殺人ヒーロー ジャック・ザ・リッパー 作:謎多き殺人鬼
復学
朝になって、私は寮の自分の部屋で身支度をしていた。
寝癖の目立つ髪を直して、制服を着て、乱れていないかを確認して、髪をいつものリボンでいつもの髪型にすると最後の確認として等身鏡で全体を見た後、私は机に置かれている母さんの写真を見た。
「行ってきます。母さん」
私はそう心から言うと鞄を持って部屋から出ると鍵をしっかり、掛けたか確認してから登校する。
私が寮を歩いているとそこへ久しぶりに見る顔が二人いた。
「力斗君に志奈さん?」
「え?ジルさん!?」
「もう登校して良いのかよ?それに何でお前がいんだ?家から通ってたんだろ?」
そこにいたのは力斗君と志奈さんの兄妹二人で、これから私と同じ様に登校するのか制服と鞄を持っている。
「うん。事件の事があって、ヴィランがまだ捕まっていないのなら寮に通うように言われて。貴方達は寮だったの?」
「雄英は寮費は無料だからわざわざ、交通費を出してまで遠くから通わなくても良いし、安全だからだって。私達、二人で寮にいるの」
「まぁ、ケチれる所はケチリたいと言う本音が見え隠れしてるけどな。安全だって言うのは確かだろうぜ。何せ、雄英の中に造られてんだからな」
力斗の補足的な説明に私は苦笑いしてしまう。
まぁ、寮費が無料ならわざわざ交通費出してまで電車はバス登校なんてさせようかなんて家の事情次第でしょうね。
「まぁ、ケチろうが俺が頑張れば良い!雄英体育祭で俺はヒーロー科に今度こそ入る!」
「もう、お兄ちゃんたら」
「雄英体育祭?」
「あ、そう言えばお前。暫く休んでたよな」
「もうすぐ、体育祭が始まるんだよ。ジルさんは大丈夫?暫く休んでたから不利なんじゃ……」
私はそう言われると緋色が前に言っていた体育祭の結果次第で決まる編入と除籍の話を思い出してしまった。
「ど、どうしよう……」
『仕方ないだろ。諦めてある内の日数で訓練するしかない。まぁ、除籍くらってヒーローへの道が閉ざされたのなら探偵にでもなっとけ』
「(他人事だと思って……!)」
アーサーの他人事だと言わんばかりの態度に私は苛つくけど、二人の前では怒れない。
私は何とか作り笑いで誤魔化して取り敢えず頷く。
「ま、まぁ……何とかするわ。絶対に」
「お、おぅ……まぁ、頑張れや。手加減しねぇけど」
「頑張って下さいジルさん!お兄ちゃんなんかコテンパンにしてください!」
「何で俺がコテンパンにされる前提なんだよ!?」
突然、始まった兄妹漫才に私は笑ってしまいながら三人で登校していった。
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私は二人と別れてA組の教室に来ると私は一息ついてから教室の戸を開けると皆は私の方を一斉に見ると一斉に来た。
「霧先さん!」
「もうよろしいのですの?」
「辛かったよね?まだ辛いなら相談に乗るから!」
「俺、今クッキー持ってんだけど食べるか?」
皆が一斉に群がって一斉に喋るから誰が喋ってるのか分からない。
「落ち着いて皆。私は聖徳太子じゃないのよ」
「あ、すみません」
私の一言で流石に群がり過ぎたと気付いたのか会話は止まり、全員を代表して八百万さんが謝った。
「ジル!」
「霧先さん!元気になったん?」
「久しぶりだな!今日、復帰すんだ。あまり、無理はしないでくれ」
「うん。もう大丈夫よ。ありがとう」
今度は出久君、麗日さん、飯田君が来てくれて私は嬉しく思っていると私の後ろを通る勝己が見えた。
「勝己」
「な、何だよ……俺は何も言わねぇぞ」
「前に家に来てくれたじゃない。ありがとう。それだけは言っておこうと思って」
私は勝己にそう言った時、勝己は顔を真っ赤にして口をパクパクし始めた。
「勝己……?」
「だあぁッ!別に礼を言われたい訳で行ったんじゃねぇよ!お、お前の弱り顔を拝みに行っただけだ!勘違いすんなよ!」
「は、はぁッ!?何よ!折角、お礼を言ったのに!」
「うるせぇ!!お前ん家に行ったら彼氏だとか聞かれて恥かいたんだぞ俺は!」
「そ、そんな事を私に言ってもしょうがないじゃない!この
「会わせ技すんじゃねぇよ!!」
私は折角、お礼を言ったのに暴言を吐いてきた勝己に心底苛立ってると周りからは何だか温かい目で見てきた。
「恋だね」
「恋ですわね」
「何時になったら付き合うのかな?」
「え、何それ?うち、聞いてないけど?」
「何それ!私も聞きたい!」
野次馬から何か聞き捨てならない話が聞こえてきたんだけど!?
特に女子メンバーから!
「付き合うって何が!?」
「霧先さんと爆豪君が」
「いやいやいや!何でコイツと!?」
「そ、そそそ、そうだぞ!何でここここ、コイツなんかと!!」
私はもう必死にあり得ないって言っても麗日さん達はもう大はしゃぎで尚且つ、目をキラキラさせている。
勝己は……男子に特に、峰田君からエグい視線を貰ってる。
「お前ら。そろそろホームルーム始めるぞ」
相澤先生が入ってきてようやく騒ぎが収まると私は一気に疲れが出て、グッタリしてしまう。
『お疲れか?』
「とてもね……」
私はつい、声に出して言ってしまうけどホームルームは始まった。
「さて、出席を取る前にだ。知っていると思うが今日から霧先は復学だ。とは言え、かなり間が空いた。霧先、着いていけるな?」
「はい。家でも自主は欠かしませんでした」
そうでもしないと悲しみに押し潰されそうだったから。
「勉強は良い。だが、訓練となれば話は別だ。他の面々と比べればかなりの差が開いてしまった筈だ。お前がこれからやる事は他の奴らと同じ所に登り直して登り続ける事だ。ハッキリ言ってかなり苦労するからな?」
「分かっています。必ず遅れを取り戻します」
私はそうハッキリと言って見せると相澤先生は少し微笑んだ後、出席を確認していこうとした時、また手が止まった。
「言い忘れたが霧先。雄英体育祭まで時間が無い。休んでいる暇は無いと思えよ?」
「あ、はい……」
どうしよう……取り戻しますとは言ったけど雄英体育祭までに取り戻せるのか分からない……
私はこれからも続きそうな苦労に溜め息しか吐けなかった。