覇王、自由気ままに旅をする。   作:イチゴ俺

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ワンピースの女キャラは皆可愛い!
尾田っち、最高ですたい!
男キャラの格好良さも凄まじい!
ワンピース、最高です!!!


第15話"海軍の英雄VS.鬼の跡目"

「はぁ……はぁ……、敵がいちいち強ェ……!」

「止まっちゃダメよ、麦わらボーイ! 敵はヴァターシ達が引き受けるから、ヴァナタは前に進むことだけ考えるッチャブルよ!!」

「トプトプトプ! 酒が飲みて〜! これが終わったら皆で宴会せんとな〜!」

「宴会! いいな、やろう!!」

「そんな事言ってる場合じゃなッシブル!!!」

 

 エースがいる処刑台まで走るルフィ一行。

 次々と現れる海兵達を薙ぎ倒しながら進むルフィは、海兵のレベルの高さに舌を巻く。

 至る所で放たれる覇王色の覇気により、弱い者達は脱落し、立つ者全てが百戦錬磨の強者達だけ。

 至る所で血が流れ、海兵、海賊両者が死んでゆく光景はまるで地獄だ。

 

 そんな中でも呑気に酒が飲みたいと叫ぶバスコ・ショットと宴会という言葉に目を輝かせるルフィ。

 そんな二人に怒鳴るイワンコフは、眼前に現れた海兵を強烈な瞬きで吹き飛ばす。

 

「まるでこの世の地獄ねェ。こんなに覇王色の覇気を感じられる戦場初めて……!」

「デボンのおばちゃん……! なんだ、その覇王色の覇気って?」

「せめてお姉さんって呼びなさい、小僧!!! ……まァ、そうねェ……、数百万人に一人のみが持つ特殊な覇気。生まれながらの"王の資質"を持つ者だけが有する"覇王の力"。あなたが覚醒させた見聞色の覇気と似たものよ」

「"王の資質"……」

「まだあなたには早いわよ。今はお兄さんを助ける事だけ考えなさい」

「世の中にはまだ知らねェ力があるんだな……」

 

 世界の広さを知り、この戦場の凄まじさを再確認したルフィにデボンはムルンフフフと笑う。

 

「焦らなくてもあなたにもその資質はある。まァ、頑張りなさいや」

「デボンのおばちゃん……! おれ、やるよ!!!」

「だから、お姉さんと呼べ!!!」

 

 怒ったデボンは手に持つ刀を振るい、飛ぶ斬撃で前方の海兵海賊構わず薙ぎ倒す。

 

 "若月狩り"カタリーナ・デボン。

 世界中の美女の首を狩り、コレクションをする異常な女だが、その戦闘力は折り紙付き。

 古今東西、ありとあらゆる武器を使いこなす武芸百般の怪女。

 インペルダウンではサディちゃんから奪った鞭を使い、今は海兵から奪った刀を使い、一騎当千の活躍をしている。

 

 処刑台まで距離はまだある。

 眼前に待ち受ける海兵の数は果てしない。

 エースを助けるべく一直線に走るルフィの頭上に突如一つの影が現れる。

 

「うわっ!!? 危ねェ!!」

 

 ルフィの見聞色の覇気に捉えきれない速度で降ってきたそれは、一振りの長大な黒刀と一人の男。

 世界に12振りしか存在しない最上大業物、世界最強の黒刀"夜"と世界最強の剣士、ジュラキュール・ミホークがルフィを刺し貫くべく降りかかってきた。

 

「"鷹の目"!!! また、こいつか!!!」

「世界最強の剣士……! いい男ねェ!」

「トプトプトプ! こいつから良い葡萄酒の匂いがするんのん!!」

「大した男だ、麦わら。兄を救うため、ここまで来ようとは……」

「鷹の目!!! そいつらを絶対に行かせるな!! ここで息の根を止める!!!」

 

 凄まじい速度で迫ったモヒカンの海兵がルフィを斬りつける。

 

「海軍本部中将モモンガ!!!」

「麦わらボーイ!!!」

「痛ェ!! 斬られた!!」

 

