殺人ヒーロー ジャック・ザ・リッパー    作:謎多き殺人鬼

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協力要請

家に帰ってから暫くして待ち受けていたのは父さんと私の話し合いだった……

 

ジャッジと打美さんは別の部屋に行って、私と父さんの二人でリビングで向かい合う様に座っている中、父さんが切り出した。

 

「ジル。言わなきゃいけない事があるだろ?」

 

「……何の事?」

 

「残念だが惚けても無駄だ。ジャッジにお前を着けさせた。報告によると別に買い物目的でも何でもなく、一人の女と会っていた。あと、次いでに緋色にも会ってたな。それと前にお前を見てくれたなんて言う医者とその娘ともな」

 

これは明らかにバレてる……下手に言い訳や誤魔化しなんてしてもすぐにバレる。

 

「……ごめんなさい」

 

「たく……本当に無茶は止めてくれ。いや、無茶と言う様な事じゃないが……まだ危険が消え去った訳じゃない。さて、本題だけどな。もう目的も済んだろ?少し早いがお前の荷物を寮へ運ぶぞ」

 

「……分かった」

 

確かに私の説得は終わった。

 

もうこれ以上の迷惑は掛けられない……私は父さんの言う通りに寮へ行く準備をする事を決めた時、そこへ打美さんが来た。

 

「ジャスティス。今回の捜査……彼女にも協力をお願い出来ませんか?」

 

「はぁッ!?何言ってんだお前!?」

 

打美さんの予想外のその言葉に私も訳が分からなくなる。

 

「話を聞く限り、ジルは既に事件の根の奥深くまで入り込んでいます。それにあの不正を起こしたヒーロー達の存在を暴いた……

と言うよりも口を滑らせた内容を聞いたジルがいたからこそ私達は早くに気付く事が出来ました。それに礼拝堂の中を覗けたのもジルだけ。内部構造はジルの方が詳しいです。それに……言ったではありませんか。"事件を経験させる為の一種の社会見学"だと」

 

「うぐッ!?そ、そうだかな……」

 

「貴方が言い出した事ですよ?それとも嘘を?」

 

「……お前は師匠から嫌な所も受け継いだんだな」

 

「褒め言葉として受け取らせて貰います。結論から言いますとジルに協力を求めます。無論、責任は私が負います。どうか、ご了承を」

 

打美さんがそう言って頭を下げると父さんは考え込んでいる。

 

確かに私の方が現状を理解してるけど、とても承諾するとは思えないと思った時、父さんが溜め息をついた。

 

「……分かった。分かったよ!OKすれば良いんだろ!」

 

「良いの父さん?」

 

「その代わり、絶対に危険な事をするな。戦闘とか禁止だ。免許も無くそんな事したら犯罪だしな。打美。責任を持って見てろよ?」

 

「はい。了解しました」

 

父さんはそう言ってそのままリビングを後にしてしまい、私は打美さんの方を見るとウィンクしてジャスティスを追い掛けて行った。

 

つまり、打美さんは私の心情を知って助けてくれた事になる。

 

「打美さん……」

 

『こりゃ、とんだ伏兵だったな。何はともあれ、これで堂々と事件に加われるな』

 

「(その代わりに戦闘禁止だから勝手に動くのは止めてよ?)」

 

『分かってるさ』

 

アーサーはそう言うけど悪い笑みを浮かべてる……途轍もなく不安でしかない。

 

~別視点side~

 

ジルの捜査協力を受諾してしまったジャスティスは自分の書斎で不貞腐れているとノックが響いた。

 

「入れ」

 

ジャスティスは短くそう言うと入ってきたのは打美だった。

 

「何の様だ?まさかと思うが今さら協力要請を止めるのか?」

 

「いいえ。そうではありません。只、私は……」

 

「分かっているさ。彼奴をお前と重ねたんだろ?助けたくても助けられない。追及したくても出来ない。無念の中、ヒーローを続ける自分と」

 

「……レディ・ナガンは確かに罪を犯しました。殺人の罪でタルタロスに……しかし、たった一人を殺しただけでタルタロスに送られたんですよ!しかも殺したのは前公安会長の男だった筈なのに同僚のヒーローを言い合いの末に殺した事にもされた!公安が事実を隠蔽した事は明らかなのに追及もさせてくれない……レディ・ナガンはタルタロスの中……どうしろと言うのですか……?」

 

「……残念だが現状では助けてやれない。それに俺には一部の公安野郎から目を付けられている。下手な事は出来ない。ヒーローなんて大層な名前が付けられた職業だが結局、公安と言う組織の歯車にされている以上、付き合い続けるしかない」

 

ジャスティスのその言葉に打美は睨み付ける様にジャスティスを視線を向け、ジャスティスは平然とした様子で打美を見つめる。

 

「流石に国家権力を相手に単身で戦うのは無謀だ。有りとあらゆる手段で潰されるぞ。社会的にも、暗殺でもな」

 

「分かっていますよ……それくらい……!私は家宅捜査の用意があるので失礼します」

 

打美はそう言って書斎を出ていくとジャスティスは深い溜め息をつきながら書斎の机にある写真立てを見るとそこには一枚の写真があった。

 

笑顔で写っているのは若い頃のジャスティス、オリヴィア、現役時代のレディ・ナガン、まだ幼さを残す打美。

 

まだジャスティスと何度かチームを組んでいたり、交流していた時の物でジャスティスは懐かしくも悲しい気分だった。

 

「オリヴィアは死んで、お前はタルタロスか……何とかしてやりたいんだがな……公安のババァにすら余程の事じゃないと出せないって断られたしな……」

 

ジャスティスはどうしようもない状況に歯痒い思いをしながら家宅捜査の為の下準備の確認を再開した。

 

~side終了~

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