を思い出すと取り敢えず、委員長は出久君になり、副委員長はジャンケンで決める事になった。
「(ジャンケンね……)」
私はそう思いながら八百万さんと普通に最初はグーとした後、ジャンケンポンとチョキを出した。
八百万さんは……グーだ。
私はチョキを出して負けた以上は今回は見送りだった。
「勝ったのは八百万か」
「うーん……霧先さんも良い方だと思うけど……」
「ジャンケンだからな。だけど、八百万は講評の時のがカッコよかったし!」
「緑谷もなんだかんだ熱いしな!」
「おいらとしてはどっちでも役得」
皆が感想を各々言った後、委員長の出久君と副委員長の八百万さんが前に立った。
それにしても項垂れてる飯田君は他に入れちゃったのね……流石に何してるのよ。
『本当、真面目な奴だよな』
「(そうね……)」
まぁ、それが飯田君の良い所だと思って良しとしましょう。
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私は大食堂へ昼食を出久君と麗日さん、飯田君とで取りに足を運ぶと私を見るなり生徒の皆は一斉に駆け出した。
「ヒーロー科の霧先が来たぞぉッ!!」
「急げぇッ!!また飲み物なんかで時間を掛けられるぞ!!」
「もう!何でこんな時に限って終わるのが遅くなるのよ!!」
もう修羅場だ。
私が最初に珈琲か紅茶かでアーサーと揉めたりしたせいでこんな現象が起きてしまう様になったのだ。
「わぁ……凄い事になってる……」
「霧先さんってそんなに有名なの?」
「……少し、注文が遅くなりやすくて。私は珈琲でアーサーは紅茶。好みの問題なのよ」
「聞いた事がある……!君は飲み物の注文の際に険しい顔をして時間を掛けるという噂があるが……そういう問題が」
「それ以上は言わないで!!」
私の恥ずかしい噂を解説しそうになる飯田君を止めた後、私達が注文する為に並ぶと後から来た人は膝をついたり、悔しがったりする者で溢れた。
「あぁ……急ぎの用がある人がいるなら先に注文して良いですからそれ、止めて下さい」
「ジルが順番を譲りだしちゃった」
「人格が二つあるって大変なんだ」
「うむ……やはり、彼女の為にも何かしてあげられないのだろうか……よし!此処は先生方に!!」
「いや、大丈夫だから飯田君。これ以上、黒歴史を増やさせないで」
私はそう言いながら取り敢えずフィッシュアンドチップスとサンドイッチのセットを注文した。
雄英には私の様なハーフの人達の為に外国の料理も作ってくれるそうでたまに食べたいもう一つの故郷であるイギリス料理を食べられるのはとても良い。
飲み物は……前の騒動から懲りてアーサーに文句を言われたけど頼まない様にしてる。
だけど、ランチラッシュが気を遣ってくれたのか紅茶も付けてくれたりするけど多分、イギリス人のハーフだから等のイメージなのか紅茶を付けてくれるのだ。
いや、紅茶は嫌いじゃないけど珈琲が良かったな~なんて思ったのは内緒。
無論、この予想外のサービスにアーサーは喜び、ランチラッシュへの株が大きく上がったらしい。
「それにしても人が相変わらず多いわね」
「ヒーロー科の他にサポート科や経営科の生徒も一堂に会するからな」
「いざ委員長をやるとなると勤まるか不安だよ……」
「ツトマル」
「大丈夫さ」
「二人の言う通り大丈夫よ。何かあれば助けるし」
三人と他愛ない話をしながら私はサンドイッチを頬張る中、視線に昼食を持って席を探す緋色を見つけた私は声を掛けた。
「緋色!」
「うん?やぁ、ジル。君も昼食かい?」
私の呼び声を聞いた緋色は笑顔でやって来ると笑顔を見せ、私も笑顔になった。
「霧先さん。その方は?」
「普通科の緋色よ。最近、仲良くなって」
「神速緋色だ。普通科だがよろしく」
「緑谷出久です」
「私は麗日お茶子!よろしく!」
「飯田天哉だ。此方こそよろしく」
各々、挨拶を済ます中、周りの席は相手おらず私は緋色を誘ってみる事にした。
「緋色。他に席が空いてなかったら一緒にどうかな?」
「それは助かるよ!見た所、他に相手なくて困っていたんだ。だが、三人は私が混ざっても良いのかい?」
「良いよ!ジルの友達だし!」
「私も!」
「僕も構わない。他の科の生徒と交流する事も大事な事だ」
三人が緋色が一緒に席に座る事を許してくれると私達は楽しく食事をしながら会話する。
「へぇ、委員長ね……雑務をこなすイメージだけど集団を導く素地を鍛えられる役でもあるのか。だからヒーロー科から落ちてきた者達はやる気を出していたのか」
「普通科なのにやる気があるの?」
「あれ?知らないのかい?雄英体育祭はリザルト次第では編入してくれる可能性があるんだ。だから、落ちて他の科に入ってもヒーロー科を諦めない者も多い。そして逆もあるらしい。つまり除籍だ。体育祭で油断して蹴落とされたなんて無いようにしておいた方が良いぞ?」
「へぇ……」
「そ、そうなんだ……」
緋色から聞かされた雄英体育祭のその仕組みに私は油断なく取り組まないといけないと思うなか、出久君は不安そうだ。
確かに出久君の個性はかなり扱いにくい。
見た限り強力だけだ使う度に身体を壊すと言うのは長期戦では不利しかないからね。
「それにしても飯田君も委員長やりたかったんじゃないの?眼鏡だし!」
「麗日さん……眼鏡は違うと思うわ」
「ツッコム所はそこではないだろ」
