超地球救済戦記!真・ダンザイオーΩ〈オメガ>~戦争もやめねぇ!環境破壊もやめねぇ!バカで愚かな人類は身長170センチ以下で無職童貞ニートの俺が全員滅ぼす!~   作:かにグラタン

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第二百八話 川口ヨシキ その4

第二百八話 川口ヨシキ その4

 

『元大量殺人犯のくせに、死刑にならず、社会復帰をしている元断罪者・川口ヨシキを殺せ!』

『アイツ』が掲示板の書き込み↑に仕込んだ狂撃波動のせいで、書き込みを見てしまった全国のネットユーザーが断罪者(社会不適合者)もしくは断罪者予備群になってしまった。

例の書き込みを見て、断罪者になってしまったネットユーザーは皆、川口ヨシキを殺すことしか考えられなくなってしまうのだ。

警察はネットに存在する全て掲示板サイトから、例の書き込みを一斉削除、書き込みを見てしまった全国のネットユーザーの特定と保護に動く。

一方で、全国のリンクマスター達は各県の警察署で保護された例の書き込みを見てしまったネットユーザーを狂撃刀から放たれる狂撃波動で正常な状態に戻していた。

そして、元断罪者である川口ヨシキが保護されている警察署の周りには刃物を手に持った断罪者達が集まっていた。

皆、例の書き込みを見て、断罪者に覚醒してしまったネットユーザーである。

俺が警察署に戻ると、警察署の周りには刃物を持った人々で混雑していた。

「こりゃあ、大変なことになったな」

後ろから工事用のヘルメットを頭部にかぶった、助手の奈良見ルナが話かけてくる。

「石間さん、いったいどこに行ってたんですか?」

「おう、ちょっとな、それより奈良見ィ、すげぇことになってんなぁ!」

「すげぇどころじゃないですよ!警察署の内部にも刃物持った断罪者がごったがえしてて、事実上、警察署は断罪者に占拠されてしまったようなものです!」

「そんで依頼人の川口ヨシキは?」

「おそらく、警察署の中だと思われまする」

「思われまするじゃねぇだろォ!お前まさか依頼人ほったらかして、外に避難してきたのか!」

「だって、警察署の人が外に避難しろって言うから...」

「リンクマスターが依頼人から離れてどうすんだ!お前この仕事やめちまえ!」

「すんません」

「そんで、警察署の中にはどれぐらいリンクマスターがいるんだ?」

「石間さんに指示されたとおりに手配したんで、関東地方のリンクマスター約20人程かと...」

「『狂撃刀』で正常にもどせる断罪者の数は一日に3人程度、そんでリンクマスターが約20人、一日で正常に戻せる断罪者は60人か...どう考えても、今日中にここにいる断罪者全員を正常な状態に戻すのは不可能だ」

