シン・バルタン星人   作:ケツアゴ

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バルタン星人とウルトラセブン、人気投票二位ですって ゴモラは三位


感想、今回のも含めて明日一気に


営業妨害=敵対行動

「やあやあ! アーシアちゃんにダン君だったよね。君達もこれに挑戦してくれたら嬉しいな」

 

 歓楽街の復興に目処が付いた記念(殆ど私の手柄)として開かれた祭り(どの時期だったかは何故か記憶から欠落している。外星人による攻撃かと検査するが不明。パ・ラレル・ジークウ星人? とは何ぞや?)、私とウルトラセブンも屋台を引いて指定の場所を目指していたが、ヘルメスが水晶に刺さった槍を乗せた簡易ステージの上から声を掛けて来た。

 

 

 

「縁が有れば向かうのを検討。具体例を挙げるならば一切客が来ない等」

 

「メフィラ……神ヘルメス、僕も商売が忙しいので」

 

 この神はこの星のメフィラス星人だと言い聞かしていたからか、ヘルメスの胡散臭さを感じ取ったのか二人して立ち去ろうとしたら慌てて追い掛けて来た。

 

「待った待った! それって来ないって事だよね」

 

「肯定」

 

「えっと……そうです」

 

「待った待った! 賞品だって豪華なんだぜ? なんと世界観光旅行にご招待だ! 条件はこの槍を水晶から抜くだけ。大勢に挑戦して欲しいし、アーシアちゃんも来てくれよ」

 

「雇用者命令、代わりに挑戦しろ、ダン」

 

「……えぇ。この神が一切信用出来ないから可能な限り関わるなって言っていたじゃないか」

 

 ウルトラセブンも神の概念は地球にて学んでいたらしいが、所詮は外星人。

 更には私が(有料で)与えた考察によって神に関する敬意は無い。

 

 故に本来ならば言うべきで無い言葉を口にしてしまうが相手はヘルメスだ、問題は無い。

 早く仕事に入りたいとばかりに渋々といった様子で槍を握り、あっさりと水晶から抜き取った。

 

 

「あー。戻しておきますね」

 

「これで生じた損害は雇用主の私が建て替えよう。法に触れぬ程度の利子は貰うが」

 

 尚、私は外星人、法によって守られぬが法を守る義務も無い。

 

 

「それでは仕事の時間である。それと世界観光旅行であるが、雇い始めたばかりで長期の休暇は認められない」

 

「分かっているさ。ヘルメス様、そういう事だから僕は賞品を誰かに譲るよ。あっ! でも買い取りだったら嬉しいかな。結構な借金を返済中なんだ」

 

 ヘルメスの眷属からして水晶に刺さった槍は何かしらの仕掛け……抜かせたい相手に抜かせるのが可能だと推察。

 世界観光旅行とやらも何かの思惑が有るのだろう、それはウルトラセブンも同意見なのか詳細を聞く事も無しに私と一緒に立ち去って行く。

 

 

 流石はヘルメス、安定の信頼の無さである。

 

 

 

「いやはや、驚いたな。まさか最初の一人が引き抜くなんて。スポンサー殿に連絡しておかないと」

 

 

 

 

 

 

「串焼き肉を塩で三つ!」

 

「了解」

 

「酒は扱って無いのか?」

 

「質問、酒の取り扱いの有無について。返答、無い」

 

 吸血鬼騒動やブルトンの出現、夜間どころか出歩く事すら避ける者が増えていた昨今であるが祭りの影響か随分と客が増えている。

 他の屋台に買い物をしに向かった者達も私の屋台には立ち寄り、早くも材料が切れそうなので分身に買い出しを任せたのだが、見過ごせぬ情報が入った。

 

 

 

 

 

 

 

「はい…はい……。では、療養後に帰還します」

 