緋色はそう言って呆れた表情を浮かべるけど私は何で呆れられたのか分からず首を傾げると飯田君が答えた。
「やりたいと相応しいか否かは別の話……僕は僕の正しいと思う判断をしたまでだ」
「相変わらず真面目ね。それより一人称が僕になってるわよ?」
「僕……!!」
「ちょっと思ってたんだけど飯田君って坊っちゃん!?」
「坊!!!」
坊っちゃん呼ばれた飯田君はカレーを食べながら答える。
「……そう言われるのが嫌で一人称を変えていたんだが……俺の家は代々、ヒーロー一家なんだ。俺はその次男だよ」
「ええーー凄ーー!!!」
「飯田君の家庭ってヒーローの家族なんだ」
「ターボヒーロー、インゲニウムは知ってるかい?」
「勿論だよ!!東京の事務所に65人ものサイドキックを雇ってる大人気ヒーローじゃないか!!まさか……!」
「詳しい……」
「だてにヒーローオタクしてないからね。出久君は」
ヒーローの話になるといつも目を輝かせて話す出久君に私は楽しく聞いていたりしていた事があり、たまに長過ぎて眠くなりそうになった事もある程なのだ。
「それが俺の兄さ」
「あからさま!!!凄いや!!!」
「規律を重んじ人を導く愛すべきヒーロー!!俺はそんな兄に憧れヒーローを志した。人を導く立場はまだ俺には早いのだと思う。上手の緑谷君が就任するのが正しい」
『へぇ……真面目過ぎるがそれ故に規律を重んじ正しいと思う事は自分が損しても相手に譲る姿勢。俺は好きだね』
「(貴方に誉められるのは嫌だと思うけど……その考えは同感ね)」
私は入試以来の飯田君は真面目過ぎると思っていたけど彼自身の人柄は周りを引き付けるものがある。
私は投票でなくても飯田君が委員長になれたらと思う中、私は紅茶を飲もうとした時、警報が鳴り響いたのだ。
「警報!?」
私達は突然の警報に驚く中、アナウンスが鳴り響いた。
《セキュリティ3が突破されました。生徒の皆さんは速やかに屋外へ避難してください》
「セキュリティ3?」
「セキュリティ3とは何ですか?」
「校舎内に誰かが侵入してきたって事だよ!三年間でこんなの初めてだ!!君らも早く!!」
「……どうやら冗談ではないらしい。僕達も行こう!」
緋色のその言葉に私達は避難をしようと動くが大食堂に集まった生徒だけでもかなりの大人数の為か押し合いが起こる中、私は体勢を崩して転けない様にしながら歩く中、緋色が体勢崩した。
「危ない!!」
私はそう叫んだ時、アーサーが咄嗟に入れ替わって緋色の腕を掴んで転けない様に引き寄せた。
「大丈夫か?」
「あ、あぁ……こんな時にアレだが君も口調を変えてたのかい?」
「そんな事より気を付けろ。転べば痛いじゃ済まないぞ」
『アーサー!!窓の外に人が!!』
私はアーサーに窓の外を見る様に促すとそこには窓の外に群がるマスコミがいたのだ。
「ちッ……!マスゴミ共の仕業か!!」
「じ、ジル?」
『アーサー!緋色がいるの忘れないでよ!!』
「そんなの気にしてる場合じゃねぇだろ!!」
「本当に大丈夫かジル!?」
もう大混乱。
アーサーはマスコミ達が起こした騒ぎのせいで怒り狂い、緋色はそんなアーサーこと私を見て不安そうな表情を見せ、私はそんな姿を見られた事を気にする。
もう私達でも対象できない中、何かが宙を飛んで出入り口の上にへばり着いた。
『飯田君!?』
それは飯田君だった。
飯田君は非常口のマークみたいな掴まりかたをすると叫んだ。
「皆さん大丈ー夫!!ただのマスコミです!何もパニックになる事はありません!大丈ー夫!!此処は雄英!!最高峰の人間に相応しい行動を取りましょう!!」
その叫びに生徒の混乱は収まり、立ち止まっていく。
「はぁ……彼奴らは常識すら破るのか?」
「ジル?」
アーサーはその声に反応して緋色に視線を向けると緋色は不安と疑問の両方を抱いた表情をしており、恐る々に話しかけてきた。
「君は本当に……ジルなのか?」
『アーサー!!』
「……違うな。俺は単に混乱のせいで出てきただけだ。じゃあな」
アーサーはそれだけを言うと私は主導権を返された……
「えーと……大丈夫だった緋色?」
「……取り敢えず。一から説明してくれるかな?」
緋色からそう言われた私は今回ばかりはアーサーを深く恨んだ。
もしかしたら友達として仲良くなれそうな緋色がアーサーのせいで離れるんじゃないかと思えたから……殺人鬼だし。
私は説明責任を果たす為に取り敢えず状況が落ち着いた話そうと言う約束を交わす事になった。
「(それにしても単なるマスコミがアレを破壊なんて出来るのかな?)」
確かに存在する疑問を抱きながら。
~別視点side~
マスコミ侵入騒動が起こる中、対応に追われてもぬけの殻になった職員室に二人の侵入者がいた。
「これがカリキュラムか黒霧?」
「そのようです。雄英のUSJで救助訓練をするそうでその際にオールマイトが来るようですね」
侵入者の片割れである黒霧と呼ばれた男はそれを確認するとカリキュラムをしまう。
「手に入れたならさっさと帰るぞ。無駄に此処にいて見つかるのは面倒だ」
「分かっています……死柄木弔」
黒霧はそう言うと自身の身体である黒い霧を広げるともう一人の片割れである死柄木弔は迷う事もなく入った後、黒霧も消えてしまい残ったのは静かな職員室のみだった。
ルート分岐とは言え、殆ど内容が変わらな過ぎる様な気がする(・_・)