超地球救済戦記!真・ダンザイオーΩ〈オメガ>~戦争もやめねぇ!環境破壊もやめねぇ!バカで愚かな人類は身長170センチ以下で無職童貞ニートの俺が全員滅ぼす!~   作:かにグラタン

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第百九十六話 伊倉アキオ その1

第百九十六話 伊倉アキオ その1

 

伊倉アキオ。

高校生。

通っている学校では有名ないじめられっ子である。

その日も、アキオはいじめっ子数人に囲まれて、暴力を受けていた。

「コイツ、ホント面白いよな!ぜってーやり返さねーの!」

「しかもニヤニヤしやがって、ドⅯなんじゃねぇかコイツ!」

集団暴行されているアキオの前をまるで何もなかったかのように担任教師が通り過ぎていく。

いじめっ子の一人がアキオの衣服を全て脱がす。

アキオはふいに、かつて教室で聞いた噂話を思い出す。

『ねぇ、断罪王現象って知ってる?』

『知ってる、ある日突然、まともだった人が社会不適合者になっちゃうんでしょ?たしか、そういうふうになっちゃった人のことを断罪者って呼ぶのよね』

『そうそう、断罪者はこの国の法律では心神喪失状態にみなされて、絶対に死刑にならないそうよ』

『何それこわーい‼それじゃあミセーネンの殺人犯と一緒じゃん!』

気が付いたらアキオの人差し指が自分の服を脱がしたいじめっ子の右目に突き刺さっていた。

「痛てぇよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!」

クラスメイトの右目から大量の血が流れている光景に、他のいじめっ子達が一斉に動きを止める。

その隙に、アキオはもう一人のいじめっ子の右目に人差し指を突き刺す。

「ゔぐうあああああああああああああああああああああああああッ!」

二人目の犠牲者が出たことで、いじめっ子たちが二手に別れ逃走を始める。

一つは先生に報告する生徒達。

二つ目はアキオを暴力で制裁する生徒達。

「アキオのくせに調子こいてんじゃねぇぞ!」

いじめっ子がアキオに向かって拳を振り上げる。

アキオは全裸のまま、それを回避すると同時に右足を天に向かって振り上げる。

そして次の瞬間、アキオのかかと落としがいじめっ子の右目に直撃する。

「ぐがぁぁあぁあぁぁあぁあぁぁあぁあぁッ‼」

「なんだコイツ...!本当にアキオなのか?」

「僕はアキオ...今日から断罪者のアキオだ!」

アキオはすばやい動きと同時に両手人差し指を次々といじめっ子たちの両目に突き刺してゆく。

いじめっ子のほとんどがスポーツ推薦や、偏差値の高い大学に指定校推薦が決まってる生徒達だった。

校舎裏の一部がアキオに両目をつぶされた、いじめっ子たちの血液で真っ赤に染まっていた。

そして一部血に染まった校舎裏の土の上で、両目をつぶされたいじめっ子達が身を横たえて痛みにもだえ苦しんでいる。

彼らは皆、両目と同時に輝かしい未来まで失ってしまったのだ。

その後、アキオは家庭科室から包丁を持ち出し、先生を呼びに行ったいじめっ子たちも、偶然、その日だけいじめに加担していなかったいじめっ子たちも全員殺害した。

そして、アキオがいじめられているのを見て見ぬふりをしていた担任教師が両手に包丁を持ったアキオに追いかけらていた。

担任教師は逃走中、致命的なミスに気付く。

そう、担任教師は逃げるのに無我夢中で校舎の階段を上へと駆け上がってしまっていたのだ。

それは、自ら自分の逃げ場所を無くしているのと同じである。

屋上まで追い詰められた担任教師が全裸の状態で全身血まみれのアキオに向かって質問する。

殺した生徒たちの返り血を浴びた影響でアキオの全身は真っ赤に染まっていた。

「お、お前、本当にあの、アキオなのか...?」

担任教師が疑問を抱くのも当然だ。

なぜならアキオはクラスで一番、足が遅かったからだ。

「言ったはずだ...僕は断罪者のアキオだ...!」

「お、俺は今、それを初めて聞いたんだが...うぐぅああああああああああああああッ‼」アキオは両手に持った包丁で担任教師の首を切り裂く。

全身を真っ赤に染めたアキオは屋上から校舎の中に戻る。

校舎の中に戻ったアキオを見た生徒たちがダッシュで逃げる。

アキオの耳にパトカーと救急車のサイレンの音が聞こえてくる。

血塗れのアキオは水道で頭と顔を洗って、教室に戻る。

教室のロッカーから学校専用のジャージを着たアキオは、校門から外に出た。

ジャージのポケットに包丁をしまったアキオはリンクセンター石間に向かって走る。

勤務中に助手の奈良見ルナとトランプのババ抜きで遊んでいた石間コウイチの耳にリンクセンター石間のドアが開く音が聞こえてくる。

「あっれ、おかしいな...今日の予約はもうおしまいなんだけど...」

リンクセンター石間の中にアキオが入ってくる。

「あの...僕...断罪者なんですけど...」

「それはわかったんだけどぉ、君、今日予約してないだろ?」

アキオが石間コウイチに土下座をする。

「僕が断罪者か、どうか確かめてくれませんか?」

「そりゃ、いいけど、予約してもらわないと...」

「おねがいします!僕が断罪者かどうかだけ確かめてもらえば、すぐに帰りますから!」「石間さん、確かめるぐらいなら問題ないんじゃないですか~もしかしたら次の依頼に繋がるかもだし」

「しっかたねぇなぁ~じゃあ、この白い紙になんでもいいからなんか書いてみろ」

アキオが白紙に書いたイラストがコレ↓だ。

『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤

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「ご愁傷様。うん、お前、たぶん断罪者だよ、たぶんだけどね」

石間コウイチの言葉を聞いたアキオの表情が満面の笑みになる。

アキオの右手にはボイスレコーダーが握られていた。

「そうですか...ありがとうございました...」

アキオはそのまま足早に事務所の出口に向かって歩いていく。

「おい、お前、なんか困ってんだろ?だったら今日予約してけよ!」

「いえ、別にもう困ってませんよ、それでは」

アキオはそのまま、リンクセンター石間から去った。

石間コウイチは奈良見ルナとトランプのババ抜きを再開した。

「また私の勝ちっすね、もういい加減帰っていいですか?」

「ダメだ、お前は俺に負けるまで残業しろ」

「死ね」

その数秒後、女刑事・新田みくがリンクセンター石間に入ってきた。

「アンタたち、なに勤務時間にトランプして遊んでんのよ!それでも社会人なの?」

「あ、みくちゃんだ!ちょっと聞いてくださいよ実は石間さんが!」

「それどころじゃないのよ!さっき、この事務所に来た人、覚えてる?」

「ああ、もちろん」

「そいつ、私たちがで今、追ってる大量殺人鬼よ!」

 

次回予告  伊倉アキオ その2




次回もお楽しみに

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