 お祭りより少し前、バルタン星人のテレポートによって向かった彼の宇宙船の通信装置を使って上司に連絡を取っていたけれど何とか納得して貰う事が出来た。

 違う次元宇宙の僕達である光の星の連中が動く可能性を意図的に言い忘れつつ、バルタン星人がテレパシーが通じない相手とも関わりが有るのが幸いしたと思いつつ、光の星の住人とは別の厄介な話には冷や汗が流れそうだ。

 

 

「他のバルタン星人が全滅か……」

 

 彼が他のバルタン星人との情報同期能力に難を持っている故に知らない情報、これを知ればどの様に動くのか分からない。

 

 アーシアという少女とのたった数年、万年単位を生きる僕達や彼からすれば僅かな時間なのに僕が知るバルタン星人とは大きく違い、それを伝えて協力者にするのを何とか上司を納得させたけれど、この次元宇宙の地球にて起きた事は伝えるなと命じられた。

 

 

「……さて、仕事の時間だ」

 

 今の僕は生活と療養に必要な費用の為に働く日々が待っている。

 ……結構辛いなあ、バルタン星人もアーシアも辛辣なんだよなあ……。

 

 

「ラーメン大盛りトッピング全乗せで」

 

「俺はメンマ追加で」

 

「はい。少しお待ち下さい」

 

 この星に存在するモンスターや神と地球の伝承の共通性を考えると彼の予想が当たっている可能性も高く、光の星の連中が来た際には何とか立ち向かわなければならない。

 と思うが、今は借金を返さなければならない!

 

 医療費やタケミカヅチ・ファミリアに居候が決まった時に背負った彼等のバルタン星人への負債、情報料等々、凄い額になるんだよな……。

 

 少し……いや、かなり悪意が感じられるけれど真実である紹介のせいで最初は余所余所しい態度だった彼等とも打ち解けたし、最近入ったらしい春姫って子には地球で知った物語を話してあげれば喜ばれた。

 

 正直、地球に比べれば治安が悪い地域も多いけれど、あの第二の故郷と同様に居心地が良い星だ。

 働けど働けど我が暮らし楽にならず、医療費と借金の返済で給料の殆どが消えて行くけれど、僕の生活は充実していた。

 

 

 

「オリオン! 君が私のオリオンだな!」

 

「え? 違うけれど?」

 

 何か急に横から知らない女神に話しかけられたけれど、オリオンって確かギリシャ神話で小熊座になった狩人だったっけ?

 確か恋人の女神の名前は……。

 

 

「アルテミス? ……ええっ!?」

 

「私のことを知っているんだな、君は。これが眷属が言っていた運命の相手という奴か」

 

 拝啓、故郷の息子。

 僕は今、初対面の相手に運命の相手だと言われて抱きつかれています。

 

 はい、浮気じゃないですよ、アンヌ。

 君と別れて半月も経っていないのに新しい恋人とか作らないから……この状況を誰か説明して下さい!

 

 

 

「「……」」

 

 雇用主と目が合い、互いに無言になる。

 あの瞳は職務放棄して女の子と遊ぶ駄目な男に向ける物だった。

 

 

 

 ちゃんと誤解を解かないと減給だよなあ……。

 

 

「えっと、これは……」

 

「状況整理は後ほど行う。この私は買い出しの途中であるが、今は絶賛営業妨害中の女神を連れて行こう。商売の邪魔だ、推定三人目の女」

 

 

「うん? 三人目とは私の……」

 

 アルテミスが声に反応して振り返った瞬間、足元スレスレを冷凍光線が通り過ぎて地面を凍らせる。

 もうオラリオの住民は慣れてしまったらしいが、彼女は絶句して固まっていたよ、そうだよな。

 

 

 

 

 

「最終警告、調理作業中のその男から離れ、私に同行を要請。従わない場合、悪質な営業妨害による敵対行動と見なし……取り敢えず髪の毛を全て剃り落とす」

 

 神ではなく、心を読んでもいない僕でも、そして周囲の見物人も理解した。

 

 絶対に本気で実行する気であると……。

 

 

 

 

 

 

 

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