殺人ヒーロー ジャック・ザ・リッパー 作:謎多き殺人鬼
私は父さん達が不正をするヒーロー達に対して調査、捕縛を試みるべく現地の近くにいるヒーロー達に協力を要請して了承を得るとすぐに動いた。
「良いか?絶対に関わるなよ?知らねぇ奴が来たら出るな、宅配でも居留守使っとけ。それと」
「父さん……私もそこまで子供じゃないわよ。ほら、集合に遅れるわよ?」
「ジャスティス。ジルもしっかりした子よ。それにもうすぐミッドナイトも来るじゃない」
「そうですよ。警戒に越した事はないのは分かりますが」
打美さんとジャッジはそう呆れながら言うと父さんも観念したのか家を出ると鍵を掛けて出かけていった。
『さて……そろそろ行くか』
「そうね。わざわざ来てくれるミッドナイトには悪いけど」
私はそう言ってすぐに出る準備をすると家を出てから鍵を閉めてその場から早足で出ていった。
~別視点side~
一方、その姿を隠れながら遠目で見ていたジャスティスはやっぱりかとばかりに頭を抱えた。
「やっぱり行きやがったか!あの、馬鹿!」
「全くの予想通りでしたね」
「どうしますか?」
ジャッジはジャスティスに指示を仰ぐと、ジャスティスは暫く考えた末に結論を言った。
「ジャッジ。ジルに着いてやれ」
「良いのか?」
「あれだけ反対していたのに行かせるのですか?」
「……ジルだって深入りまではしないと信じてるからだ。と言っても危なっかしい所はある。だから、ジャッジ。お前が着いていって万が一にでも深入りしそうから止めろ。本来なら行かせない事が正解だ。だが……ヒーローになるなら事件と言うのは避けられない。事件を経験させる為の一種の社会見学さ。親としてはかなり間違っているがな……彼奴には自分の身を守れる様にさせなくちゃならない。その為には遅れた学習を補わなきゃならない。彼奴の側に俺が何時までもいれる訳じゃないからな」
ジャスティスはそう言って笑うがその眼には不安が広がっていた。
本当に万が一にでもジルに何かあれば自分は親失格なんてものでは済まないなとジャスティスは思う中、ジャッジは溜め息をついた。
「分かりました。ですが安全は保証出来ませんよ?」
「分かってるさ。頼むぞ」
ジャスティスの命令を受けたジャッジは気付かれない様にジルを追い掛けて行った。
~side終了~
私は取り敢えず教会近くまで来るとあの人が何処か歩いていないのか探す。
あの時の時間帯を考えれば教会へはまだ行っていないと思うけど……はっきり言えば勘でしかない。
このままでは見つからない。
私はそう思った時。
「ジル?」
「え……?」
後ろから声を掛けられて振り返るとそこにいたのは緋色だった。
でも、緋色の格好は男物のスーツをまるでマフィアの様に着こなした格好で、それに巨漢の男を一人、同伴していた。
「やっぱりジルか!久しぶりだね!緑谷達から聞いていたけど少しは元気になったらしいね」
「うん。心配させてごめんね。……それよりも緋色。貴方のその格好……何でスーツ?それにその人は?」
「あぁ……これは……そう!僕は家の家業を手伝ってるんだ!それでスーツとか着てないとならないんだよ!」
「家業?……どんな?」
「それは……そ、それよりも!こんな所で何をしているんだ?」
何だかはぐらかされた様な感じだけど……緋色も困ってたし、これ以上の追及はしない様にしよう。
「私はちょっと会いたい人がいるんだけど……少し知り合っただけで面識は全く無いんだけどね」
「それってどんな人だ?」
「確かに……地味目な服だけど綺麗な人で丸眼鏡をしている人かな?」
「ん?……それって」
緋色は何か覚えがあるのか何かを言い掛けた時、そこへ誰かがやって来る気配を感じた私は視線を向けると。
「あら?貴方はあの時の」
「道春先生!」
「貴方もいたのね緋色」
道春と呼ばれたそのあの人は親しげな雰囲気で緋色に微笑み、緋色も慕っていると分かる程に笑顔を見せている。
「ジル。紹介するよ。私の中学の時の担任だった人なんだ」
「道春 花子よ。改めてよろしくね。ジル」
「あ、はい。霧先ジルです。此方こそ」
私と道春さんで軽く挨拶すると緋色は確信した様な表情を見せた。
「やっぱり知り合いだったんだね。話を聞いた時はまさかとは思っていたけど」
「話?私の事で?」
「はい。道春さん。実は貴方にお話があって」
「私に?」
私は用件を伝えようと思ったけど緋色達が近くにいる。
彼女が事件に巻き込まれている……もしかしたら自殺なんて考えているなんて緋色が聞いたらきっと不安になる筈。
私は出来ればそれを避けたいと思った時、道春さんはそれを察してくれたのか緋色達に伝える。
「ジルは今は貴方達に離れていて欲しいそうよ。少しの間だけお願い出来るかしら?」
「分かったよ。ジル。僕達はあっちにいるから終わったら声を掛けてくれ」
緋色はそう言ってその場から離れて行くと私は一息ついてから道春さんの説得を始めた。
「道春さん。アズエル教会から離れて下さい」
「……どうして?」