 浅くだが斬られたルフィが声を上げる。

 相手は海軍本部中将モモンガ。

 刀を扱う百戦錬磨の海兵がミホークと並ぶ。

 ルフィ率いる最悪の脱獄囚達を睨みつけ、再び斬りかかろうとした瞬間、どこからともなく怒気が纏った蹴りがモモンガへと飛んでくる。

 

「そなた……! よくも、わらわの愛しき人を傷つけたな!! 生かしてはおかぬ!! こんなに怒りを覚えた事はない!! そなたを切りキザんで獣のエサにしてくれる!!!」

「ボア・ハンコックッ!! 貴様、何をしている!!! 海軍の邪魔をして後でどうなるか分かっているのか!!」

「怒りで何も聞こえぬ!」

「ハンコック……!!!」

「"海賊女帝"ボア・ハンコック……! 美しい顔ねェ! コレクションにしたいわァ!!!」

「やめろ、デボンのおばちゃん! 悪ィことはもうすんな!!!」

「だから、おばちゃんって言うんじゃないよ!!!」

「ひゃー! ええ女だのん!!!」

 

 恋焦がれる男、ルフィを傷つけられた事に怒り狂うハンコックと、それに怒鳴りつけるモモンガ。

 デボンは特上の美女にコレクション欲を高め、ルフィに再三のおばちゃん呼ばわりされ、怒鳴り散らかす。

 

「そなた、絶対に許さぬぞ!!」

 

 そう言うなり、強靭な脚力に覇気を纏ってモモンガに蹴りかかるハンコックに、モモンガは迎撃する。

 

「貴様、どうなっても知らんぞ!!!」

「構わぬ! まずはそなたの息の根だけは止めねば、気が済まぬ!!!」

「ふん、下らんな。さて、首を置いていけ、麦わら」

「トプトプトプ! おれが相手になるぞ、鷹の目〜! 海賊女帝にええとこ見せるんの〜!」

「ムルンフフフ!! 麦わらの坊や、ここは私達に任せて先に行きなさい!」

「ハンコックに手出すんじゃねェぞ!!!」

「安心しなさい、私から手出すことは火拳の坊やの恩に免じてしないわ。勝手に死んでたら、首コレクションさせてもらうけどねェ」

「それなら大丈夫だ! ハンコック強ェからな!!!」

「……ルフィ! わらわの事信じてくれてるなんて……! これが相思相愛……!」

 

 ショットとデボンがミホークの相手にこの場に残る。

 ショットはハンコックにカッコいいところを見せるため、デボンはハンコックがモモンガに殺される可能性を考え、ミホークとの闘争を選んだ。

 

「ルフィ! 海軍は予定を早め、そなたの兄の処刑を時間関係なく行おうとしておる! これは兄の手錠のカギじゃ! 急ぐのじゃ!!!」

「ハンコック……、お前ってヤツは! ありがとう!!! この礼は必ずする!!!!」

「で、では、終わったら一つお願いがあるのじゃ。必ずじゃぞ!!!」

「あぁ! 行ってくる!!!」

「まるで夫婦のような会話! 夢のようじゃ……!」

「貴様……! "海賊女帝"!! 貴様、七武海を辞めるという事でいいんだな!!!」

「好きに解釈するがよい! 今のわらわは喜びで何も見えぬ!!!」

 

 "海賊女帝"ボア・ハンコック対海軍本部中将モモンガ。

 "鷹の目"ジュラキュール・ミホーク対"若月狩り"カタリーナ・デボン&"大酒のバスコ・ショット"。

 

 邪あるいはピンクな思いを浮かべる者達対、硬派な男達の戦いが開幕する。

 

 "海賊女帝"ボア・ハンコック、最早後先考えず、ハリケーンな恋に振り回される!

