殺人ヒーロー ジャック・ザ・リッパー    作:謎多き殺人鬼

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出会い

私は出来る限りの説得をして家に帰る道中、怒られる前に家に一刻も早く帰ってしまおうと早足で歩いているとその途中、誰かが私にぶつかってきた。

 

私は強い衝撃を受けたけど倒れる程ではなく、寧ろぶつかった相手が尻餅をつく様に倒れてしまった。

 

「ごめんなさい!大丈夫?」

 

「う、うん……此方もごめんなさい」

 

私にぶつかってしまって倒れたのは小学生くらいの少女で大きなツインテールをリボンで結んでいる子だった。

 

私は立たせてあげると落ち着かない様子で辺りをキョロキョロと見渡して何かを探していた。

 

私は屈んでこの子の不安が出ない様に話しかけてみた。

 

「どうしたの?何か探してるみたいだけど?」

 

「……お父さんとはぐれちゃって。私、初めて外に外出したから道も分からなくて」

 

そう言って今にも泣きそうな顔をしてしまい、私は迷子と言うなら交番に行くべきかと思っていた時、手を軽く掴んできた。

 

「お願い!一緒にお父さんを探して!」

 

「一緒に……?(困ったわね……父さん達が何時、帰ってくるか分からないのに……アーサー?)」

 

私は困ってしまいアーサーの方を見てみた時、アーサーは彼女を見て固まっていた。

 

『ソフィー……お前もか』

 

「(アーサー?)」

 

『ん?いや、何でもない。まぁ、助けてやれよ。別に間違った事じゃないだろ?』

 

アーサーにそう素っ気なく言われ、私はこうなったらとことん付き合うつもりで笑顔で答えた。

 

「分かったわ。だから泣かないで」

 

「本当……?」

 

「うん、本当よ。貴方の名前は?」

 

「……智枝美。外堂 智枝美」

 

「うん?外堂……?(外堂先生と同姓かしら?)」

 

私は智枝美の名字に引っ掛かりを覚えた時、そこへ駆けてくる人が現れた。

 

「智枝美!」

 

「お父さん!」

 

「良かった……あちこちを探さないといけないかと……外堂先生?」

 

そこへ現れたのは外堂先生で智枝美は笑顔で外堂先生の所へ駆け出すと抱きつき、外堂先生もそれに答える様に抱き締めた。

 

「外が珍しいのは分かるが一人で行っては駄目じゃないか……おや?ジル君じゃないか?もう大丈夫なのかい?」

 

「はい。おかげさまで」

 

外堂先生にも母さんの事は伝わっているのか心配してくれた事に感謝しながら答える。

 

「お父さん!このお姉ちゃんが助けてくれたんだよ」

 

「そうなのかい?」

 

「いえ、助けたと言う程の事まではしていません」

 

私は特に何もしていないのに助けたなどと言えないから否定するけど外堂先生は笑って首を横に振った。

 

「いや、そうだとしても智枝美が世話になったのは間違いない。ありがとう、ジル。君が来てくれなかったら外に慣れていない歩き回る智枝美と再会するのは難しいかったかもしれない」

 

「ありがとう!お姉ちゃん!」

 

私は二人からの感謝に嬉しく思えた。

 

本当なら外出は控えないといけないけど……この外出が二人を助けたのならそれで良いと思った。

 

いや、良くないけど。

 

「どうだね?折角だし、私の診療所に遊びに来ないかね?」

 

「すみません。私は今は家に帰ってないと……」

 

「ふむ……成る程。訳ありの外出か。それなら仕方ない。遊びに来て貰うのはまた今度にしよう」

 

「お姉ちゃん!遊びに来てね。きっとだよ!」

 

「うん。その時は喜んで遊びに行くわね」

 

私は二人と別れると外堂先生は一礼して、智枝美は私に手を振りながら行ってしまい、私もそれに応える様に軽く手を振って見送る。

 

「そろそろ帰らないと……」

 

私はそろそろ帰らないと本当に父さんから拳骨の一発でも貰いそうだと思い、急ぎ足でその場から去った。

 

~別視点side~

 

一方、不正の疑いが掛けられたレッサーヒーローのレッサーパンダの事務所では大荒れの状態になっていた。

 

今日も何事もなく終わるのだと高を括っていた所を突如、ジャスティスが急襲、レッサーパンダを始め、サイドキック達もジャスティスの前に無力化され、拘束された。

 

「な、何故だ!何故、我々が拘束されたのだ!答えろ!!」

 

「白々しいぞレッサーパンダ。色々と調べさせて貰ったが……随分とやってくれてるみたいじゃねぇか。特定のヴィランの見逃し、名声稼ぎに他のヴィランと手を組み、挙げ句の果てに賄賂も貰ってやがるじゃねぇか。おまけにサイドキックまで汚職まみれなんて公安連中は頭を抱えるだろうな」

 

ジャスティスは拘束し、放置したままのレッサーパンダを余所に金庫を解錠しようと奮闘していた。

 

「たぁ~!金庫を開けんのも大変なんだぞ!いい加減に答えを教えろ!」

 

「ふん!誰が教えるか!だいたい」

 

「よし、開いた」

 

「話を聞けよ!?」

 

そんなツッコミを余所にジャスティスは金庫を物色すると書類が出てきた。

 

「これは……個性届?」

 

ジャスティスは個性届を読んだ行くと顔をしかめていく。

 

「成る程な……教会の、フォールン・救火の信者心酔のトリックを掴んだぜ」

 

ジャスティスがそう言ってニヤリと笑った時、スマフォの電話が鳴り、ジャスティスはすぐに出た。

 

「おう、俺だ」

 

《ジャスティス。ゴール・D・マネーが自供したわ。不正に加担して多額の賄賂を獲ていたみたい》

 

「そうか。これで残ったのはブロードマンか……確かあっちには彼奴が行っていたな?」

 

《えぇ、鬼の形相で向かって行きましたからね。ブロードマンも哀れとしか言いようがありませんね。何しろあの、エンデヴァーなのですから》

 

打美のその言葉にジャスティスは苦笑いし、哀れなブロードマンに少し同情した。

 

「まぁ、何はともあれ。あのカルト教団を叩く大義名分は出来つつある。後は令状があれば完璧だ」

 

《今、手配している所です。大規模な不正です。すぐにでも司法省から令状は取れると思いますが……ジルの事が不安です》

 

「まぁな……彼奴も余程の事じゃなきゃ無闇に突っ込まないと思うが……念の為に早めに送り出した方が良いか。頼むぞ、ジャッジ」

 

ジャスティスはそう言いながらジルの予想外の行動力に頭を悩ませる事になったのだった。

 

~side終了~

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