シン・バルタン星人   作:ケツアゴ

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感想多いので後で 今はコンビニのWi-Fi使って帰宅途中に投稿


悪意は無い

 恩恵を受けた現星住民に関する考察のレポートより抜粋。

 

 その能力に関する経験を積むことで効率良く能力の向上を望める恩恵であるが、特筆すべきは向上した身体能力に比例して上昇する筈の基礎代謝や消費カロリーが食事量に見合わない事である。

 おおよそ体格から想定される食事量しか摂取しない者が多く、恩恵によってカロリーからの発生エネルギー効率が上昇していると見られ、恩恵を失うと上昇した力は元に戻る事から取り付け型の装備と同様と思われる。

 

 

 また、物理的力には抵抗力が上昇するも食事時間の感覚の変化が無い事から消化器官の能力には変化が無いのだろう。

 正に戦う為の力、現星住民に神と称される上位存在、普段は天界という異空間にて活動する者達による現星住民の兵器化の為の力と推察。

 

 神を排除せんとする侵略者が用意した異星間条約締結前の兵器、もしくは神に侵略にあって滅びた高度知的生命体の防衛兵器の可能性が考えられる。

 

 “光の星”所属の警戒対象に察知された場合、天体制圧用最終兵器の使用が危惧される。

 神の恩恵が現星住民以外にも付与可能か調査する必要があるが、私以外の外星人の痕跡は見られず、慎重に調査する必要があると思われる。

 

 

 

 根拠となる証拠が不足しているが、ダンジョンに神が入る事で異変が起きるとの情報からダンジョンには神の敵対者、

 

 

 

 

 

 

「想定された範囲の結果である」

 

 胃袋が強靭になった影響か必要量とは別に押し込める量は増えたのだろう、細身や小柄な者達、エルフ及びダークエルフ、パルゥムの四兄弟は脱落した。

 

 

「うっぷ! 不覚・・・・・・」

 

「全てを溶かす我が胃袋が敗北するとは・・・・・・」

 

「「「「黙ってろ、胃に響く」」」」

 

 残ったのはアレンとオッタル、先にベートと争っていた分をカウントしているがアレンには余裕が無くなって来ている。

 体格の差からオッタルの勝利が確定であろう。

 

 

 

 

「地下より襲撃有り。対処する」

 

 オッタルとアレンが向かい合って挟む簡易式の折りたたみテーブルを引っ張れば僅かに遅れて姿を見せた花型のモンスター、資料には無く名称不明。

 ゴモラに付けたカメラで確認した存在であり、生息地の変化によって地上に進出した可能性を考察。

 

 

「邪魔だ」

 

「死ねっ!」

 

 想定の範囲内、瞬殺。

 但し打撃耐性の影響かアレンの攻撃による損壊は微小。

 それは分かっているのか不機嫌な様子で席に座った彼の前にテーブルを戻せば黙ってケバブサンドに手を伸ばし、少し躊躇いながら手を伸ばした所で街の数カ所の上空で爆発が起きる。

 

 目を向ければ白装束達が爆炎の中から地上へと落ちて行き、視線を地上に戻せばダウンしたばかりのガリバー兄弟が花のモンスターを調べていた。

 

 

「推定Lv.3から4って所か」

 

「打撃には随分と強いみたいだけれど」

 

「脳筋の攻撃で弾け飛んだのがこの程度とか面倒な奴だ」

 

「魔石は上顎の奥で……極彩色だ」

 

 長男が手を入れて魔石を抜き取ると花のモンスターは灰になり、突然の風がオッタルとアレンの方に強く吹く。

 

 

「あっ……」

 

「「「よくやった!」」」

 

「待て。悪意は無い!」

 

 灰まみれになる二人とケバブサンド、二人は無言で立ち上がって長男を見ている。

 

 

 

「材料が切れた。今のスコアならアレンの勝利。……料金は後日回収する」

 

 他の分身により騒ぎの沈静化を確認、脱走したモンスター及び白装束達、別場所で現れた花のモンスターはロキ・ファミリア及びガネーシャ・ファミリアと調教したモンスターにより鎮圧。

