覇王、自由気ままに旅をする。   作:イチゴ俺

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ワンピースは魅力的なキャラが多いから好きです!
特にボンちゃんが好きです!
沢山のご評価、ご感想ありがとうございます!!!
嬉しすぎます!!!


第7話"覇王の親友"

「──サンジ。お前何やってんだ?」

 

 "偉大なる航路"前半の海にあるハート型の山がある島、モモイロ島の海辺で"覇王"ダイナーは己の目を疑っていた。

 カマバッカ王国と呼ばれるこの国には、ニューカマー拳法を使うオカマ達がおり、日々美しさと強さを研鑽している。

 ブレない意思と美しい心を持つ彼女達をダイナーは好ましく思ってはいるが、自身の影響もあり、大変な女好きになったサンジにとって、ここは地獄のような場所だろうと思っていた。

 いた、のだが。

 

「あら、ダイナーきゅん! 久しぶりねん!」

 

 ウェーブのかかったロングのウィッグに華やかな化粧。

 指先の爪を鮮やかに彩るマニキュア。

 純白のスイーツドレス。

 乙女のような仕草と表情。

 

 女性を愛し、女性を愛するために産まれたと豪語していた男は、しばらく見ない間に乙女(・・)になっていた。

 

「……何があった、お前。正気か?」

「あぁん! ダイナーきゅん、お口がわ・る・い! お下品よ!」

「……正気じゃねェなァ」

 

 頭が痛くなってきたダイナー。

 海賊になり、海へ出た友人との再会。久しぶりの再会を楽しみにしていたダイナーにとって、サンジがオカマになっていた現実は衝撃が強すぎた。

 イヤン、イヤンと体をくねらせるサンジの過去を見通すと、"カマバッカ王国女王代理"のニューカマー拳法の技により、こんな状態になっている事が分かった。

 カマバッカ王国に飛ばされ、女王代理と決闘してからの数日、乙女が目覚めた状態で過ごしてきたらしい。

 

「おい、サンジ。お前こんな所で馬鹿やってていいのか?」

「馬鹿だなんて、ダイナーきゅんひどーい! あなたも可愛くなれば分かるわよ!!」

 

 そう言いながら、自身のものと色違いのピンク色のドレスを手に持ち迫り来るサンジ。

 悍ましい笑顔で迫るサンジに青筋を浮かべたダイナーは拳を一閃。

 

「馬鹿が! いい加減、目を覚ませ!」

 

 サンジの頭へと強烈なゲンコツを落としたダイナー。 

 あまりの衝撃にサンジは意識を飛ばし、ゲンコツが落ちた頭頂部には巨大なタンコブが生まれた。

 周囲でダイナーとサンジのやり取りを見守っていたオカマ達は、ゲンコツの轟音に驚き、サンジの心配をする。

 

「ダイナー様ったら容赦ない〜!」

「すごい音したけどサンジきゅん大丈夫かしら?」

「でも、ワイルドなダイナー様もすてき〜〜!」

 

 皆が一様に語尾にハートが付いているような甘い声を出し、集まってくる。

 

「お前達も久しぶりだなァ。変わらず美しいままで何よりだ」

「美しいだなんて、ダイナー様、分かってるんだから〜!」

「キャロ様もお会いしたがってたわよん!」

「ハハハハ! 後で会いに行ってくるかァ」

 

 鍛え抜かれたダイナーの肉体をまさぐるオカマ達と、それを受け入れるダイナー。

 わいわいと騒ぐオカマ達を見る慈愛の視線は、覇王と恐れられる男のそれとは思えないものだ。

 

「……んん」

「サンジきゅんが起きたわよ!」

「……痛ッ。おれは……どうしたんだ……?」

 

 意識を取り戻したサンジとそれを喜ぶオカマ達。

 覚えのない頭痛に困惑しているサンジは、先程までの様子とは違うように見られる。

 

「目を覚ましたか、サンジ」

「ダイナー!!? なんでお前がここに!!? って、なんだこの格好は〜〜!!」

「いや、お前俺にも着させようとしてたじゃねェか」

「はぁ!!?」

 

 頭部へのあまりの衝撃に一時的に記憶が曖昧になっていたサンジだが、程なく全てを思い出し、後悔と屈辱を覚える。

 涙と鼻水を垂れ流し、砂浜を叩くサンジにダイナーは大笑いし、小馬鹿にしていた。

 

「女好きのお前があんなになっちまうとはなァ。キャロラインの奴、上手くなってんじゃねェか」

「そうだ。あの野郎のせいでこんな事になったんだ! そうじゃないと、俺があんなんになる訳ねぇ! あいつ、タダじゃおかねぇ!!!」

 

 全身から怒りの炎を上げるサンジにダイナーは、それよりも、と話をする。

 

「安心させるために言っとくが、お前の仲間はそれぞれ別の場所に飛ばされている。くまの野郎、お前達を助けるために飛ばしたみたいだぜェ」

「そうか! あいつら無事だったのか!」

 

 安心に胸をほっと撫で下ろすサンジ。

 

