殺人ヒーロー ジャック・ザ・リッパー    作:謎多き殺人鬼

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最初の一手

出久君達の来訪後、夕飯を済ませてから私はリビングのテーブルに向かい合う形で父さんと打美さん、そして後から来たジャッジに教会での出来事を出来る限り話していた。

 

「成る程な……自殺幇助を目的とした教会で近くのヒーローと癒着しているのか……」

 

「どうりで……!くッ、あの悪党共……!協力に応えない訳だわ……!」

 

「癒着している連中は考えられる中でも三人だ。レッサーヒーロー、レッサーパンダ。マネーヒーロー、ゴール・D・マネー。ソードヒーロー、ブロードマンだ。こいつらは一番先よりで、俺達の協力を何度も拒んできた。それだけじゃ断定は出来ねぇが……捜査の協力要請を有耶無耶にして断る奴らだ。ろくな奴等じゃねぇ……それに見たんだよ。奴等には悪意が見えた」

 

「そうなると……強固な外堀から何とかしないと本丸は落とせないな。それよりも驚いたぞ。フォールン・救火が過去のアーサーの知り合いなんて話だ」

 

父さんは信じられないと言わんばかりの顔をするけど私だって信じられない。

 

『代われ。俺が話す』

 

私はそう言われてアーサーに代わると事の成り行きを話す。

 

「今はフォールン・救火。過去の名はザフカ・エル・ビナー。サルーフ福音教会なんてカルト教団の御使いなんて勤めていた奴だ。癒しの奇跡だとか抜かして集まった病で苦しむ信者を歌声を聞かせつつ麻薬漬けにしていき、麻薬を染み込ませた浄罪符なんて紙を渡す為に喜捨と言う形で金を巻き上げる……そんなやり口をしていた一人だ。主犯各は議員だったなんて落ちでそいつを俺は殺したが……ザフカは証拠隠滅で放たれた炎に自ら進んで死んだ。その前に聞かされた事が……最初から信者を殺して救えば良かっただったよ」

 

「ちッ……胸糞悪いな……!て言うかアーサー!またジルの身体を使っているのか!」

 

「許可は得たんだ。別に構わないだろ?」

 

「ジル!聞こえてるな!むやみやたらに身体を貸すな!この馬鹿娘!」

 

『うッ……これは言い返せない……』

 

私は流石にアーサーに気を許しすぎてるかもしらないと思いながら反省するとアーサーはまだ返さないつもりなのか徐に立ち上がると紅茶を入れる準備を始めた。

 

「いやいやいや!何勝手に茶を入れようとしてんだアーサー!」

 

「喉が乾いたからな。お前らもどうだ?」

 

「じゃあ、私はミルクティーで」

 

「俺は珈琲派だから良い」

 

「お前らな!」

 

打美さんとジャッジのノリの良い返事に父さんがツッコむ中、アーサーは慣れた手つきで自分の分の紅茶と打美さんのミルクティーを入れて持って行くと打美さんにミルクティーを渡して元の位置に座り直すと紅茶を一口飲む。

 

アーサーの味覚は勿論、私にも伝わるから紅茶の味を二人で味わう事になる。

 

うん……相変わらずとても美味しいのよね……私は珈琲派なのに。

 

「たく……だが、取り敢えず分かった事は多い。フォールン・救火とアズエル教会の悪事、名が挙げられた三人のヒーローの不正、そして……フォールン・救火はアーサーの知り合いと言う線。此処から少しずつ削り落として奴等を追い詰めるぞ。ジル。色々と褒められる事じゃないが良くやった。後は俺達に任せろ」

 

「父さん。私も」

 

「駄目に決まってんだろ!……お前はまだろくに学んでもいない子供だ。万が一にでも戦闘になる可能性だってある。オリヴィアも殺されたって言うのにお前にまで何かあったら……オリヴィアにどう言い訳すれば良いんだよ」

 

「父さん……」

 

私は父さんの思っている事が分からない訳じゃない。

 

