覇王、自由気ままに旅をする。   作:イチゴ俺

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ルフィの新たな姿には度肝を抜かれました!
評価は分かれるでしょうが、私は設定含め大好きです!!
そして、ヤマトも大好きです!!!


第14話"激突する怪物達"

「──センゴク元帥、報告致します!!! 左方向から何か巨大なものがこちらへ向かってきます! 例の麦わらのルフィ率いるインペルダウン脱獄囚ではないかと!!!」

「来たか……!」

 

 処刑台にて戦況を分析していたセンゴクは、海兵からの報告の方向を睨み付ける。

 

「ルフィだと……!!?」

「なんじゃい、エース、お前知らんかったのか」

「ジジイ、どういうことだ!」

 

 エースは後々であるルフィがこちらに向かっているという報告を聞き、動揺する。

 インペルダウンに侵入し、自分を助け出そうとしていると"海賊女帝"から話は聞いていた。

 己の身柄の搬送に間に合わずインペルダウンに残されてきたのが、何故そんな状況になってきているのか。

 エースは悔しさと困惑、ルフィへの心配で声を荒げる。

 

「……ルフィはインペルダウンの囚人達全て(・・)を解放し、お前を救うため、ここへ向かっておる。インペルダウンはもはやもぬけの空。最悪の大事件じゃ」

「ルフィ……ッ」

「兄弟揃ってお前ら、なんて事をやらかしておるんじゃ……。ルフィのお陰でわしまで能力に頼ってしまったわい」

 

 がっくりと項垂れるガープと口を噛み締め震えるエース。

 

 最悪の血筋を持って生まれた二人の男。

 そんな二人を己の功績と立場で守ろうとしたガープは、最早己の全てを投げ打っても守れない程の悪事を行った家族に心を乱す。

 海軍の英雄と呼ばれ、数々の海賊を討ち取った男は、家族への情と己の責務との間で揺れ動く。

 

「貴様ら……わしの言う通りに生きていれば、こんなことには……!!」

「ジジイ……」

「今更後悔したって遅いわい。そら、来たぞ」

 

 怒りと後悔と悲しみから震えるガープは、頭を振り、眼下で戦う海兵、海賊達を越え、海の海の方向へ視線を向ける。

 

 距離は未だある。

 だが、この離れた距離からでも分かる程に巨大。

 雲をつく程に巨大なそれは、人間だった。

 

 "巨大戦艦"サンファン・ウルフ。

 規格外の大きさの巨人が能力で更に巨大になる故の異名。

 だが、見える大きさは、海軍の情報にあるウルフの大きさとはまるで異なる。

 

 まるで一つの山。

 数多の山々で文字通り鍛えたガープをして、見たことの無い程巨大なものだった。

 

「な、なんだ、あれ……!」

「ルフィが解放したLEVEL6の脱獄囚。おそらく、同じLEVEL6の脱獄囚の能力で更に巨大になったんじゃろう」

「何やってんだ、あのバカ……!」

 

 山が動く。

 巨体を支える脚の大きさも凄まじく、一歩ごとに巨大な津波が出来る様は、動く天災。

 津波が起こる。凄まじい面積による空気抵抗により、乱気流が起こる。

 

 そんな凄まじい怪物が軍艦よりも速い速度で迫ってきた。

 

「な、なんだあれは!!!」

「や、山が動いている……!!?」

「巨大な人間!!! 報告のインペルダウンLEVEL6の脱獄囚、"巨大戦艦"サンファン・ウルフだァ!!!」

「なんだァ、あんなんおれら聞いてねェぞ!!?」

 

 海兵も海賊も阿鼻叫喚。

 大将"青雉"により、凍りついた巨大な津波の壁からでも目視出来るほどの巨大生物の姿に、両陣営共に驚愕する。

 

「フッフッフ! 来やがったな……!」

「麦わらァ!!! あいつはおれが必ずぶっ殺してやる!!!!」

「ルフィ、そなたよくぞ無事で……」

「……!」

 