「アズエル教会は自殺幇助を推奨する教団です。ですが、死ぬ事が正しいなんておかしいですか!確かに辛い事はありますが……貴方にはまだ旦那さんが残っているじゃないですか。もし、死ぬ事を望んでいるならお願いですから思い止まって下さい」
私は彼女にそう言ってみると道春さんは困った様な微笑みを見せていて失敗したのかと私は不安になる。
「そうね……確かにあの教会はそう言う教えの元、誰かを殺しているわ。信者の皆は色々な理由で彼処を訪れてはフォールン・救火様のお救いを受けている。確かに自殺は駄目だし、それを助ける行為は許されない事よ。でもね、ジル。人は誰しもヒーローや貴方の様に強い訳じゃない。酷く辛い時、誰にも頼れない、そんな中でも生きなきゃいけないと思えば……」
「道春さん……」
道春さんは最後まで言わなかったけど……間違いなく死にたいと口にしようとしていたのかもしれない。
酷く辛い時、誰にも頼れない中で生きなければならない……それは彼女がヴィランの妻である以上はもしかしたら嫌がらせの類いを受けている可能性もある。
何れだけ気丈に振る舞っても目の見えない心の奥底では彼女は弱り果てているのかもしれない。
でも、だからと言って。
「死んでは駄目です。旦那さんは貴方の為にも罪を犯し、償っています。それに緋色だって貴方の死なんて望んでいない。まだ貴方の事を思う人達がいるなら……お願いですから思いとどまって」
私は最後の頼みとばかりに深く頭を下げる。
無言の静粛の中、道春さんは私の頭を上げさせた。
「……暫く考えさせて頂戴。すぐには判断は出来ないわ」
道春さんはそう言って緋色にも顔を合わせる事もなく、その場から立ち去ってしまった。
私は彼女がこれでアズエル教会から離れてくれたらと思う反面、離れなかったらと不安に思う中、私は自分の不甲斐なさを悔やんでしまう。
「どう言う事だいジル?」
私はその声に振り返るとそこには不安な表情を浮かべる緋色がそこにいた。
「何が……?」
「惚けないでくれ。すまないけど僕は君に嘘をついた。面識が無い筈の先生と君が話すなんて考えたら嫌な予感がしてね。近くで話を聞いていたんだ。そしたら先生が自殺を考えているなんて聞いたんだぞ。それもあのカルト教団の連中に唆されているとも」
私は緋色に聞かれた事でもう隠せないと思い、私は全てを打ち明ける事にした。
道春先生とは偶然、アズエル教会の礼拝堂で会い、アズエル教会が何をしているのか知ってからまさかと思い会ってみてその気がありそうなら説得する為に来た事を。
「まさか……先生がそこまで思い詰めていたなんて……」
「ごめんなさい……最善は尽くすつもりだけど私は父さんから関わるなって言われてるから……」
「分かってるさ。事情は分かったよ。僕からも道春先生にお願いするよ。それに追い詰められてしまったのなら僕も彼女に出来る限り助けたい。特に先生に嫌がらせをする輩を見つけたら……八つ裂きにしてやる……!」
「ひ、緋色……?」
『へぇ……もしかしたら猫を被っていたのかもな。緋色の奴は』
私は急な緋色の変化に驚く中、緋色は私がいる事を思い出す様に元の雰囲気に戻ると軽く咳払いしてから苦笑いを浮かべる。
「ま、まぁ、先生の事は僕達に任せてくれ。死なせるつもりはないし、先生にはアズエル教会には近づかせない様にもする。暫くは僕達と一緒に暮らした方が落ち着くかもしれないかな……うん……言ってみるか……」
「緋色?」
「すまないな。お嬢は考え込むといつもこうなんだ」
緋色の代わりに緋色のお供の巨漢の男がそう言うと緋色は考えるのを止めて私を見ていた。
「すまない。紹介が遅れたね。彼は諢。僕のしゃ……付き添いだ」
「いつもお嬢がお世話になっています」
「いえ、此方こそ」
私は丁寧にお辞儀してくれた諢にそう返してお辞儀すると緋色は腕時計を見ていた。
「すまない。家業の仕事がまだ残っているんだ。今度会う時は復学した時だよ」
「えぇ、そうね。またね緋色」
「此方もねジル。健闘を祈るよ」
緋色はそう言って諢を連れてその場から立ち去った。
私もそろそろ帰らないといけない……そう思うとすぐにその場から立ち去った。
ヒーロールートのカップルは?※作者も決めかねているので参考までに
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定番の緑谷だろ!
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押し通せ!爆豪!
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やっぱ、天然で出来たイケメンの轟だろ?
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ワンチャン、砂藤!
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我らの学級委員長!飯田君!
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こいつは絶対ない!峰田!