『狂撃刀』とは、狂撃刀を手に持った人間の生命力をエネルギーとして、狂撃刀から狂撃波動を放つことができる刀のことである。

しかし、狂撃刀から狂撃波動を放つことで消費される生命力は莫大であり、リンクマスター協会では一日に狂撃刀から放ってい狂撃波動の回数は3回までと決められている。

狂撃刀から3回以上、狂撃波動を放つと、狂撃刀の持ち主は、良くて廃人、悪くて絶命すると言われている。

ちなみのこの狂撃刀の所持には国家試験に合格する必要がある。

「じゃあ、もう事務所に帰りましょうよ...」

「んなことできるわけねぇだろォ!でも、まぁ、俺は狂撃刀なんかに頼らなくても、狂撃波動が撃てるからな」

「さっすが!石間さぁん!」

「うるせぇ!はしゃいでんじゃねぇ!俺でも一日で放てる狂撃波動の回数は10回だけだ!これはもう詰みだな!アハハハハハハハハハハッ‼」

「い、石間さんが壊れた...」

「なんてな」

俺は地面に向かって狂撃波動↓を放つ。

『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤

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警察署の周りが青い光に包まれる。

警察署の周りにいた川口ヨシキを殺しに来た断罪者達が一斉に気絶して倒れ始める。

警察署の内部も青い光につつまれ、警察署の内部から一斉に歓声が上がる。

「すごい、石間さんが一瞬で100人以上の断罪者を正常な状態にもどした!いったい、なにをしたんですか?」

「どうせ、こんなことだと思って警察署の周りに『断罪陣』を引いておいたのさ」

「『断罪陣』?」

『断罪陣』とは狂撃波動で書かれた図形式のことである。

『断罪陣』の内部にいた断罪者は皆、全身に狂撃波動を浴びて正常な状態に戻る。

しかし、この『断罪陣』を発動すれば、その日はもう、狂撃波動を放つことはできない。

つまり、『断罪陣』を発動してから24時間経たなければ、石間コウイチは狂撃波動を放つことができないのだ。

この『断罪陣』は狂撃波動で書かれているため、『断罪陣』を書いた人間以外は視覚で感知できないようになっている。

「つーわけで、奈良見ィ、俺、今日はもう、狂撃波動、撃てないから、あとよろしく」

「そ、そんなこと言われても困るんですけど...」

「まぁ、関東地方はこの通り、なんとかなったからな、あとは『アイツ』をなんとかするだけだ」

「『アイツ』を探しに行くのは明日にして、今日はもう休んだほうが...」

「その必要はねぇよ」

俺は奈良見と共に警察署の中に入る。

警察署の中には俺の『断罪陣』で正常な状態に戻り気絶した断罪者達がうつむけに倒れていた。

警察所の奥から女刑事の新田みくが走ってくる。

「石間くん、さっきの青い光はなに?光に包まれた断罪者達が一斉に気絶したんだけど...」「その説明は後だ、とりあえず救急車呼んでくれ。そんで新田喜べ、この警察所の中に『アイツ』がいるぜ」

「どういうこと?」

「俺が『断罪陣』を発動したのは断罪者を正常な状態に戻すと同時に、警察所の中にいる『アイツ』の動きを止めるためだ。奈良見、新田、天井を見ろ」

天井には巨大な黒いシミができていた。

天井にできた巨大な黒いシミには眼球のようなものが大量に付いて、瞬きを繰り返している。

「『アイツ』は今まで、こうやって、俺達を監視していたんだ」

天井に広がる『アイツ』を見て奈良見が嘔吐する、新田も口を手で塞いでいる。

「おええええええええええええええええええッ‼そんな、私、今まで一度も気が付かなかった...!」

「奈良見が気が付かなかったのも当然だ、なんせ、この黒いシミは人間の肉眼では感知できない、俺とお前らがこの黒いしみを肉眼で感知できるようになったのは、『アイツ』が俺の発動した『断罪陣』の光を浴びたせいだ」

「ひさしぶりだな、どうだ、動けなくなった気分は?」

俺は天井に広がった『アイツ』に話しかける。

「見事だわ...コウイチ...」

「だろ?この数十年間、俺だってただ、断罪者を狂撃波動で正常な状態に戻してきただけじゃない、お前が狂撃波動をネットに干渉させられるようになったのと同じで、俺だって狂撃波動の応用に鍛錬を積んできたんだ」

天井に広がった黒いシミが地面に落ちて、人の形に変化していく。

人の形になった黒いシミが、長い黒髪が特徴的な美少女に変化していく。

長い黒髪が特徴的な美少女は上半身に黒のセーターを着用し、下半身には黒く長いスカートを履いていた。

「けっ、動きを封じた途端、コレかよ」

「残念だったわね、コウイチ。それと奈良見さんと、新田さん、初めまして、私が『アイツ』いえ、『桜原カエデ』と言ったほうが正しいわね...」

桜原カエデが仕組んだ事件で、弟を失った、新田みくが拳銃の銃口を桜原カエデに向ける。

奈良見ルナがあまりの衝撃に思わず後ずさる。

「桜原カエデ...この人が『アイツ』の正体...石間さんの元カノ...!」

「いや、付き合ってねぇし‼あと、新田、そいつに銃は通用しないぜ」

俺は再び、過去と対峙することになってしまった。

 

次回予告 川口ヨシキ その5




次回もお楽しみに

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