超地球救済戦記!真・ダンザイオーΩ〈オメガ>~戦争もやめねぇ!環境破壊もやめねぇ!バカで愚かな人類は身長170センチ以下で無職童貞ニートの俺が全員滅ぼす!~   作:かにグラタン

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第四十七話 真・断罪王Σ 対 銀装天使ガデルエル!自分が両親から自立していることを露骨にアピールしてくる独身の社会人共は通勤時にローラースケートを履いたまま、急な坂を駆け上がれ!

第四十七話 真・断罪王Σ 対 銀装天使ガデルエル!自分が両親から自立していることを露骨にアピールしてくる独身の社会人共は通勤時にローラースケートを履いたまま、急な坂を駆け上がれ!

 

九州地方で人間たちの醜さを思い知った僕は北海道にいた。

他の地方の至高天の支部を襲撃してみたものの、そこにはハルカの姿はなかった。

そして、最後に残ったのが北海道だった。

僕は全裸のまま北海道のスーパーのバックルームに不法侵入する。

そして各部門にいる、いい歳したパートの男性をいじめているパートのババアを食い殺す。

ついでに食い殺したパートのババアの財布から盗んだ運転免許証に記された住所を情報源にしてパートのババアの家族も全員見つけては食い殺した。

各企業で非正規労働者をいじめる正規労働者や新入社員も食い殺した。

自分たちの作った子供を虐待したり殺害したりしているやつらも食い殺した。

金もないのにセックスしてる男女も食い殺した。

避妊すれば妊娠しないと思ってる男女も食い殺した。

しかし、殺しても殺してもそういうバカが減ることはない。

でもそういうバカがいるおかげで俺は食う飯に困らない。

同じ人間でありながら、周りの人間を傷つけなければ自分の価値を確認できない奴はこの世界にはいてはいけないのだ。

つまり、俺はこの世界にいてはいけない人間を食っている。

俺の行いは世のために人のためになっているのだ。

至高天北海道支部の周りには毎日、大勢の人々が集まり、四国地方や九州地方の時と同じく、市民と警備隊のにらみあいが続いている。

「至高天は北海道から出ていけぇぇぇッ!」

「宅間セメルに勝てないクソ雑魚至高天は北海道から出ていけぇぇぇッ!」

「至高天死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!」

「クソ雑魚銀装天使!」

群衆のたび重なる罵詈雑言に対して至高天北海道支部の警備隊たちは空に向かって銃弾を放ち、威嚇を繰り返している。

僕は至高天に罵詈雑言をぶつける愚かな群衆と至高天北海道支部の警備隊のやつらに向かって叫ぶ。

「僕は天使狩りの宅間セメルだァァァァァァァァァッ!今日はおめぇら人類に言いたいことがあるッ!耳かっぽじってよく聞けぇぇッ!おめぇら全員死ねやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!」

警備隊が僕に銃口を向ける。

群衆が悲鳴を上げながら逃げていく。

「シンゴォォォォォォォォォォォォォォッ!」

僕の筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆う。

断罪王Σに変神した僕は悲鳴を上げながら逃げる群衆も警備隊のやつらも一人残さず食い殺す。

生臭い血でできた水たまりの中心で僕は叫ぶ。

「マネェェェェェェェェェェェェッサプラァァァァァァァァァァァイッ‼」

至高天北海道支部から重装備をした警備隊員たちが現れ、僕を囲む。

警備隊員達は皆、上から出撃を命じられたのか、勝ち目がないことがわかっているのか、全員が泣きそうな顔をしている。

「おい!おめぇらよぉ!そんなに出動したくねぇなら、しなきゃいいだろ!馬鹿な上層部の判断に従って死ぬのと、ここから逃げて至高天クビになって生き延びるのと、おめぇらどっちが大事なんだよぉッ!自分の人生だろォッ?どうしてもっと自分に正直に生きないんだよぉッ!生きていられるなら、会社なんて首になっても全然問題ないだろ!社員の命と生活を大事にできない会社なんてみんな潰れちまえばいいんだよぉぉぉッ!」

警備隊員達は皆、互いに顔を見合わせ武器を捨てて、至高天北海道支部の建物から逃げていく。

僕は先程の言葉など、まるでなかったように至高天北海道支部から逃げていく警備隊員達を食い殺していく。

僕の行いは矛盾していることはわかっている。

でも、矛盾だらけのこの世界では、その矛盾を指摘した人間は狂人扱いされ同調圧力に屈するしかないのだ。

だから僕は自分で自分の矛盾を否定しない。

徹底的に矛盾し、徹底的に狂ってやる!

