好き好き…。
「…なんか、パパのおじいちゃんへの愛、世界を経るごとに重くなってない?」
「いつものことじゃん」
そう話す彼ら彼女らの視線の先にいるのはもはや溶け合わんというようにべっっったりと抱き着いているグローリーゴアと苦笑して抱き着かれているサンデースクラッパだ。
彼らは今生も彼ら彼女らの父であり祖父になると毎度のことながらこうなっている。
サンデースクラッパの始まりであった『サンデースクラッパ』は競馬界に衝撃を与えた馬だった。
その戦績は9割がたが勝ち星だった競走馬であり、引退したあとも多くの優秀な子-その多くが牝馬を成したため、『名牝たちの父』とまで称された。
サンデースクラッパの産駒は牝馬が8割、牡馬が2割と牝馬の方が多いが牡馬も牡馬でちゃんと優秀であった。
…父であるサンデースクラッパと比べるとちょっと…というだけで。
それはそれとして、
「おじいちゃん、モテるのにねえ」
「パパが許すわけないでしょ」
「そうだね」
そのサンデースクラッパを始まりから愛し続けているのがグローリーゴアだ。
無敗の三冠馬であった自分を唯一負かし、それからも負かせ続けた彼にグローリーゴアはずっとずっとずうっと…それこそサンデースクラッパが亡くっても恋い焦がれていた。
その思いは生まれ変わった来世のグローリーゴアにも受け継がれ…。
そして今生でもそうなのだが……サンデースクラッパへの愛が重すぎるのだ。
「おじいちゃん、あんなパパで大丈夫?」
「まあ、大丈夫だよ」
「慣れてるからね」
「そうだね」
そんな会話を交わしながら彼らは『サンデースクラッパ』と『グローリーゴア』を優しく見守ったのだった…。
*
「キミのこと、手放してあげるはずだったんだけどなあ…」
そう言ってサンデースクラッパが呆れる相手は自分を強く抱きしめる一等大切な人-グローリーゴアで。
何度生まれ変わっても必ず、自分を見つけ出し、そして愛してくれる彼にサンデースクラッパは何度も何度も、諦めようとしては諦めきれないでいる。
(…僕よりも、もっと良い人がいると思うんだけど)
サンデースクラッパはそう思うが、グローリーゴアの自分への愛を疑っているわけではない。
ただ……自分のようなヤツよりももっと良い人はいるはずだとサンデースクラッパは思うのだ。
(でもまあ)
「困ったことに、キミのこと手放す気なんて欠片もないんだけれど」
グローリーゴアがサンデースクラッパに夢中なように、その逆もまた然りで。
「大好きだよ、グローリー」
ずうっと夢中。