 

 調教されたモンスターの知能の高さ及び言語能力を確認、特異個体と推察……要観察対象とする。

 

 

 

 

 

 

 モンスターの脱走、新種のモンスターの出現、そして白装束の死兵達による上級冒険者に対する襲撃、当日中に解決したそれだが、ショーの最後の方で少し騒ぎとなった。

 

 

「やあやあ、少し失礼するよ。此処なら鏡を通して見ている子達も多いだろうし謝るには丁度良い。騒ぎを起こして迷惑を懸けたね。じゃあ、そういう事で」

 

 最後の調教が終わるなり中央に入って来た神……タナトスは止めようとするガネーシャ・ファミリアの団員を神威で止め、それだけ言うと神の力を解放して天界にへと送還された。

 白装束達も多少の死傷者が本人達にのみ出たが捕まり、動機である愛する者と同じ場所に生まれ変わるという約束を話したという。

 

 結果、主犯が責任を取ったという事もあってかガネーシャ・ファミリアへの批判の声は騒ぎに比べ少なく、脱走を知らなかったのかモンスターを放った罪までタナトスに背負わせたフレイヤは得をしたという事だ。

 

 

 さて、それは重要ではない、重要なのは……。

 

『ええっ!? お魚、これだけなの!? バルタン、今日のメニュー変更する? 折角ソースが美味しく作れたのに……』

 

 本日のメニューは串揚げ、多種多様な具材を注文と同時に揚げ、特性ソース(二度付け禁止・ふざけて繰り返した神は出禁にした)を付けて食べるのだが、朝市に仕入れに行けばエビもドドバスも普段より少ない。

 以前、モンスターの影響で漁獲量が減少した港町メレンだが、此処最近は回復傾向にあった筈だが……。

 

 

「メニュー変更を検討、下拵えした他の食材及びソースの鮮度の問題から……メレンへの調査を決定」

 

 本日のソースはアーシアによる店に出すのに相応しいレベルの品、廃棄とする選択肢は存在しない。

 その場で飛び上がり、ふと地上を見ればロキ・ファミリアのホームの数名が此方を見ており、同時にバベルの最上階からも視線を感じたが、アーシアとの融合時の最高速度であるマッハ2でメレンへと向かって行き……。

 

 

『バルタン、都市を出る時は手続きをしないと』

 

 失念、不覚、反省。

 

 引き返し、門の前で順番を待つ、長い。

 

 

 目が無い所でテレポートを使用しての脱出、再びテレポートで内部に戻る選択肢は存在した……。

 

 

 

 

 

 

「わざわざ来てくれたのに悪いが、今は水辺に近寄らない方が良い。何処から来たのかは分からないが、厄介なモンスターが住み着いたからな」

 

 メレン到着後、寂れた様子の町並みを通り過ぎ港まで向かった私が出会ったのは神ニョルズ。

 瞳孔、表情筋、声のトーン、視線、これらの要素から発言の虚偽を断定。

 

『この神様があのモンスターを連れて来たって事?』

 

 肯定、何らかの繋がりを推測する。

 

 見れば例の花型のモンスターが水中から姿を見せ、拘束したモンスターを乗せた小舟を襲った所で周囲から推定Lv.1が多く、2が僅かに混ざっている者達に攻撃を仕掛けられている。

 小舟に仕込んだ火薬が火矢で爆発、続いて放たれた矢が魔石に命中したらしくモンスターは灰になった。

 

 

 モンスターを襲う習性を確認、このモンスターを水中に放ちモンスターを襲わせていたが、漁船まで襲われ始めたのだと破壊された船の残骸から推察。

 

 

「結論……周辺に生息する花型を駆逐する」

 

「お、おいっ!?」

 

 制止の声に従う義務は存在しない。

 私は迷わず水に飛び込んだ。

 

 

 

 

 

 

『ちょっとバルタン! 今日はお気に入りの服なのに!』

 

 不覚、失態、謝罪。

 

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