狂って何が悪い!

人が狂うのは世界が狂っているからだ!

「アチャシゴジャナギャブラビベブロデルガビボネガドルヒズミャミルギャゴゴネベブロデルガビェェェェェェェェッ!」

逆立ちをしたまま放たれる僕の意味不明な叫び声に対して野良ネコがみゃあと鳴く。

僕は野良ネコに向かって、人肉を咀嚼した際に口内に残った他人の歯を吐き出す。

僕の口から超高速で飛び出した、名前も知らない人間の歯が野良ネコの頭をつらぬく。

殺されたというのに野良ネコは両目を閉じてとても安らかな表情をしていた。

「お前は死んでしまったというのにどうしてそんな幸せそうな顔をしているんだ?」

僕は変神を解くと、全裸のまま、その辺の土を素手で掘って、野良ネコの死体を埋めてやった。

「あんた、人間にはあんなひどいことするのに、動物には優しいのね?」

日傘をさしたツインテールの美少女が全裸の僕に話しかけてくる。

「猫ちゃんが死んじゃったんですよね...誰がこんなひどいことをしたんですかね...」

「あんた、壊れてるわね」

「猫ちゃんが猫ちゃんが猫ちゃんが猫ちゃんが猫ちゃんが...」

「私の名はマクリ、銀装天使ガデルエルの操縦者よ。教祖様の命令によりあんたを始末しに来たわ」

「猫ちゃんが猫ちゃんが猫ちゃんが猫ちゃんが猫ちゃんが猫ちゃんが猫ちゃんが猫ちゃんが猫ちゃんが猫ちゃんが...」

「変神しないのなら、今すぐここで終りにしてあげるわ!出でよ!ガデルエル!」

マクリが日傘を畳んで天にかざすと、上空から閃光が地上に向かって放たれる。

放心状態の僕の目の前にマクリが操縦する銀装天使ガデルエルが立っている。

ガデルエルのハンマーが人間体の僕に向かって振り下ろされる。

「猫ちゃんが猫ちゃんが猫ちゃんが猫ちゃんが猫ちゃんが猫ちゃんが猫ちゃんが猫ちゃんが猫ちゃんが猫ちゃんは...殺されたのに幸せそうな顔をしていたのはなんでだろう?」

僕はガデルエルのハンマーを回避しながらマクリに問いかける。

「そりゃあ、こんな狂った世界に生まれたことを後悔しているからじゃないかしらッ!」

ガデルエルのハンマーがまた僕を襲ってくる。

「マクリちゃんもこの世界に生まれてきたことを後悔しているのかい?」

僕はマクリちゃんに問いかけながら、回避する。

「だったらなんなのよッ!」

ガデルエルのハンマーが角度を変えて僕に迫ってくる。

「じゃあ、僕がマクリちゃんを殺したらマクリちゃんはあの猫ちゃんみたいな幸せそうな顔を僕に見せてくれるのかな?」

「殺されるのはあんたのほうよ!それッ!」

「シンゴォォォォォォォォッ!」

全裸の僕ぼ筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆い、全身が巨大化する。

ガデルエルのハンマーが真っ二つになる。

至高天北海道支部に真断罪王Σと銀装天子ガデルエルが向かい立つ。

「ガデルエルハンマーを壊したからって勝ったと思ったら大間違いよ!」

「僕は死んじゃったマクリちゃんがどんな顔をするか見てみたいんだよね」

ガデルエルの背部に装備された両翼が分離して合体することで完成した大剣・ガデルエルセイバー。

真断罪王Σの全長をも超える大剣・ガデルエルセイバーを両手で握りしめた銀装天使ガデルエルが僕に向かって襲い掛かってくる。

僕はガデルエルセイバーを両手で白刃取りした状態でマクリちゃんに話しかける。

「僕は学生の頃さ、いつもいじめられてたのに、なにもやり返せなかった。いつも後になってから、あの時やり返せばよかったなって、とっても後悔するんだ...」

「あんた...私のこと挑発してるつもりなの?」

「でも、僕がきっとやりかえせば、きっと、取り返しのつかないことになる気がしたんだ。だって、いじめ加害者に僕がやり返して、いじめ加害者が僕のせいで大けがしたら、今度はぼくがいじめ加害者になってしまう。いじめ被害者が正当な理由で復讐すればいじめ被害者になってしまう。だから僕はずっといじめ被害者でいたかったのかもしれないね」

