殺人ヒーロー ジャック・ザ・リッパー 作:謎多き殺人鬼
後は……ほぼ未開拓になる筈です
私は目の前にいるヴィランだけは倒すと決め、あのヴィランも飯田君を諦めたのか私に集中し、全力で殺そうと狙っている。
「良いのか?飯田が逃げちまうぞ?」
「確かに厄介ですね……ですが……貴方は私が阻止しようとしたらそれを阻止しようと動く……そうでしょう?」
「当たり前だ。増援を呼んでくれた方がこいつらの為になる」
アーサーは周りにいる皆の事を指して言うとヴィランは身構えた。
「貴方は非常に危険です。計画を台無しにされるだけではない……我々の存続にも影響しかねないと判断しました。つまり……此処で殺します」
「やれるもんならやってみろ!」
アーサーはそう言って地面を蹴り、ナイフでヴィランに飛び掛かるとヴィランはナイフの刃先が突き出される位置に小さなゲートを展開して背後から自分で刺せようと目論むがアーサーはそれを読み、咄嗟にナイフを引くと強烈な蹴りをヴィランの顔に目掛けて当てる。
個性の特性によってダメージは小さいがアーサーはそれに構わず追撃にナイフで右肩から左脇まで切り裂く様に振るう。
ナイフには血が付いている……だけど明らかに軽傷であり、油断も無く防御に徹していたとしか思えない。
「流石の私もナイフの刃までは防ぎきれませんね。貴方は本当にヒーロー志望ですか?中々、鋭い切り込みです。そう……まるで殺し屋です」
「誰が殺し屋だ。亡者だって言ったろ。テメェは殺さずに捕縛しなきゃならねぇんだ。大怪我を負いたくなければ降参しな。テメェじゃ、勝てねえよ」
アーサーはそう言ってナイフを今度は頸動脈のある箇所に正確に振るうもヴィランは霧になってアーサーからの攻撃を避けると今度はアーサーの真下にゲートを展開し、落とし穴の要領で飲み込もうとするもアーサーはそれを飛び退いて避けるとアーサーとヴィランは再び身構えて対峙する。
「……確かに。少し戦っただけでも分かる。貴方は素人ではありませんね。熟達した何か……と予想します。殺すと言いましたが今、私が倒れる訳にはいきません。あの眼鏡を逃がした以上はそろそろ合流させて頂きますね」
「あぁ?逃げんのか!」
「撤退も戦略です。今は勝てないと分かれば引くのも手ですよ。では、これで」
「待て!!」
アーサーは逃げるのを止めようとしたがヴィランの方が早く、ゲートを展開されてそのまま逃げられてしまった。
これはまずい……あのヴィランは侵入と逃走の手段。
奴だけは逃がしてはいけないのに逃がしてしまった。
「ちッ……!追うぞ!奴は相澤の所だ!!」
「待ちなさい!」
「またお前か!今度もまた」
「無茶はしないで下さい」
アーサーと私は13号先生からまた止められるのだと思っていたけど私も含めて拍子抜けして13号を見る。
「僕にはもう貴方達を止める事が出来ません……する資格もありません。ヒーローとして教師として私がヴィランと戦うべきでした。ですが……私は生徒をバラバラに移動させられただけでなく、貴方に怖気ついて只、止めるしかしませんでした……先輩の所に行くなら"貴方達"の方が適任です。だから……必ず無事に戻って来て下さい」
「……ふん。そんな事は分かってるさ。あんたは自分を過小評価しているが……あんたは戦闘にあまり慣れていないだけで人を災害から助ける良いヒーローだ。辞めるなよ」
アーサーはそれだけを言うと相澤先生が戦う広場へと駆け出して行く。
他の皆が呼び止めようとする声も聞かず私達は只、ひたすら駆け出してヴィランの群れで戦う相澤先生の元へと急いだ。
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私はアーサーが操るままに身体を任せて相澤先生がいる広場へと来るとそこには相澤先生が脳が剥き出しの巨体なヴィランに右腕を握り潰されて取り押さえられていた。
右腕だけじゃない……左腕も……頭も……
やめてよ……やめろ……やめろ……!
