さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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勝ち組?



海老鯛、もしくは

カツラギ、ことカツラギエースは格好いい。

それがよく遊ぶからゆえの仲良しの贔屓目であっても、遊びに行くたびに周りの男女問わずから視線を受けているというのを、シルバーバレットは知っている。

快活であり、熱血なその姿は見ているだけで火傷しそう。

でも光に惹かれるのってこういう感じなんだろうなあと、ファンに対応するカツラギを見ては思うのも慣れたものだ。

 

「スマン、待たせた」

「いいよ、別に」

 

何とかあの群衆を捌き終えて戻ってきたカツラギは、「行こう」と僕の手を取った。

それとなく気配を消して先程のファン対応を見ていた身としては、そこかしこから聞こえてくる「シルバーバレットさんだ…!」みたいな声に『あんま目立ちたくなかったんだけど』と思わなくもない。

別にカツラギとの仲を疑われて困ることはないけれど、変に騒がれても面倒だ。

 

「この後はどうする?」

「んー……特に決めてないなあ」

「なら、一緒に回ろうぜ!」

「……いいけどさ」

 

そんな内心を隠して答えれば、カツラギは嬉しそうに笑った。

……この笑顔に弱いんだ、僕は。

 

 

自分が周りより一歩も二歩もリードしていることを、カツラギエースは知っていた。

シンボリ組は家のことなどなどからそう気軽に誘えないし、シービーはシービーで変に格好つけるから…。

その中で単純明快に誘うというだけで、自分がシルバーバレットにとって特別になれるのた。

 

「お、あれ美味そう」

「あ! ちょっとカツラギ!」

 

だからこうして一緒に歩くだけでも、十分楽しいのだ。

自分の行動でくるくると変わる表情に、内心ほくそ笑む。

 

「ほら」

「んむ……おいし」

 

屋台で買ったクレープを一口差し出せば、躊躇なく食いついてくるようになったのも可愛い。

自分も同じように食ってみれば、なるほど美味い。

 

「そろそろ帰るか?」

「そうだね」

 

帰ると言っても、帰るのはシルバーバレットの部屋だ。

元より抜け目なく外泊届を出しているし、泊まりのセットも既に置いてきているので問題はない。

 

「あ、そうだ」

「……ん?」

「ちょっと行きたいとこあるんだけど……いい?」

 

上目遣いで言われれば、断る理由もない。

カツラギは二つ返事で頷くと、シルバーバレットに導かれるまま夜の街へと繰り出した。

 

 

「うまい!」

「そりゃあよかった」

 

作った料理はみんな、カツラギの好物だ。

揚げ物から煮物から様々で、その全てが結構なスピードで消費されていくのにどこかスカッとする。

 

「喉、つまらせないようにね」

「むぐむぐ」





【世界制覇の大エース】:
カツラギエース。
意外としたたか。
自分の普段を考慮して、してもおかしくないことで攻めている。
結果、誘ったら二つ返事で「いいよ」って言われる関係性になっている模様。
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