確かに私は学んでる最中の子供よ……母さんが死んでからもしかしたら父さんも殺されてしまうんじゃないかって不安もある。

 

でも、あの人がもしかしたら自殺する為にあの教会に行っていたなんて思うと……

 

「ジル。私達を信じて。必ず事件は解決させるわ」

 

「でも……!」

 

「素人の出番じゃねぇんだよ。寧ろ、お前が出てきてなんになる?戦闘になる可能性もあるのに出てきて死んだら?もしかしたら場合によっては人質にされる可能性もある。足手纏いになりたくないなら大人しく寮へ入る準備でもしとけ」

 

「寮……?」

 

「ん?ジャスティス……言ってなかったのか?」

 

「あ、すまん……忘れてた。ジル。お前は復学するんだな?」

 

「うん。何時までもクヨクヨしていられないから」

 

「良し。なら、お前は次からは雄英に通っている間は寮で生活するんだ。校長にも担任達にも通している。俺も常に家にいる訳じゃない。お前が一人でいる間に……なんて事にならない為の対策だ」

 

雄英の寮……住み慣れた家から離れて事実上の一人暮らし。

 

他の寮生もいると思うけど私一人で生徒なんて出来るのか。

 

「良いか?事件の事は忘れて寮に入る準備をしとけ。荷物を纏めたら重いもんは俺達で運んでやるが持てるもんは自分で持っていけ。良いか?絶対に事件に首を突っ込むなよ?絶対にだぞ?」

 

父さんが念入りに私に言う中、アーサーはそんな父さんを嘲笑う様に笑っていた。

 

『なぁ、ジル。此処まで言われると突っ込みたくなるよな?こっそり関わろうぜ?』

 

「(でも、父さん達は……)」

 

『あの奥さんが気になるんだろ?それに俺も気になっていてな。お前が拒否しても俺が勝手にやるだけだぞ?』

 

アーサー……貴方って人は……でも、こっそりと行ってバレる前に帰る。

 

そう、あの人の説得くらいは出来る筈。

 

もし、自殺なんて考えていたら……残される罪を償っている最中の旦那さんはどうするつもりなのか。

 

私は迷った後、私は父さんに結論を言った。

 

「分かった……大人しくしてる」

 

「そうか!良かった……お前は頑固な所があるからな。もし、それでも行くなんて言ってたらジャッジを見張りに立てなきゃならなかったぜ」

 

「何で俺なんですか?」

 

「お前なら安心だからだ。そうだろ?」

 

父さんはそう言ってニヤニヤした表情を見せるとジャッジは不貞腐れて顔を横に向けて視線をずらすと打美さんは照れくさそうにしている。

 

何でしら?

 

「よし!そうと決まれば行動を開始するぞ!ジル。ありがとうな。もう休んで良いぜ」

 

「うん。父さん達もあんまり遅くならないでね」

 

私はそれだけを言うと自分の部屋へ戻る前にアーサーに視線を向けた。

 

「(アーサー。私は出来る限りの事をしたい。あの人の事を説得出来るのかな……?)」

 

『そんなもんは分からねぇ。だが、もし頑なに死にたいなんて抜かしたら無理矢理にでも引っ張り出すしかねぇよ』

 

「(そんな手荒な真似は極力避けたいのだけど……万が一の時は止む終えないかもしれないわね)」

 

私は力強くで押さえる事にならない事を祈りつつ、私の最初の一手は決まった。

 

教会で会ったあの人を説得して教会から離すこと。

 

成功するのか分からないけどもしかしたら彼女から有益な情報だって手に入るかもしれない。

 

無理は承知の上……深入りしない様にしつつ説得しよう。

ヒーロールートのカップルは?※作者も決めかねているので参考までに

  • 定番の緑谷だろ!
  • 押し通せ!爆豪!
  • やっぱ、天然で出来たイケメンの轟だろ?
  • ワンチャン、砂藤!
  • 我らの学級委員長!飯田君!
  • こいつは絶対ない!峰田!
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