「やめろ!!!」
私はいつの間にかアーサーから主導権を取り返していた。
声は響き、ヴィラン達や水辺にいる出久君や梅雨ちゃんに峰田君もいる。
でも、今はそれを気にする訳にはいかない……自分の身は自分で守って欲しい。
私は今……とても熱い……まるで血そのものが燃えてる様な気がする……
私はゆっくりと歩き、ヴィラン達の前にやって来ると私は睨み付けた。
「相澤先生を……離せ。屑共」
「……誰だコイツ?こんな奴、俺達に着いてきてたか?」
「いえ、違いますよ。死柄木弔。奴は雄英の生徒です。……かなりの手練れですよ。しかし……瞳が二つとも真っ赤に……何が……?」
そこには逃がしたヴィランがいて死柄木弔と言う手だらけお化けのヴィランに報告している……奴が親玉?
「はぁ?どう見てもヴィランだろうが。見ろよあの殺気。他の奴らはビビって声も出してねぇぞ」
誰がヴィランよあの手だらけお化けめ。
私は確かに怒ってるけどね……お前達とは違う。
いえ、一度落ち着かないと……怒りに身を任せては駄目。
私は静かにゆっくりと深呼吸して怒りを落ち着かせた。
「もう一度言うわ。相澤先生を離して。怪我はさせたくないの」
「瞳が青に……本当に何が……?」
「んな事はどうでも良いんだよ。面倒くせぇ……脳無。殺れ」
脳無って呼ばれた脳味噌お化けがとんでもない速さで向かってきた。
でも、なぜ視認しきれない訳でもない。
寧ろ、コイツを今なら確実にやれる……弱点みたいな所は自分から出してる。
でも、流石に脳をナイフで切りつけるのは良くない。
私は右に逸れてみると脳無の拳は私のいた位置の地面を砕き、そこから右に逸れた私を攻撃しようとしてきたから私は思いっきり、脳に蹴りをいれた。
下手したら死ぬかもしれないと私は不安になったけど、脳無はガタガタと震えて動かなかった。
「は?どうした?」
「……恐らく脳を蹴られたからでしょう。脳は生きる全ての生き物にとって非常に重要な器官。いくら超再生を持ってしても直接、脳を蹴られ、強い振動を与えられれば身体の動きの正確性を失い、誤作動を引き起こしたのでしょう」
「ちッ!いくら強くても弱点剥き出しじゃ意味ねぇじゃねぇか!!」
死柄木弔は怒り狂いながら叫ぶけど私には関係無い。
私は死柄木弔の元へゆっくりと歩き出せば他のヴィランが怯えたり、逃げ腰になったり、私に攻撃しようと身構える者で溢れる。
「逃げて!!ジル!!」
「止せよ!!あのクソ強いヴィランを倒しても相澤先生がボロボロなのにこの数を相手にすんのは無理だよ!!」
「霧先ちゃん……」
三人は不安の中にいる。
私は少しでも落ち着いて欲しいから笑顔で三人を見る。
「大丈夫。絶対に皆を助けるから」
私はそれだけを言うと身構えていたヴィランは恐怖に負けたのか一斉に掛かってきた。
「怪我をしても知らないわよ!!」
私は殺さない様にナイフをヴィラン達に向けて切り、刺し、抉り、蹴り、殴り、また切り、刺す。
切れば切る程に返り血が飛び散り、私に降り掛かる。
血の匂いが酷い……!
