「成る程、その様な経緯があったのか」
あの後、怪我の影響で頭が働かないらしいウルトラセブンに私とアーシアの身に起きた事を説明したのだが、他の次元のバルタン星人が何やら色々したらしく手間取った。
まったく、この星で例えるならばアマゾネスに家族を殺されたからとアマゾネス全体を敵と見なすのと同じ……いや、アーシアもラキアのアレスを恨んでいる事から一般的な事なのだろうか?
実に非合理的な話である。
「その状態からしてモロボシ・ダン、この星の文化ならダン・モロボシとしての日常生活ならば兎も角、ウルトラセブンとしての恒星間移動は不可能であると推察。尚、先程の薬の料金はこの星での通貨による支払いを要求し、星を出た後で改めての支払いは認めない」
「宿主の子との関係性とか優しい奴だと思ったが、ちゃっかりしているな、君は」
「優しい? 理解不能。互いに利が有ったからこその融合であり、契約違反及び宿主を省みない行為はバルタン星人の誇りに反する。それだけである」
「いや、優しいよ、君は」
……理解不能である。
「さて、この星に存在する厄介なネタが存在する」
「まさかゾフィ……じゃなくって、ゾーフィ関連か!?」
「それも存在する。あの連中が動く可能性がある事だ」
矢張り光の国の住人にとっても光の星はその様な認識なのだろう。
私としては神について話す予定だったのだが……。
「ああ、住居は心配しなくて良い。心当たりが存在する」
「何から何まですまない。感謝する」
「気にするな」
先程の薬の代金+手間賃を始めとし、紹介料や住むにあたって私が負う事になる金銭的損害は全て請求させて貰う予定である。
月々の給料から差し引かせて貰おう。
「所で心当たりとは?」
「仕事の最中に金も無いのに女を抱きに行く無責任な男だが、育てた孤児と共に出稼ぎに来ている自称上位存在だ」
ブルトンの出した被害は凄まじく、死者負傷者天界送還者行方不明者を合わせて不明、大勢が犠牲になったのだけは間違い無いのだろう。
瓦礫になった歓楽街、復興の人手が必要であり、人手が多いのなら屋台の客が増える……と予想していたのだが。
「僕、最初はラーメンの屋台をすると思っていたんだけれどね」
「本来ダンジョンからしか強力なモンスターは出て来ない筈が歓楽街を破壊した謎の超巨大モンスターと空から舞い降りた巨人の出現、主神や構成員を失ったファミリアも存在する。……出歩く者が減る訳だ」
そう、復興作業の為の人手が集まらない所か通行人でさえ少なくなり私の屋台の客も減ってしまった。
精々が他の店の私の屋台が開かれる前の繁盛していた頃の売上、私の目標額を稼ぐにはまだまだ遠く、復興後に増えるであろう需要を一刻でも早く手に入れる為に復興の人手として働いていた。
尚、ウルトラセブンも一緒である。
「療養の為に一日一本のハイ・ポーション、居候を受け入れさせる為に減額したタケミカヅチ・ファミリアへの借金、神に関する情報料、宇宙船での定期検診料。財布に痛いな、日雇い労働者」
「……所で僕をどの様な男なのか紹介した内容が酷かったのは何故だい?」
「どうせ光の国の住人だ。評価は改善する。ならば初期の印象が悪い方が反動で更に上がるだろう。それと虚偽はないと主張する」
「……うっ。確かに本当と言えば本当だけれど……」
ウルトラセブンが落ち込んでブツブツ言っている間にも私と分身達は瓦礫を集め、破壊光線で消し去って行く。
ウルトラセブンの人物紹介は本人から得た情報をそのまま伝えただけ、悪意は限り
「光の国の変わり者だな、お前は。変わり者と言えば……奴も変わり者だぞ」
「君に変わり者と言われるんだ。余程の奴なんだな」
私が指で示した先には黙々と復興作業に無償で従事するフレイヤ・ファミリアの姿。
ガネーシャ・ファミリアも参加しているが、現地に居ながらもブルトン相手に役の立たなかったのを理由としているが、十中八九がウルトラセブンことダンの監視が目的であろう。
何せ最初は資金援助だけだった筈が、ウルトラセブンが復興作業の人員(当然夜間は宣伝目的で屋台を引かせている)として参加しているのが理由だろう。
「あの女神ならばお前に目を付けると思っていた。これで私へのちょっかいが減るだろう。人助けご苦労、光の国出身」
「……優しいって言うのを撤回したくなったよ」
「元より誤認である」
さて、あの主神を含めて変わり者の集まりの中で唯一常識人に近い男であるオッタル、エルフはエルフで真面目に見えてイかれている男である。
あの中で常識人なのだ、逆に途轍もない変人の可能性が高いのではないかというのが私とアーシアの意見であると伝えれば、ウルトラセブンも地球で変わった相手を知っているのか黙り込んだ。
「……不服な評価を受けた気がする」
「おい、サボっていないで働け脳筋」
「力仕事が得意なのだけが取り柄だろう脳筋」
「「「「そうだぞ、脳筋」」」」
「の、脳筋……」
「何か揉めていないか?」
「そうだな。口と同時に手も動かせ、脳筋」
さて、ギルドの予想では瓦礫の山に変わった歓楽街の復興には多大なる時間と費用が掛かるとされていたのだが、当然ながら私が参加したのだ。
瓦礫を分身で集める、破壊光線。
フレイヤ・ファミリアが瓦礫を集める、破壊光線。
ガネーシャ・ファミリアが……破壊光線
ヘルメス……破壊光線
結果、一週間で瓦礫の撤去を済まし、人海戦術で荒れた地面を整地して綺麗に終わった。
「祭り? 確か予定していた物は暫く先であったと記憶」
復興作業の多くが終え、ブルトンへの恐怖が薄れたのか客足が戻って来た日、ラーメン屋台の売り上げを持って来たウルトラセブンが歓楽街跡で祭りが開かれるのを伝えて来たのだが、それを此奴に伝えたのが……。
「ヘルメスの事はメフィラスと思えと伝えたと認識。頭部に外傷を受けた影響が出ているのかと疑問を呈する」
「い、いや、確かに言われたけれど……」
尚、この会話の時系列は不明としておく。
「儲ける絶好の機会……いや、その日はアーシアに譲るとしよう」
「矢張り優しいな、君は」
「器に欠けを発見。契約により今回の給料から引いておく」
成る程、確かに改めて考えれば……。
何度も何度も何度も死にかける程に自己犠牲が過ぎるお人好しとも付け足しておこう
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