 楽しげに笑うドフラミンゴとかつての屈辱を思い出し怒り狂うモリア。

 乙女の表情でルフィの無事を喜ぶハンコックと無言で視線をやるミホーク。

 

「なんだァ、ありゃァ。センゴクの作戦か? いや、海兵も驚いているってこたァ、それはねェな……」

「オヤジ、あのデケェのの掌の上に凄ェメンツが揃っているよい!!!」

「なに?」

「七武海"海侠のジンベエ"、元七武海"砂漠の王"クロコダイル、その他にも恐ろしいメンツが乗ってるよい! 何より、海賊王のとこの怪物、"鬼の跡目"ダグラス・バレット! あの男がいる……!!!」

「どういうことだ……」

 

 かつて鎬を削った"海賊王"ゴールド・ロジャーの船に乗っていた男、ダグラス・バレット。

 "強さ"だけならば、この世界においても最上位に位置していた男が、この戦場に現れた。

 インペルダウンに長く囚われているという話は聞いていたが、何故奴がここに来たというのか。

 白ひげは頭を傾げ、彼方の巨大な人間を見やる。

 

「……あとは、エースが言ってた弟、今話題のルーキー"麦わらのルフィ"も一緒に乗ってるよい!!!」

「……なるほどなァ。野郎ども! あのデカブツは気にするな! 敵じゃねェ!!!」

「いいのかよい! あれには、オヤジに敵対するような奴等ばかり乗ってるが……」

「気にすんな。今この場にエースの弟が現れたんだ。目的はただ一つ。あとは、奴等の手綱をあのハナッタレが握れるのかどうか、見てみようじゃねェか……!」

「……あのバレットの手綱を握るなんて、オヤジも中々無理言うよい!」

「グララララ!! 一つ試してみようじゃねェか!」

 

 白ひげはあの巨人を含む強烈なメンツを率いるのが、エースの弟、"麦わらのルフィ"だと睨み、現状の海軍との戦力差を鑑みて一つの賭けに出る。

 

「奴等が戦力に加わりゃァ、大分楽にならァな……」

 

 恐ろしいスピードで迫る巨大な人間を見て白ひげはニヤリと笑う。

 

 

□◾️□◾️□◾️□◾️□◾️□◾️

 

 

「このまま行くぞー! みんな掴まれー!!!」

 

 海水により力が入らない中、気合を入れて走り出すウルフ。

 規格外の巨体により海が大きく荒れ、大規模な高波が発生する。

 それは近隣の島まで届き、大きな津波となり襲う。

 そんなことは知らぬルフィ一行はウルフの掌にしがみつき、強烈な暴風と揺れに耐える。

 

「ん? なんか来た」

「──オラァ!!!」

 

 海を走り、とうとう海軍本部を踏み潰すべく飛び蹴りの姿勢で飛んだところ、一つの影がウルフの前に現れる。

 黒い短い頭髪。スーツの上からはっきり隆起が見える肉体。

 海軍の英雄ガープが本部へ迫る巨大な足を拳で迎撃した。

 

「じ、じいちゃん……!!?」

「……ぬぅん!!!!」

 

 漆黒に染まったガープの拳がウルフの足を弾き飛ばす。

 バランスを崩したウルフは海へと尻を付き、その衝撃で白ひげが海震で作り出した津波より更に巨大な津波がマリンフォードを襲う。

 

氷河時代(アイスエイジ)!!!」

 

 海軍本部大将"青雉"の能力により、マリンフォードを襲った巨大津波が一瞬で凍り付く。

 

「おいおい、聞いてはいたが、こりゃぁ凄いメンツだ」

「青雉!!」

「麦わら〜、また会ったな。これまでの事件に加え、こんな悪事。上はカンカンだぞ」

「うるせェ! おれはエースを助けに来た!」

「んなこたァ、分かってんだよ。こんな恐ろしいメンツよくも脱獄させてくれたな〜」

 

