超地球救済戦記!真・ダンザイオーΩ〈オメガ>~戦争もやめねぇ!環境破壊もやめねぇ!バカで愚かな人類は身長170センチ以下で無職童貞ニートの俺が全員滅ぼす!~   作:かにグラタン

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第五十四話 断罪王Z 対 断罪王D〈ドミネート〉! いい歳したフリーターをバカにする、ろくにバイトもしない専業主婦は下水道の汚水でも飲んでろ!

第五十四話 断罪王Z 対 断罪王D〈ドミネート〉! いい歳したフリーターをバカにする、ろくにバイトもしない専業主婦は下水道の汚水でも飲んでろ!

妹を殺した俺は自宅に帰宅した。

自宅の周りの家は瓦礫の山と化していたが、どうやら俺の自宅は無事だったようだ。

まぁ、ちょっと前まで俺と妹をバカにしていたやつらの家が何件潰れようが俺には全く関係ないのだが。

そうだ、食品工場が爆破されたから夕食を買う金がないんだ。

今から雇ってくれる日雇いのバイトないかな。

俺はさっそく携帯電話で日雇いのバイトを探す。

しかし、まったく見つからない、普段なら簡単に見つかるはずなのに。

おそらく、各地で行われている断罪王同士の戦闘がこの国の経済にかなりのダメージを与えているせいかもしれない。

断罪王同士の戦闘で命を落とした犠牲者の数もかなりの人数がいるはずだ。

でも、それは単純に犠牲になった人々が己の暴力を鍛えていなかったのが悪いのだ。

暴力とは他者から自分の実を守る上で必要不可欠な力なのだ。

普段から自分に戦う力と勇気がないのを理由に暴力を否定し、大多数の価値観に依存し、考えるのをやめて、暴力を愛する人々を社会から排除しようとしている奴らに自分たちの身を守ることなんてできるわけがないのだ。

厳しい現実から、己を救うことができるのは暴力だけなのだ。

暴力は自分の身を守ると同時に自分の心を強くする。

力と力で行われる争いを平和という言葉で否定して人々が暴力を忘れれば、暴力を忘れた人々は理不尽な暴力から自分の身を守ることができなくなるのだ。

大自然を生きる地球生命体の中で唯一、人間だけが暴力を否定して生活している。

それは暴力が全てを決める厳しい現実を生きる大自然の動物や昆虫たちの方が人間より生きる力があるということだ。

頂点捕食者である人間が自然界の動物や昆虫に負けていいはずがない。

そう、やはりこの世界には暴力が必要なのだ。

バイトも見つからず、空腹感に耐え切れない俺は気晴らしに家を出る。

周りは瓦礫の山だらけである。

「あんた、断罪王なんでしょう?」

背後から女が話しかけてくる。

後ろを振り向くと、警備員の恰好をした髪の長いメガネをかけた美少女がいた。

美少女が俺の目を見る。

数秒後、俺の体が俺の意思とは関係なく、美少女に近づいていく。

「さっきの戦闘、見てたわよ、そしてあんたが変神を解くところもね」

「お前、俺に何をしたんだ?」

「とにかく私は今、とても怒っているのよ!さっきの断罪王同士の戦闘で、私が警備員として働いていたバイト先の建物が瓦礫の山になってしまったの!私はこれからどうやってご飯食べていけばいいのよ!」

美少女が俺に向かって激怒する。

「俺の質問に答えろ!」

「ああ、ごめんごめん、私は支配を司る断罪王、断罪王D〈ドミネート〉の操縦者、青井イシハよ!あんたの体の自由は私の断罪王D〈ドミネート〉の力で完全に支配させてもらったわ!」

「お前も、ナギサやザナ同様に変神しなくても、断罪王の能力を使えるというのか!」

「その通りよ、消費するエネルギーも支配する瞬間にしか消費されない、無敵の能力、それが断罪王D〈ドミネート〉の力よ!」

手にナイフを持ったイシハに向かって身体の自由を失った俺の体が近づいていく。

俺は目の前でイシハにナイフで刺されそうになっているにもかかわらず、身体の自由が奪われているので何の抵抗もできない。

先程の妹との戦闘でエネルギーをかなり消費した俺は今にも空腹で倒れそうだった。

気が付けば俺は気を失っていた。

しかし、俺の生存本能は状況を打破するために思考するのをやめていない。

地面に俺の頭がぶつかった感触、痛み。

おかしい、俺の体はイシハの支配下にあり、本来であれば、俺はイシハの手に持ったナイフに自ら突撃し、死亡するはずだった。

なのに、なぜ俺は頭部にアスファルトの感触を感じているのだ?

