超地球救済戦記!真・ダンザイオーΩ〈オメガ>~戦争もやめねぇ!環境破壊もやめねぇ!バカで愚かな人類は身長170センチ以下で無職童貞ニートの俺が全員滅ぼす!~   作:かにグラタン

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第百九十一話 柿原ミキエ その1

第百九十一話 柿原ミキエ その1 

 

リンクセンター石間に一人の女性がやってきた。

「あの予約をしていた...柿原と言うものですが...」

「ああ、柿原ミキエさんですね、それではこちらのソファーへどうぞ」

事務所のソファーに腰を下ろした柿原ミキエが依頼内容について話し始めた。

柿原ミキエの母は、ミキエが幼いころに病死していた。

それ以降はミキエの父親のコウジがミキエの弟のツトムとミキエを一人で育てていた。

ミキエは大学を卒業すると、そのまま会社に就職、そして職場恋愛ののちに結婚、子供が二人できた。

しかし、ミキエの弟であるツトムは受験にも就職にも失敗、現在、家で引きこもっているらしい。

「それでなんですけど、最近、父と連絡がつかないんです」

「お父さんのコウジさんと?」

「はい」

「最後に連絡が取れたのは?」

「2年前です」

「2年前?1年前じゃなくて?」

「はい、2年前です」

「もしかしてお父さんと仲が悪いの?」

「いえ、仲が悪いのは父ではなく弟のツトムです」

「どうして、弟と仲が悪いの?」

「弟のツトムは怒るとすぐに暴力を振るう人なんです、私も学生のころ、何度か理不尽な暴力を受けて嫌な思いをしたことがあります」

「それは具体的にどんな暴力ですか?」

「買い物に行く次いでに弟にコーヒーを買ってきてくれと頼まれたんです」

「ええ」

「それで、弟に言われた通り、コーヒーを買ってきたんですけど、弟が欲しかったのは、どうやらあったかいコーヒーだったらしくて、それで、激怒した弟に何度も顔を殴られました」

「キマッてますねぇ」

「暴行は、その一件だけではなく、何度も行われました。私は弟から逃げる為に、寮のある大学に進学しました。実は私、大学に進学してから一度も実家に帰ってないんです」

「なるほど、賢い判断ですね、それで、実家との関りはそれ以降、電話のみになったんですね?」

「その通りです。それで、今年の正月ごろに父に電話をかけたのですが、連絡が着かなくて、それ以降も何度も電話したんですけど、全然電話に出なくて...」

「なるほど...それで、ミキエさんはもしかしたら、お父さんのコウジさんはすでに弟のツトムさんに殺されてしまったのではないのかと危惧してこちらに依頼されたのですね?」

「はい、些細なことでカッとなった弟に父が殺されてしまっているのではないかと心配になりまして...」

「警察にはもう連絡はしたんですか?」

「実は、父にも結婚して子供がいることをまだ報告していないんです」

「それは弟のツトムさんから旦那さんと子供たちを守るためですね?」

「その通りです、警察に連絡するとなると、弟のことが旦那と子どもたちに知らされてしまいますし、結果的には弟にも、私の旦那と子どもたちのことが知られてしまいます」

「それで、ウチに来たと...しっかし困りますねぇ、ウチの専門は『断罪者』で『グヴァィズィー』じゃないんですよねぇ」

『グヴァィズィー』とは先天的な社会不適合者の名称である。

「弟は小学生までは、おとなしい普通の男の子だったんです」

「だから、弟のツトムさんは『グヴァィズィー』でなく、『断罪者』だと言いたいわけですね?」

「はい、先天的ではなく、後天的な社会不適合者は『断罪者』になってしまうと、以前どこかで聞きました」

「でも、あなたは結局、社会不適合者になってしまった弟のツトムさんを俺たちに正常に戻してほしいのではなく、お父さんのコウジさんのことが心配なんですよね?」

「それは、そうです。私が自分に都合がいいことを言っているのは十分理解しています、それでも、なんとかして父の身の安否だけでも調べてもらえないでしょうか?」

「わかりました、しかし、そうなると、警察の協力は必要不可欠になりますよ。まぁ、極力、ミキエさんの個人情報は伏せますが」

「ありがとうございます...」

「それじゃあ、あした警察の方々と俺と助手の奈良見ルナでミキエさんのお父さんの身の安否を確かめに行きますね」

助手の奈良見ルナが不満そうな声を上げる

「え、私も行くんですか!」

「あったり前だろォ!」

「それどう見ても激ヤバ案件じゃないですか~‼」

次の日の朝。

工事現場で働いている人が良く頭につけているヘルメットをかぶった俺と奈良見ルナと警察官数人は、ミキエさんの実家の前にいた。

工事用ヘルメットを頭部にかぶった奈良見ルナが不満の声を上げる。

「なんで人の家に行くのに、工事用のヘルメットをかぶんなきゃいけないんですか?」

「おまえ、昨日、依頼内容を聞いてなかったのか?」

「聞いてましたよ、依頼人の弟がかなりキマってるんですよね」

「そーゆーこと、つまり何が起きてもおかしくない」

「これって、なんかあったらローサイ出るんですかねぇ?」

「知らん、とにかく入るぞ」

警察官の一人が家のインターホンを押す。

しかし、約1分後、インターホンから家主の声は聞こえてこなかった。

「まだ早朝の7時ですよ、コウジさんって夜勤の仕事でもしてるんですかね?」

「いや、してない、コウジさんは数年前に会社を定年退職している」

痺れを切らした警察官が家のドアノブに手をかける。

警察官の眉間にしわが寄る。

「カギが開いている...!」

俺と奈良見ルナと警察官数人が家の中に入る。

室内は真っ暗だった。

そして、入ってすぐになにかが腐ったような激臭が鼻腔を貫く。

「ゔえええええええええええええええええええッ‼」

あまりの激臭に奈良見ルナがえずく。

一階の天井には大きな黒いシミができていた。

ポタ...ポタ...ポタ...。

そして、天井にできたシミから落ちてきた水が一階の床に落ちる。

「石間さん...これって...」

「ああ、ヤバいなこれは...!」

 

次回予告 柿原ミキエ その2




次回もお楽しみに
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