 青雉はルフィ同様にウルフの掌にいる脱獄囚の面々を見て話す。

 

「ルフィ!!! お前、何ちゅうことしてくれたんじゃ!!!」

「じいちゃん! なんで若返ってんだ!!?」

「愛する孫にゲンコツを落とすために、地獄から若さを取り戻したわい!!!」

「じいちゃん、退いてくれ! おれはエースを助ける!!」

「ならん! わしは海軍本部中将! エースを救いたくば、わしを超えていけ!!!」

 

 恐ろしい速度で空を駆け迫り来るガープ。

 かつて海賊王と激闘を繰り広げた伝説の海兵の尋常ではない圧力にルフィはおろか、バギーやイワンコフ達も怯む。

 

「──久しぶりだな、怪物ジジイ!!」

 

 迫るガープを殴り飛ばすバレット。

 勢いよく吹き飛ばされるガープは凍った海に衝突し、高速で追ってきたバレットの拳を受け止める。

 

「バレット……久しぶりじゃな。何故、貴様が今更出てきた……!」

「んなこたァ、一つしかねェだろ。おれらは共通の目的で来ているんだぜェ」

「仲間を嫌っていたお前が、協力し合うとはな……!」

「仲間じゃねェ。ただ、同じ目的のために共に行動しているだけだ!!」

 

 衝突し合う拳と拳。

 恐ろしい強度の武装色の覇気と覇王色の覇気により、大気は歪み、雲は消え去る。

 衝突した覇王色の覇気により、マリンフォード全土の弱者達が次々と気絶していく。

 

「シャバに出て初の相手が、若返ったお前とは、ツイているなァ!!!」

「ぬかせェ、バレット!!!」

 

 比類なき二人の強者がぶつかり合う。

 

「お〜、おっかねェなァ。じゃあ、おれはこっちか……」

「貴様の相手は我だ、青雉」

「"赤の伯爵"パトリック・レッドフィールド……! 老いたお前に何ができるよォ!」

「ふん……。貴様を殺す程度ならできる。それに、老いを克服する目当ても付いている!」

 

 ウルフの掌から飛び立ち、空中の青雉に向けて武装色の覇気を纏った蹴りを繰り出すレッドフィールド。

 未来視により互いの手を読み合い凄まじい速度で攻撃し合う二人は、ガープとバレットから離れていく。

 

「あいたぞ! デカウルフ! 行けェ!!!」

「うぉー!!!」

 

 二人の特大戦力の海兵を遠ざけたバレットとレッドフィールドを置いて、ウルフは一気に抜ける。

 特大の質量で氷を砕きながら進むウルフだが、突如飛来した斬撃を避けるために、急遽飛び上がる。

 

「うわ〜〜!!?」

「派手バカが〜〜!!?」

「なんだァ!!?」

 

 着水し、更に巨大な高波が巻き起こる。

 マリンフォード全土を沈ませるに余りある大津波が襲い掛かるが、その前に先と同じ飛ぶ斬撃が津波を一瞬で切り刻む。

 

「来たか、麦わら……!」

「"鷹の目"! あいつも若返ってんのか!!!」

 

 彼方に見えるのは巨大な黒刀を手に持つ男、"鷹の目"ジュラキュール・ミホーク。

 ミホークが放った飛ぶ斬撃により津波は形を失い、水飛沫を立てる。

 

「麦わらァァ!!! てめェだけはおれの手でぶっ殺す!!! 影もいらねェから、さっさと死ねェ!!!」

「お前も若返ってんのか、モリア!!!」

 

 かつて、現在仲間になった死んで骨だけ、ブルックを助けるべく死闘を繰り広げた相手、七武海の一人、ゲッコー・モリアが影を使い迫り来る。

 ルフィが知るモリアの姿とは異なり、だらしなく膨らんだ腹は脂肪を落とし、隆々とした筋肉が見える。

 そして、何より先日は見られなかった、圧倒的強者の覇気がある。

 