答えはただ一つ、俺が気絶したことでイシハの支配から一時的に解放されたからだ。

そして、俺が体に違和感を感じたのはイシハを目を合わせてからだ。

つまり、一時的に支配から解放され、両目を閉じている今ならイシハに反撃できる!

俺は両目を閉じた状態で素手でイシハに襲いかかる。

「こいつ!気絶した状態で攻撃してくる!もしかして、それがあんたの断罪王の能力なのか!」

「笑わせるな!俺が信じるのは断罪王の力ではなく自分自身の暴力だけだ!暴力による人間同士の戦いを繰り返し、暴力を極めれば、気絶からの強制覚醒も、両目を閉じたままでの戦闘も可能なのだ!断罪王の力に頼らなくても俺はお前をぶっ殺せるんだ!」

支配から解き放たれた俺が光速で放つ無数の拳と蹴りがイシハの全身に直撃する。

「朝も暴力!昼も暴力!夜も暴力!明日も...暴力‼」

俺は、もはや人の原形をとどめていないイシハの鼻頭にかぶりつき、咀嚼する。

「うん、味はいまいちだが、やはり肉には栄養があるな、力が沸いてくるぜ」

俺はイシハの頬を片手で掴んで話かける。

「断罪王変神の呪文を唱えろ!」

「え...?」

「シンゴォォォォォォォォって叫べよ!断罪王に変神して俺と暴力を楽しもうぜ!」

この男はイカれている、その言葉がイシハの脳内を埋め尽くす。

自ら作ったチャンスをドブに捨て、エネルギー補給ができたことに慢心し、命がけの再戦を挑んでくるこの男をイシハは理解できなかった。

断罪王D〈ドミネート〉に変神したところで、この男は両目を閉じた状態で戦闘が可能なのだ、つまり、能力の発動条件に気づいたこの男を断罪王D〈ドミネート〉の能力で支配することは、もう不可能なのだ。

単純な格闘戦ではケンカの経験がないイシハに勝ち目はない。

それでも、イシハは叫んだ。

「シンゴォォォォォォォォーッ!」

どうせ私は社会不適合者だ、それに両親のいない私にはもう帰る場所もない、たとえそれが敵に与えられた情けであったとしても、私はそのチャンスに賭けてみようと思った。

「おもしれぇぇぇぇぇぇッ!シンゴォォォォォォォォーッ!」

俺とイシハの衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆い、全身が巨大化する。

市街地に銀色のボディが特徴的な断罪王Zと、オレンジ色が特徴的な断罪王D〈ドミネート〉が向かう合う。

両目を閉じたままの断罪王Zが断罪王D〈ドミネート〉の全身に拳と蹴りを同時に何度も直撃させ、市街地に転倒させる。

断罪王D〈ドミネート〉は必死に両手足で反撃するが、両目を閉じているはずの断罪王Zにすべて回避される。。

両目を閉じたままの断罪王Zが断罪王D〈ドミネート〉の首にかぶりつく。

「うぐぅああああああああああああああああああああッ!」

「んんんんんんッ!うまぁいッ!断罪王の肉はうまいッ!力が...力がみなぎってくるぞぉぉぉぉぉぉぉぉッ!」

そうか、最初からこの男はこの先も続く戦闘に必要なエネルギーを巨大化した私を食べることで満たそうとしていたのか。

断罪王Zが断罪王D〈ドミネート〉の全身を食い尽くしていく。

暗闇に満ちた空が夜明け空に変わる頃、断罪王D〈ドミネート〉は断罪王Zの胃袋の中で完全に消化されていた。

変神を解いた、全裸の俺の目に朝日がまぶしい。

次の戦いのためのエネルギーの準備は整った。

バイトして食費を得ることよりも、人間を食ったほうが要領がいいこともわかった。

さぁ、次の暴力だァッ!次の暴力が俺を待ってるんだァッ!

俺はこの先の未来に待ち受ける暴力に心を躍らせながら、断罪王同士の戦闘で瓦礫の山と化した市街地を歩く、全裸のままで。

 

次回予告 第五十五話 断罪王Z 対 断罪王E〈エナジー〉!いい歳してアニメや漫画が好きな人間をバカにする、バイトもせずに家事しかしない専業主婦はぬか床に漬けたパイナップルに修正液をぶっかけて食え!




次回もお楽しみに

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