「シャボンディでは助けてやれなくて悪かったなァ。ちょっと野暮用で遅れちまった」

「それはいいんだけどよ、ダイナー、お前まさかまた娼館にでも行ってたのか」

「ぎ、ギクッ」

「ギクッって口で言う奴がいるか! って、やっぱり行ったのかよ!」

 

 レイリーに見抜かれた時と同様に冷や汗を流すダイナーと、おれも行ってみたいのに! と怒るサンジ。

 

「悪かったって。海賊になった餞別に、願いを3回まで聞いてやるから、許してくれやァ」

「願いだと?」

「あァ。何でもいいぞ。"ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)"を持ってこい、でもいいぞォ」

「……うちの船長が絶対怒るからな。"ひとつなぎの大秘宝"は自分たちで見つけるぜ」

「ふっ。まァ、考えとけや。何でも叶えてやるから」

 

 "覇王"への無条件の依頼権利。

 世界中の誰もが欲しがる特級の権利。四皇も、海軍も、世界政府さえも欲しがるこの権利を手に入れたサンジは、あまり実感が湧いていないようだった。

 

「それよりも、サンジ。食材たんまり持ってきたから、久しぶりにメシ作ってくれよ」

「あぁ。バラティエを出る時、挨拶できなくて悪かったな。腹一杯食わせてやるから城に行こうぜ」

「楽しみだ」

 

 ニヤリと笑うダイナーとサンジ。

 並んで歩く二人は確かに仲の良い友人のものだった。

 そんな二人の様子にオカマ達は驚きつつも、温かい目で見守り、確かな覇王の変化に穏やかな笑顔を浮かべていた。

 

「何やってんだ。食材なら腐るほどあんだから、お前らも行くぞォ」

 

 穏やかなダイナーの声に、百戦錬磨のオカマ達は歓喜し、追いかけるのだった。

 

□◾️□◾️□◾️□◾️□◾️□◾️

 

 

「──それにしても、本当に久しぶりだな」

 

 カマバッカ王国の王城食堂にて、膨大な料理を作り終えたサンジがダイナーに話しかける。

 カップを傾け紅茶を飲むサンジの横では、料理を食べ終わったダイナーが大きなゲップをして酒を飲んでいる。

 

「ゼフからお前が海賊になったって聞いて驚いだぜ」

「自分でも驚いてるけどな」

「"オールブルー"を探してるんだってな。ゼフの奴、仏頂面だったが、嬉しそうにしてたぜ?」

「へへ! クソジジイと俺の昔からの夢だからな。未来の海賊王の船に乗ったんだ。見つかるだろうぜ」

「ふっ。応援してるぜェ」

 

 ダイナーはかつてサンジが嬉しそうに夢を語っていた事を思い出す。

 世界中のあらゆる魚が生息する特殊な海、"オールブルー"。

 伝説とされるその海を見つける事が夢というサンジに、頑張れ! と笑っていたダイナーは、サンジがその夢に向かって突き進んでいると知り、微笑む。

 

「ダイナーこそ最近は何してたんだ?」

「あァ、世界中の女共と遊んでたぜ」

「死ね」

 

 表情のない顔で一言。

 

「ハハハハ! 俺にそんな事言う奴はお前くらいだ、サンジ!」

「お前がどれだけ凄かろうと、俺にとっちゃただの友達だからな」

「五老星あたりが聞いたら、ひっくり返るだろうぜェ?」

 

 ハハハハ! と上機嫌で大笑いするダイナーと、彼の為に新たな酒瓶を開けるサンジ。

 己の気に入らないものは全て薙ぎ倒してきて、それで恐れられてきた彼にとって、そう言われるのは新鮮だった。

 

 遥か彼方の過去より、弱者だろうが、格上だろうが、気に入らないものは全て薙ぎ倒し、己の道を進んできた。

 もはや、彼と並ぶ者はおらず、かつて"救世の英雄(・・・・・)"と呼ばれた男は、"覇王"と恐れられるだけの怪物へとなった。

 

 そんな自分を友達と呼び、自分自身もまた彼を友達と思っている。

 ダイナー自身もそんな己の心の変化に驚きながらも、心地いいものを感じていた。

 ──だから。

 

「ハッ! 俺のたった二人の友人だ! 本気で困ったら何でも言えやァ。お前の未来は保証してやる」

 

 かつて数々の試練を踏破した旧時代の覇者は、穏やかな笑みを浮かべ、新時代の子の肩を叩く。

 そんな彼の言葉に照れ臭そうに笑いながらサンジは感謝するのだった。

 

「そうだ! ダイナー、おれをシャボンディ諸島まで連れてってくれよ! 仲間とあそこで集合する約束なんだ!」

「あァ、レイリーのとこに集まるんだってなァ」

「ああ! だから頼むよ」

 

 手を合わせて頼み込むサンジ。

 そんな彼を見てダイナーはニヤリと笑い提案をする。

 

「未来を見たが、お前の仲間達は二年間それぞれで修行するようだぜェ。だからよ」

 

 ──おれが直々におまえを鍛えてやるよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

頂上戦争にカイドウさんを乱入させる?させない?

  • カイドウさん乱入上等!
  • カイドウさん悔し涙でやけ酒なり!
  • カイドウさん以外にその他大海賊が大集結!
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