「余裕ぶっこいてじゃないわよ!ガデルエルセイバー!最大出力!」

ガデルエルセイバーが発光する。

「いじめ加害者に復讐せずに、いじめ被害者であり続ければ、先生達や親はぼくに同情してくれる。でも僕は自分がいじめ被害者であることを誰にも相談できなかったんだ、なぜだろうね?ほんとうになんでなんだろう?僕は今でもそれが悔しくて、夜眠れないことがあるんだ」

黄緑色の蛍光色に包まれたガデルエルセイバーを受け止めていた両掌が溶けていく。

両手を溶かされた真断罪王Σは胸部に異次元から出現させたザフィエルキャノンを振り下ろされるガデルエルセイバーに向かってゼロ距離射撃する。

ガデルエルセイバーはその輝きを失い、半分以上が溶けてしまっていた。

「今からアポリオンウェーブを使おうと思ってるんだけどさ、このさぁ、幻覚世界に無理矢理拉致するって能力、正直ずるくない?」

「だから!だからなんなのよぉッ!だから私はあんたに勝てない!あんたはそう言いたいわけ?なめんじゃないわよ!」

「でも使うよ、アポリオンウェーブ...とりあえず最大出力で」

真断罪王Σから放たれたアポリオンウェーブがガデルエルを包む。

僕はいつもの豆腐屋の作業場でマクリちゃんを押し倒して、黒いドレスに身を包んだマクリちゃんの顔を何度も殴る。

マクリちゃんは自分の死を悟ったのか、死んだような目をして何も抵抗しない。

「マクリちゃん、今度は僕を慰めてよ」

マクリちゃんは何も答えてくれない、まだこんなに暖かいのに。

「マクリちゃん、どうして僕を無視するのさ」

僕は顔面青あざだらけのマクリちゃんを抱きしめて、マクリちゃんに頬擦りをする。

「私も昔、お父さんによくされてたの」

「え?」

「私のお父さんは私をたくさん殴った後に、私に頬擦りしながら泣いて謝罪するの。だから私はお父さんが嫌いになれなかった」

「そっかぁ...そっかぁ...」

マクリちゃんの話を聞いた僕は泣きながらマクリちゃんの顔をまた殴り続ける。

マクリちゃんは何も抵抗しない。

僕はしばらくするとマクリちゃんに頬擦りをする。

それを何度も繰り返していると、当然のごとく、マクリちゃんの頬が冷たくなっていた。

死んじゃったマクリちゃんはあの野良ネコみたいに幸せそうな顔をしていた。

まるで生きている間に自分を縛り付けていた悪い思い出から解放されたように。

僕も死んでしまえば、学生時代に受けた、ひどいいじめについての記憶を無意識に思い出し、やり返せなかった自分を悔いる呪いから解放されるのだろうか。

僕はアポリオンウェーブを解除した。

現実世界に戻ってきた僕は機能を停止したガデルエルの操縦席からマクリちゃんを取り出す。

僕は変神を解いて、しばらくの間マクリちゃんの冷たい体を抱きしめていた。

僕の中の何かがマクリちゃんを食べろと脳に命令をしてくる。

僕は翌朝までその衝動に逆らいマクリちゃんの死体を抱きしめていた。

おかしな言い方かもしれないが、久々に感じる人の温もりに僕は涙を流し続けた。

マクリちゃんを食べてガデルエルの力を手に入れた僕はハルカを探すために歩き続ける、全裸のままで。

僕に安らぎはいつ訪れるのだろうか。

 

次回予告 第四十八話 真・断罪王Σ 対 銀装天使ヌカエル!自分達が若かったころの価値観を一方的に押し付けてくるやつらは財布が入ったままのズボンを洗濯してしまえ!

 




次回もお楽しみに

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