殺人ヒーロー ジャック・ザ・リッパー 作:謎多き殺人鬼
私は根津校長先生から休みを貰って殺されてしまった母さんの葬儀に参列した。
葬儀はキリスト教式で行われ、参列者には父さんと私、ジャッジにレディ・クイックと集まり、雄英からは忙しい筈なのに代表で根津校長先生が来てくれて、他にも母さんが日本で知り合った人達や遠いイギリスのロンドンから来てくれた人達もいた。
葬儀が進む中、父さんは泣いていないけど悲しみに暮れていて、葬儀が行われる前の昨日の夜もビールやウィスキーを出してきては泣きながら飲んでいた。
私も私で夜通し泣いてたせいで寝不足になった。
でも……それよりも母さんが殺された事の方がショックで寝不足なんて気にする事はなかった。
「霧先少女」
「はい……?」
私は葬儀を終えて後は火葬場に行って、火葬して貰うと言った段階で名前を呼ばれ、私は振り替えるとそこにはかなり痩せ細った骸骨の様な見た目の男性がそこにいた。
変ね……呼び方からしてオールマイトだと思った……いや、流石に幾ら教師でもNo.1ヒーローが参列だなんてしたら世間は大騒ぎになるわね。
「何か……?」
「大丈夫かい?辛いなら周りの大人。いや、友達でも良い。話してみれば気は楽になるよ」
「ありがとうございます……父さんのお知り合いですか?見ない顔ですが……?」
「そ、それはですね……!」
「あぁ、八木さん。参列してくれたのか」
父さんの知り合いかと尋ねたら何故か困った表情をして口ごもった八木さん?に父さんがフォローを入れる様に来た。
私はその不自然な行動に首を傾げた。
「紹介しておく。この人は八木俊典さんだ。オールマイト付きの補佐をしているんだ」
「は、はい!八木です。オールマイトの代理として来ました。本当は本人が行きたかったそうですが行くとなると……それは兎も角、この度はご冥福をお祈りします……オールマイトもご冥福を祈っているそうです。そして、私が必ず犯人は捕まえてみせると貴方に伝えて欲しいと言われて来ました」
「オールマイト……わざわざ代理まで立てて頂いてすみません。オールマイトにもそう伝えて貰っても良いですか?」
「えぇ、勿論です」
私は八木さんの返事を聞いてお辞儀した後、私はそのまま火葬場に行く準備をしに行った。
~別視点side~
ジルが去った後、ジャスティスはそれを見送って周りに誰もいないのか入念に確かめた後、呆れた顔をした。
「オールマイト……流石にいつもの呼び方はマズイだろう?ジルはオリヴィアに似て勘が良いんだぞ?」
「す、すまない。いつもの癖でつい……」
八木ことオールマイトはそう言うとジャスティスは溜め息をついた。
「それにしても君の奥さんを殺害したヴィランの件……君が追っているものとは関わりがあるのかい?」
「……分からねぇと言わせてくれ。だが、可能性はある。暫くは彼奴も立ち直れねぇ。暫くは学校は休ませねぇと……続けるにしろ、辞めるにしろ……本人の気構え次第だ。続けるのなら彼奴は雄英の寮へ入れるつもりだ」
「寮に?」
「確かにそれが良いかもしれないね」
ジャスティスとオールマイトの会話の間に入る様に現れたのは根津だった。
「今、彼女から目を離すのは得策ではないのさ。人格にしろ、身の安全を守るにしろね。君がヒーローである以上は常に危険があって、更に常に側にいてあげられる訳でもないからね」
「そうだ。まだ俺かジルを狙っているのなら安全を確保しなきゃいけねぇし、彼奴が悲しみから怒りに変えて復讐なんて事に突っ走ったりしたら取り返しがつかねぇ。何しろ彼奴には経験豊富なヴィランの先生がいやがる。ジル本人は素人でもその先生……アーサーがヴィランとしての生き方なんて教え込んだりしたらな」
ジャスティスはジルがアーサーによって鍛えられ、悪を殺す殺人鬼として活動なんてしたらと言う嫌な想像をする。
「(大丈夫だオリヴィア。絶対にジルに罪を背負わせないし、守り通してみせるさ。それに……彼奴はそこまで堕ちる程、弱くはないさ)」
ジャスティスはそう亡き、妻へと伝えたのだった。
~side終了~
葬儀を終え、火葬も済んで近くの墓地に埋葬を終えた私は家で落ち込んでいた。
何も手がつけられず、家は殺される前では忙しく家事をこなす母さんの姿と音が鳴っていたけどそれももう二度と聞く事はない。
雄英だって何時までも休む訳にはいかないから出席しようかと相澤先生に電話したら。
「待っててやるから完全に立ち直ってから来い」
と、その一言で電話が切れた。
『何時まで落ち込んでるんだ?飯だって全然、食べてないだろ?ほら、』
アーサーにそう言われてもそんな元気は無い。
今はアーサーに好きに身体を使わせてしまうくらいだもの……私にとって、母さんの死は重すぎた。
『だんまりか……たく、仕方ねぇな』
アーサーはそう言って私の身体の主導権を握るとそのまま歩き出して家の外に出た。
『何処へ行くつもりなの……?』
「たまには外に出て歩くんだよ。あんな暗い雰囲気の家にいても気が滅入って余計に立ち直れないからな」
アーサーはそう言って宛すら無さそうに私の身体を使って適当に歩いて行った。