ウマ娘世界線…だけど?
最近恋人ができた。
俺のファンだという一歳年下の奴で、プライベートの時に偶然出会ったのをキッカケにそこから親交を重ねて付き合うに至り。
男らしいというよりは可愛らしい系の顔立ちの奴なので普段から可愛がられてるんだろなって。
「先輩!」
「おー」
そんなことを考えていると息を切らしたソイツが俺に駆け寄ってくる。
「そんなに急がんでも」
「誰にもナンパされてませんか!?」
「…ンな奴いるわけねぇだろ、こんな男女に」
まだ約束の時間より時間あるってのに。
そこまで慌てて来るもんかね、と俺は苦笑する。
「も、もう……心配してるのに……」
「あ?」
「先輩は美人さんなんですから」
……ほーん、そんなこと言っちゃうか。
じゃあ俺に言い寄ってくる奴がいないって教えてやるよ。
「えーコホン」
と咳払いをして背筋を伸ばしてソイツと向き合う。
そんな俺の様子が珍しかったのか、ソイツはクエスチョンマークを頭に浮かべた表情だ。
そんな可愛い顔すんじゃねぇよ馬鹿野郎。
……ちゅ。
「はえ!?!?!?」
「だーっ!うるせぇええええええ!!!!」
「えっ??先輩、えっ????」
「お前の言った通りにナンパされに行ってやったよ」
「……あ、い……今、え……?」
「で?どうすんだ?…こんな美人に迫られて」
「あ……え……」
ソイツは何が起こったのか分からなかったのかきょろきょろと回りを見渡して。
それから俺の顔をそっと覗き込んだ。
……そんな困ったような顔すんじゃねぇよクソボケ。
こっちはとっくに覚悟できてんだからさ。
「……ま、いいんじゃねーの?よく分からねぇけど」
……もしかしなくても、もしかするんだから。
「……え?」
「いや、だからさ……別にいいってことだよ」
そう言ってソイツに肩を寄せる。
「!?」
それから耳元で小さく呟いた。
「…イケナイ関係になっちまうか?」
そんな俺の言葉を聞いたソイツは顔を赤くしながら、ゴクリと唾を飲む。
「…なんてな」
「え」
「いまの年齢でンな関係になれるわけないだろ」
「え、え……」
俺が離れるとソイツは「びっくりしたぁ……」と言いながら胸を撫で下ろす。
は?こいつ可愛いかよ。
……いや待て俺、そうじゃねぇっての。
「ほら」
と言って俺は手を差し出す。
するとソイツは不思議そうな顔をしながら俺の手を取るので、俺はその手をぎゅっと握って歩き出した。
「……先輩?」
「あ?」
「その……手……」
「……嫌なら離すぞ」
そんな俺の言葉を聞いたソイツはブンブンと首を振る。
「つ、繋ぎます、繋ぎますとも!!」
年上としてからかってる女の子と振り回されてる男の子…のはず?