 

 

□◾️□◾️□◾️□◾️□◾️□◾️

 

 

 海軍本部大将"青雉"により凍結された強固な氷の上、果てしない轟音と覇王色の覇気が迸る激闘が繰り広げられていた。

 黒く染まる拳と拳。

 覇王色の覇気が纏った拳は、しかし触れる事はなく、触れない拳戟は雲を、海を、氷を割り、余波は海賊や海兵を吹き飛ばしていく。

 

「おい、クソジジイ! 楽しいなァ! もっとやり合おうぜェ!!!」

「わしゃァ、楽しくないわい! インペルダウンで大人しくしておればいいものを! ルフィのヤツに付いてきおって!」

「お前の孫は中々面白ェヤツだ。それよりも、ロジャーの息子をお前が匿っていたなんてなァ……!」

「生まれてくる子に罪はない……! じゃが、奴らは最早親も関係ない程の大悪党。悪党に慈悲はない……!!」

「……ふん! その面で言っても仕方ねェなァ」

 

 何かを必死に堪えるような顔のガープにやれやれと顔を振るバレット。

 

 かつてロジャーと死闘を繰り広げた化け物のような男が見せた親の顔。

 只々強かった男は己の責務と家族への情の間で揺れ動き、放つ言葉とは裏腹に覇気は弱まってしまう。

 

「迷いがある状態でおれに勝てるかァ!!? お前の孫達も一人の男だ。男っつうのは、誰かに守られるような生き方はァ、しねェんだよ!!! お前も男なら、やれる事だけやって、結末を見届けろやァ!!!」

「ッ!! ふん、貴様にそんな言葉を貰うとはな……! いいじゃろう、あ奴らも一人の男。わしは海軍本部中将として貴様らを打ち破る!!! せいぜい、生き残る事だ!!!」

「カハハハ! そう来なくてはなァ!!!」

 

 そう言うなり、両腕に纏っていた覇気を右の拳に集中させるガープ。

 全身を守るための防御のための覇気も全て集め、漆黒と化した拳は恐ろしい濃度の武装色の覇気と、空間を捻じ曲げる程の覇王色の覇気により、けたたましい音を発する。

 防御は捨てる。回避もしない。

 ロジャーと渡り合ったあの頃と同じスタイルでバレットを睨みつける。

 

「"拳骨のガープ"か……。だが、おれもあの頃のままだと思っては困る。ダイナーを超えるべく新たに編み出した技……! 鎧合体(ユニオン・アルマード)"!!!」

 

 バレットが凍り付いた海へと触れる。

 触れた瞬間、青い光が放たれ、黒き波がマリンフォード全土へと広がっていく。

 

「"ガシャガシャの実"の覚醒か……!」

「ダイナーを倒すため、巨大な合体を捨てた。必要なのはヤツを打ち砕く強固な鎧……!」

 

 マリンフォード全土へと広がった波が、街を軍艦を、海軍本部を飲み込み、バレットへと吸収される。

 残るは大地のみになったマリンフォード。

 街もなく、海軍本部もなく、エースがいた処刑台すらも消失し、そこにいた人間のみが残される。

 

「──これが"最強"だ!」

「……インペルダウンにいながら、そんな事を考えていたとはのうッ」

 

 光が収まった後に見えるのは、バレットを一回り大きくしただけの黒き鎧。

 

 バレットが食らった悪魔の実は"ガシャガシャの実"。

 無機物を融合し、自在に変形させる事ができる能力。

 覚醒した能力とバレット自身の力により、規模は規格外に膨れ上がり、マリンフォード全土を効果範囲と成した。

 

 見える黒き鎧はマリンフォード全土、全ての無機物を鎧へと融合させたもの。

 その質量は計り知れず。

 膨大なそれを無理矢理圧縮させた鎧の密度もまた計り知れない。

 

「これが、"覇王"を超えるために編み出した、おれだけの"最強"! 全てを破壊するための最強の力!!!」

「……今でもダイナーを目指そうとはなァ」

「アイツこそが真の最強。ダイナーを超えねば、おれは最強にはなれねェ! さァ、楽しみはこれからだァ!!!」

 

 激突した二人の拳は凍り付く大地を海を破壊し、尋常ではない被害を出していく。

 周辺の海は未曾有の大荒れ。

 マリンフォードは建物を失い、平らな大地のみが新たな戦場となる。

 

 海賊、海兵共に大混乱。

 頂上戦争は未だ始まったばかり!

 

 

 

 

 

 

 

頂上戦争にカイドウさんを乱入させる?させない?

  • カイドウさん乱入上等!
  • カイドウさん悔し涙でやけ酒なり!
  • カイドウさん以外にその他大海賊が大集結!

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