さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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ぼくをみてよ。



その目は焼かれて

「いやだ!たすけて、せんぱい…」

 

その言葉を聞いて、スペシャルウィークは一瞬動きを止めた。

だがすぐに勢いを取り戻し、泣きじゃくるシルバーチャンプを組み伏せる。

 

「あぁ、そんなに泣かないで。目が腫れちゃうよ」

「やだ、やだぁ!」

 

逃げられない足がジタバタと地団駄を踏む。

スペシャルウィークよりも筋肉がなく、また小柄な体はいとも簡単に押さえつけられてしまった。

 

「ごめんね、でも仕方ないんだ」

 

そう言って彼はシルバーチャンプを縛り始める。

キツくはないが、一人では解けないだろう縛り方で。

 

「やめて、やめてよぉ…」

 

縛られ、動けなくなった体でシルバーチャンプがさめざめと泣く。

その軽い体をスペシャルウィークはよいしょと抱き上げて…。

 

 

「起きました?チャンプ」

「……」

 

あの日を境に、僕とチャンプは一緒に暮らし始めた。

初めはわあわあとうるさかったチャンプだけど、日が経つごとに落ち着いていって、今では大人しく一日中家の中で過ごしている。

 

「今日はなにしときたい?昨日新しい本も届いたし、ゲームもまだクリアしてないよね?」

「…なんでも」

 

僕は仕事があるけど、監視カメラがあるので仕事の合間にチャンプの様子をよく見ている。

いま使っている監視カメラは特注の、とても丈夫でマイクがついてるもの。

これでチャンプがなにをしてるのかよく分かるし、なにかあれば駆けつけることができる。

 

「じゃあゲームしててね」

 

そう言って僕はゲーム機をしまっていた場所から取り出した。

 

 

「チャンプ…」

 

どこで、間違ってしまったのだろう。

俺にはもったいないぐらい良き友人のひとり-スペシャルウィークが可笑しくなったのは突然のことだった。

誘われていった先で縛られ、攫われた。

初めは助けを求めて泣いていたが、そのたびに…されてしまうため、遂には諦めて。

だって、

 

「チャンプ、好きだよ」

 

そう、スペシャルウィークは俺に哀願するのだ。

『だから、好きと答えて』と。

それが、何とも可哀想で、拒絶できなかった。

 

「チャンプ、可愛い」

 

そう言ってスペシャルウィークは俺に触れる。

最初は遠慮した手つきだが俺が抵抗しないと見るや…。

 

「……っ!」

 

思わず顔を逸らすと、その隙に首筋を舐められる。

 

「や……」

 

そのまま深くなっていく触れ合いに……俺は恐怖で体を震わせた。

でも、

 

「ぼくのこと、好きでしょう?チャンプ」

「……うん」

 

愛してはいないけど。

 

(放っておけないんだ…)

 

スペシャルウィークを震える手で何とか抱き締める。

ごっそりと筋力が落ちた体はそれさえも億劫で。

 

「すき、だよ。おれも」





落っこちちゃった方とそれを哀れに思ってしまった方。
でも共依存に見えても『運命』の相手が迎えに来たが最後…ね?
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