あくまでも正当防衛だとは言え、殺してはいないとは言え、これが人を切る感触……
『そうさ。それが人を傷付けると言う行為だ』
「(アーサー……)」
『しっかりしろ。相手をよく見ろ。殺意を読め、躱せ。動きを読め、防げ。そうすればお前は自然と戦える』
私はアーサーの指導を受けながらヴィラン達との戦闘を繰り広げた末に返り血で真っ赤になってしまったけど、何とか殺さずに無力化する事が出来た。
私は血糊を払って一息整えてから主犯格のヴィランの所へ行く。
「何なんだよコイツは!!」
「死柄木弔!脳無は今は動けません!離れて下さい!!」
「うるせぇ!!俺がこんな奴にビビって退いたなんて出来るか!!」
死柄木弔は怒り狂いながら私に殺気を向け、私は構わず彼の所へ来ると対峙した。
「……帰って頂戴。この騒ぎに気付かない程、雄英は間抜けじゃない。オールマイトがいなくても他の先生達はすぐに来る。無駄に痛い目に合いたくなかったら……帰って」
「……仕方ない。オールマイトが来ないうえに何十人ものプロ相手じゃ敵わない。ゲームオーバーだ。あーあー……今回はゲームオーバーだ……帰ろっか」
死柄木弔は帰ると言う発言。
本当に信用が足るのか?
今回はと言う事は次もオールマイトを狙う陰謀を企てて来るのか別の陰謀を練るのかは知らないけど……今は退いて欲しい。
このままじゃ相澤先生が死んでしまう……何とか退かせて相澤先生を助けないと。
私はそう考えていた矢先死柄木弔は動いた。
「けどもその前に平和の象徴の矜持を少しでもへし折って帰ろう!」
死柄木弔は目にも止まらない速さで遠くにいた三人に向かって行き、何かの個性を使うつもりなのか梅雨ちゃんに触れようとしている。
「ッ!?彼女から離れて!!」
私はナイフを投擲しようとするけど此処で脳無が持ち直したのか私に攻撃を仕掛け、私はそれを避けるしかなかった。
私は脳無からの攻撃を避けながら隙を突いて梅雨ちゃんを見ると何もされていない……いや、相澤先生がギリギリで個性を使ってくれたのだ。
「手ッ……離せぇッ!!」
「脳無」
今度は出久君が仕掛けた時、死柄木弔の言葉を聞いた脳無は私から離れて死柄木弔を守る形で盾になると出久君の強烈なパンチが脳無を襲った。
「SMASH!!!」
出久君のその叫びと共に攻撃は行われると土煙が広がる。
「………終わってない」
私はそう呟いた時、そこには無傷の脳無が出久君を見下ろす形で見ていた。
「良い動きするなぁ……スマッシュってオールマイトのフォロワーかい?まぁ、良いや君」
「出久!!!梅雨ちゃん!!!」
私は脳無に掴まれた出久君と死柄木弔に再び襲われる梅雨ちゃんを助けようと動くと今度はあの靄ヴィランが私の邪魔をする。
「貴方の相手は私が暫く勤めましょう」
「邪魔よ退きなさい!!!」
私は何としてでも駆けつけるつもりでヴィランを突破しようとした時、出入り口の扉が破壊された。
私やヴィラン達も動きを止めて注視する中、そこから現れたのは。
「もう大丈夫。私が来た」
「……オールマイト」
「オールマイトーーー!!」
やっと……来てくれた……遅すぎるわよ平和の象徴なのに……でも……
「笑ってないわね……」
私がそう呟いた時、オールマイトは一瞬の内にヴィランを蹴散らし、相澤先生を助け出すと今度は私をそして、出久達を助け出した。
私は徐々に意識が朦朧とする中、私はオールマイトに何て言い訳しようか考えているとオールマイトは私の肩に手を置いた。
「良くやった。後は私に任せて休みたまえ。……負担を掛けさせて済まなかった」
オールマイトのその言葉に私は意識を失って誰かに抱えられる様に倒れた。
何か前と同じね……
~周辺side~
ジルが気を失うとオールマイトは彼女の頭を優しく撫でた。
「……私がもっと早く来ていれば彼女に血を浴びせさせるまねはさせなかった……済まない……霧先少女……」
「オールマイト……」
「彼女を頼むよ。私は私の役目を果たすとしよう」
オールマイトはそう言ってジルを出久達に託すとオールマイトはその無茶に答えるべく、ヒーローとして平和の象徴として動き出す。
誰かの為に血を浴び、その姿を友に見られ、恐れられながらも仲間の為に戦ったたった一人の少女の為に。