さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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ムキムキだけどガリガリ。



不健康

速さのためにギリギリまで体重を削り切っていた体は、引退した今となっても思うように太れない。

 

「太れって言われてるんだけどなあ」

 

身長から見た平均体重をそこそこ()下回っているのが最近の悩みである。

 

「食べてる、んだけど」

 

現役だった頃はカロリーバーとかサプリとかで済ませてたことがよくあったから。

ちゃんと食べても周りから見ればすごく少ない量なようで驚かれたものだ。

 

「……んむむ」

 

咀嚼して、飲み込んで。

 

「ご馳走様でした」

 

手を合わせて食後の挨拶をする。

食べ終わった食器は洗うことにする。

一人暮らしだと後回しにしがちだけど、こういうのは習慣づけておかないとね。

洗い物を済ませたら次は洗濯だ。

洗濯機を回している間、僕は日課であるトレーニングを始めることにした。

ランニングは早朝に終わらせてるから、腹筋やスクワットなどの筋トレを行う。

現役の頃より筋肉量が落ちているので。

 

「ふっ……はっ」

 

回数をこなすのではなく、ゆっくりと筋肉に負荷をかけるようにする。

無理なく、しかししっかりと。

 

「っ……」

 

汗が垂れてきたのでタオルで拭う、……と。

 

「あ」

 

洗濯機が終わった音が鳴ったのでトレーニングを中断した。

洗濯した服や下着類を干して、またトレーニングに戻る。

 

「はっ……ふっ……」

 

今度はストレッチだ。

 

「……っ」

 

昔ならもっとぐにゃあ〜と伸びたんだけど。

 

「……ふぅ」

 

汗が垂れてきたのでタオルで拭うことにする。

 

「ん」

 

………………。

…………とまあ、そんな具合に日課をこなしていく僕だったけれど。

……やっぱりあんまりお腹へらないんだよなあ。

 

「むぐむぐ」

 

もぐもぐと咀嚼して、飲み込んで。

 

「ご馳走様でした」

 

手を合わせて食後の挨拶をする。

トレーニングも終わったし、どこかふらっと散歩にでも行こうかとお外に出れば微妙に雨が降っていた。

 

「あちゃー」

 

それでもまぁいっかと歩いていたけれど、すぐに雨足が強く。

傘を持ってなかったので、僕はちょっとコンビニまで走ることにした。

途中、見知った顔とすれ違った気がしたけど、特に挨拶はしなかった。

そのままコンビニで傘を買って、仕方ない…帰宅する。

 

「ただいまー」

 

一人暮らしなので返事はないけれど、つい言ってしまうのは習慣というものだろう。

何か雑にご飯作るか〜と冷蔵庫を漁れば昼と夜、まあ何とかなる程度の食材が。

 

「いただきます」

 

自分が食べるからと目分量でざっとやったにしては美味しい。

もぐもぐとニュースを聞きながら食べつつ、この後何しようかなあと思いを巡らせるのであった。





僕:
シルバーバレット。
痩せ気味。
でも筋肉はあるので骨皮筋右衛門ではない。
けど華奢なのは華奢。
必要な筋肉以外は削ぎ落としてる感じ。
速さをただ突き詰めた体。
だから太れって言われてんのに…。
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