さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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他人の空似。



『運命』じゃない

その日、グローリーゴアはとある少女に目を奪われた。

目を見張るような美しい芦毛の髪がたなびき、そうして彼女もグローリーゴアをしっかと見て…。

 

「あなたの『運命』は私ではありませんよ」

 

その日から彼女こと、ベストサンデーズに積極的に関わりに行くようになったグローリーゴア。

しかし当の彼女はそんなグローリーゴアの衝動を否定するばかり。

『グローリーさんも、分かってるでしょう?』と。

『私じゃ、あなたの運命にはなれない』と。

なら、

 

「その『運命』って…?」

 

たまらず問うと彼女は薄く微笑む。

 

「いずれ、会えますよ」

 

 

「おかーさん」

「こら」

「誰もいないからいーでしょ?」

「…はぁ」

 

自分に抱き着いてきた大きな牡バ-かつての愛息子にベストサンデーズはそっとため息をついた。

誰かに見られてしまえばひとたまりもないスキャンダラスな状態であるが当の本人は甘えているだけなのだ。

 

「ねぇ、おかーさん」

「……なんですか?」

「来るんだって」

 

その言葉にベストサンデーズはそっと息をのんだ。

 

「そう……」

「うん、だから……その、おとーさんと仲良くしてあげてよ」

「え……?」

 

予想外の言葉にベストサンデーズは思わず彼を見る。

彼はどこか気恥ずかしそうに頬をかいた。

 

「だって、おかーさんはおとーさんのこと大好きでしょ?でも、おかーさん遠慮しておとーさんに甘えられないじゃん」

「それは……」

「だから、おとーさんにちゃんと甘えてあげてよ。……ぼくも、おとーさんに甘えたいからさ」

 

 

「あれれ?どうしたの…?」

 

留学してからしばらく。

その土地で仲良くなった数少ない友人ふたりに抱き締められて、サンデースクラッパは目を白黒とさせる。

ひとりはサンデースクラッパと瓜二つ、まるでドッペルゲンガーの如くそっくりなベストサンデーズ。

もうひとりは大きな体格と美しい栗毛を持ったミスタードリームヒーローで…。

 

(ぎゅっ……)

「???」

 

何故か抱き締められている状況にサンデースクラッパは困惑する。

 

「あ、あの……?」

 

困惑しているのを分かっていながらもベストサンデーズとミスタードリームヒーローは彼を抱き締める力をさらに強めた。

 

「えへへ…だぁいすき」

「そ、そっか…」

「私も好きですよ」

「う、うん…」

 

こんなに好かれるようなこと、何もした覚えはないんだけどな…とサンデースクラッパは内心首を傾げる。

 

「…スー」

「あ、グローリー」

「……」

「……はいはい、グローリーもおいで」

 

そうして、ぎゅうと抱き締められた。





あなたが私を真に愛することはないことを、知っている。
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