「てめェをぶち殺すために、昔の体を取り戻したぞ麦わらァ!!!」

「お前に構ってる暇ねェのに……!」

「バロロロロ! 麦わらァ、ウルフ! 先に行け! こいつとは少し因縁がある!!」

「ワールド、わしも共に戦わせてもらうぞ。ヤツの能力は海水と相性最悪じゃ」

「フンッ。足引っ張んじゃねェぞ……!」

「ワールドのおっさん! サメのおっさん! 分かった! 頼む!!!」

「分かったっつ! 皆掴まれ、行くぞー!!」

 

 ワールドがそう言い、石礫を放つ。放たれた石礫は100倍に大きさを増し、モリアへと飛来する。

 その隙にウルフは海軍本部へと動き出す。

 ミホークの斬撃を警戒し、全身に武装色の覇気を纏い、巨大な体全てを硬化させる。

 

「一気に行くぞー!!!」

「ウォォォォォ!!!」

 

 海軍本部に一直線に突き進むウルフはミホークの斬撃を薄皮一枚で防ぎ、とうとうマリンフォードへと足をかける。

 轟音を立てて崩壊するマリンフォードの町。地面ごと町を踏み抜いたウルフは構わず突き進む。

 死守するべく懸命に立ち向かった海兵達だが、武装硬化されたウルフの脚に傷一つ付けることすら叶わず、歩みの衝撃で巨人族ですら吹き飛ばされる。

 

「このまま、エースの所に行けェ!!」

「──あまり、好き勝手にするなッ!!!」

「ゴブァ……!!?」

 

 残り一歩、手を伸ばせば処刑台に届く頃、突如現れた漆黒の巨大な大仏がウルフを吹き飛ばす。

 海兵や海賊を巻き込んで倒れ込んだウルフの巨体は、町を破壊し、マリンフォードの四分の一が沈む。

 

「要塞も島も新たに築けばいい! だが、この戦争は必ず、我々海軍が勝利する!!」

 

 漆黒な巨大な大仏──海軍元帥センゴクが食った悪魔の実は"ヒトヒトの実幻獣種モデル大仏"。

 自然系悪魔の実より更に希少な動物系悪魔の実"幻獣種"。

 センゴクは大仏になる強力な能力者だ。

 

 全身に武装色の覇気を纏ったセンゴクは、覇王色の覇気を纏い強烈な衝撃をウルフへ放つ。

 

「アバァ!!?」

「デカウルフ!!!」

 

 武装色の覇気を纏っていても穿つダメージにウルフは血反吐を吐き、堪らず能力を解除してしまう。

 身長1,800メートル。

 それでも規格外だが、掌に収まっていたルフィ達は空中へと投げ出され地面へと墜落する。

 

「……流石に手強いな。おい、麦わら! 仕方ねェから、おれがここいらのを相手してやる! 他連れて先へ行け!」

「クロコダイル……! 頼む!!!」

「……フン。おい、デカブツ、動けるなァ?」

「余裕だ! ここじゃ戦いにくいから、あの大仏連れて海に行ってくる!」

「あァ、ここらは任せろ」

 

 激突した両陣営。

 白ひげ海賊団と海軍の頂上戦争へと、インペルダウン脱獄囚と大問題ルーキーが加わり、戦況は凄まじい勢いで変わっていく。

 規模を増し続ける戦い。

 覇王色の覇気が至る所で迸り、強さに欠いた者達は次々に脱落していく。

 

 正に地獄。

 この世の終わりだとシャボンディ諸島の記者は天を仰いだ。

 

 戦争は始まったばかり。

 強者が強者を倒し、その強者をまた強者が食い破る。

 

 頂上戦争、人類史上最大規模の戦争が始まった。

 

頂上戦争にカイドウさんを乱入させる?させない?

  • カイドウさん乱入上等!
  • カイドウさん悔し涙でやけ酒なり!
  • カイドウさん以外にその他大海賊が大集結!
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