シン・バルタン星人   作:ケツアゴ

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間違って消したが自動保存したばかりで助かった


役目

 水中での光学兵器の使用において懸念される威力及び命中精度の減退、共に問題無し。

 事前の計算及びテストの結果との誤差、共に許容範囲内、僅か0・000005%、水温及び海流の影響と推察。

 

 推定威力、下級冒険者の魔力突出者による単文詠唱程度、驚きこそあれ、危険視からの排除行動の可能性は極小と判断、ダンジョン外の弱体化モンスター相手ならば他の高威力兵器の使用の必要性は見当たらない。

 対島級巨大生物用ミサイル、対空クラスター弾、小型ブラックホール発生装置、極小範囲式核ミサイル、超広範囲用小型疑似太陽は緊急事態に備え発射の準備のみをしていよう。

 

 

 

「美味っ!? これも、これも、これも美味っ! 全部見たことが無い料理だけれど全部美味っ!」

 

「えへへ。誉めて貰えて嬉しいです」

 

「……ルルネ、がっつき過ぎですよ。貴女には洞窟内部でちゃんと働いて貰わないといけないのですから」

 

 ややマナーの悪いルルネとやらが手当たり次第に取り皿に盛ってはガツガツと食べているが、アーシアが誉められて嬉しいのならば特に罰則は与えない。

 味わって食べる、それが料理人に対する礼儀ではあるが、ヘルメス・ファミリアには当初より礼儀は期待していない。

 

 今回のバイキングの料理、全てアーシアが食材の買い出しや料理の選定、調理作業まで全て一人で行った物。

 比喩ではなく文字通り普段の私の調理を誰よりも近くで眺め、身体で覚えて来たからこその上達。

 私の計算によって仕上がった最適な調理行程による物に比べれば些か未熟さが見受けられるが、普段店では出さない料理や食材である事から合格点を与えよう。

 

 

「いや~、最初は急に呼ばれたから何かなって思ったけれど、こんなに豪華な飯をタダで食えるんだから夢中になっちゃってさ」

 

 

「……む? タダ飯?」

 

 フカヒレの餡掛けチャーハンをよそっていたオッタルが疑問符を浮かべる、どうやら情報伝達に些か問題があったらしい。

 

「え? アスフィ、どういう事?」

 

「今回、以前迷惑を掛けたお詫びとしてフレイア・ファミリアは都市最強である団長を、私達は私と貴女……そして経費の全てを持つ事になっています」

 

「はい! お陰で普段は屋台の料金じゃ赤字確実な高級食材を沢山使わせて貰いました」

 

 尚、調理費、出張料金、休日料金を食材の価格から推定される値段に上乗せする予定であり、それを初めて聞かされたルルネの動きが止まった。

 

 

「……マジ?」

 

「マジ、です。当然ですが宝の所有権は全てアーシアさんに有りますのでポケットに隠し持ったりしないように。彼はそれ用の見張りでもありますので」

 

 恐る恐る自分を見つめるルルネにオッタルが静かに頷いた時、最初の宝の隠し場所である海底洞窟の入口が見えて来た。

 

 

 

 

 しかし、最近はメレンでの海中戦や喋るモンスターとの会合など、アーシアの心の負担となる出来事が多くあった。

 少しは安らぎになればと睡眠中に分身が五感共有を切って作った潜水艦だが、判断は間違っていなかったと判断。

 

 これを見られた事による問題だが、フレイアの性質から情報の拡散の可能性は低いと推察。

 

 ヘルメスに関しては常時ミクロ化した分身を見張りに付け、話そうとした場合は即座に天界に帰還させるだけである。

 よって分身の存在から不要な筈の助っ人を受け入れた事による危険性は微小、アーシアの料理の試食会を開いただけと同じである。

 

 

 結論、アーシアが楽しいのだから問題無し。

 

 

 

 

「ルルネさん、次の分かれ道はどっちに?」

 

「ちょいと待って! この地図と実際との齟齬を修正してるから」

 

 今回、私は乗り物を用意しただけで後はアーシアに任せてある。

 暗号文をアスフィが解読、その答えを元に文章から地図を作製、センサーによって既に全容も最短ルートも分かっている洞窟内部を無駄な苦労をしながら進んでいるが、結果よりも行程を楽しむという遊びが存在するのは理解可能、共感は永久に不能、合理性に欠ける。

 

 

「あっ! 今、ライトに照らされて青く光った!」

 

「赤い石と青い石が二つの場所に分けて隠されてあるとなっていましたが、先ずは一つ入手ですね。他にも財宝を納めていると思しき宝箱がチラホラと……」

 

「地上からの入り口がモンスターによって完全に埋まったと知った時はどうなるかと思ったが、まさか水中を進む船に乗るとはな。フレイア様への土産話には丁度良い。……良すぎる気もするが」

 

「アスフィさん、ちゃんとヘルメス様を押さえていて下さいね。所でアスフィさんとルルネさんは残すのは前後左右のどれが良いですか?」

 

「え? まさか前後左右の選んでない場所は……」

 

「はい、剃り落として生えないようにします」

 

 尚、ナミヘーヘアーなる髪型にした四兄弟は室内でも帽子を被ったままらしいが、この二人はカツラを被るのだろうか?

 

 

「じゃあマジックハンドを操作して回収しますけれど……オッタルさん、やってみます? このレバーで腕を動かして、スイッチを押したら掴むんですが」

 

「……了解した」

 

 あの女神の事だ、体験した土産話は豊富な方が良いだろう。

 今後の利益にも繋がりそうである。

 

 

 

 

 さて、順調に行くかに見えた宝探し、オッタルが少々苦戦しながらも宝は全て回収し、アスフィが宝箱の中の古代のマジックアイテムを鑑定して卒倒しそうになりながらも次の目的地である島を目指すべく海上に出たのだが……。

 

 

 

「あっちゃ~。流石にこっちは他の連中でも来れるもんな」

 

「残念ですけれど仕方無いですよね」

 

 赤い石と共に隠された宝の山だが、此方は既に回収の痕跡が僅かに残っている状態だ。

 人が隠した物故に人に発見できぬ道理は無い、バルタン星人が隠した物では無いのだ。

 

 

「では、一応取り残しが無いかだけ確認して帰ると……いえ、そうは行かないらしいですね。何者かが近付いて来ます。それも武装した集団らしいですが……」

 

「確かこの周辺はテルスキュラの領地が近かった筈。……誰か彼の国の言葉を話せるか?」

 

「無理です」

 

「出来ないよ」

 

「残念ですが……」

 

「……そうか。あの国は独自の試練によって第一級冒険者に匹敵する戦士も居るという。俺があしらうから隙を見計らって船で出るぞ。……お前なら不要だろうが、これは俺の役目だ。でなくば同行した意味がない」

 

「分かりました。じゃあ、お気をつけて。……アマゾネスの本能的な意味で」

 

 拳を握るオッタルは真剣な顔で足音の方に向かい、アーシアの言葉で僅かにげんなりして見えた……。

 

 

 




ドラクエ11始めたんですよ

デスコピオン、カミュの二刀流短剣で圧勝 五ターン程度かな?
毒にして六倍ダメージ見たかった
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