さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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銀弾でいうところのシロガネ冠名みたいなもん。
でも全然知らねえ人が焼かれて繋いでるんだよなあ…。



肩身が狭い

その日、シルバーチャンプは肩身が狭そうに座っていた。

何故ならそこは貸切の、しかも高級ホテルの一室であるからである。

辺りを見回せば様々な料理が所狭しと並んでおり、会場にいる皆々が思い思いに食事を楽しんでいる。

 

「はぁ……、別にこんな場所じゃなくても……」

 

シルバーチャンプがそう呟くと、近くにいた影が声をかけてきた。

 

「どうも、お父さま。楽しんでらっしゃいますか?」

「あ、あぁ…うん」

 

その影の主はシルバーチャンプの息子であり、このパーティーの主催である【王冠】一族の長男坊。

そう、このパーティーの参加者はシルバーチャンプを除き、みな【王冠】一族の者たちばかりなのだ。

 

「お父さまのために用意しましたから。ぜひ、楽しんでくださいね」

「……ははは」

 

【王冠】の名を持つ子らは、皆、シルバーチャンプを慕ってくれる。

それはとてもありがたいことなのだが、シルバーチャンプにとっては複雑な気持ちだった。

 

「……なぁ、███」

「はい、なんですか?」

「……その、やっぱり俺は場違いなんじゃないか?こういうのはもっとこう……家族水入らずで、とか……」

 

シルバーチャンプのその言葉に【王冠】の当主は少し驚いた顔をすると、すぐに微笑んで言った。

 

「そんなことありません。お父さまは私たちの尊敬する人ですから」

「そ、そうか……?」

「はい!だから───そんなこと、言わないでくださいね?」

 

 

【王冠】一族の始まりは、ある人間がシルバーチャンプに魅せられたことで。

その魅せられた人間は世界各地津々浦々から良血の淑女たちを集めてはシルバーチャンプに"仕事"の依頼を出した。

シルバーチャンプ本人はこんな自分にはもったいないと恐れおののいていたが、その依頼をこなせばこなすほど、優秀な子どもたちと彼のためだけの淑女たちが増え。

そうしてできたのがこの【王冠】一族だった。

 

(俺なんかには、もったいない…)

 

まさしく自分だけの国とでもいうべきか。

聞く人が聞けば羨ましいと言われそうな環境だが、シルバーチャンプは素直に喜べないでいた。

 

「お父さま、どうかしましたか?」

「あ……あぁいや!なんでもないよ!」

 

慌てて取り繕うが、息子は何かを察したように微笑むと、そのまま他の子どもたちの輪へと戻っていく。

 

(……やっぱり俺は場違いだ)

 

そう改めて感じながら、シルバーチャンプは美味しいはずの料理にひとり、舌鼓を打つのだった。

 

 

「僕たちは、あなたがいたから生まれたのに」

「それを、ちっとも分かってないなんて」





【銀色の王者】:
シルバーチャンプ。
ひぃん。
何か知らないが自分のためだけのお嫁さんがいっぱいいて怯えてる。
しかもそんなお嫁さんたちの良血さに見合うように子どもたちがバカスカ海外遠征で勝ちまくったりしてるぅ!
なおお嫁さんたちはお仕事引退まで基本相手が【銀色の王者】なので、ね?
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