さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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リクエストより『レースに興味が無い幼馴染(性別不問)が幼少期から居た事でクソボケじゃなくなった銀弾』の世界線の話です!

誰かシルバーバレット(ぼく)を『人間』として扱ってくれる誰かがいたら、よかったのかもね。


"カミサマ"になり損ねた人間の話

「お前ほんとクソボケ」

「酷くない?そこまで言われる覚え無いが???」

 

自分には幼なじみがいる。

周りの目を嫌に惹き付けるクソボケが。

その幼なじみの名はシルバーバレットという。

 

 

昔からシルバーバレットはひとりだった。

自分がコイツに気がつかなかったらどうなっていたのかと思うとゾッとする。

だってコイツは孤独であっても他人の目を集めすぎていた。

それでいて他人の想いに気が付かないまま突っ走って、また人の目を集める。

コイツのやることなすことに人々は目を、脳を焼き焦がされていた。

まぁシルバーバレットという存在が"ウマ"という、人前によく出る種族であったのもそれに拍車をかけたのだろうが。

 

「…友だちはできたか?」

「うん!」

「ちゃんと喋ってるか?」

「うん!」

 

でも、コイツは人々が思うほど立派なやつじゃない。

どこにでもいる普通の存在だ。

才能を見出され、トレセン学園に通うようになったコイツに、まず自分が言いつけたのは「人と話せ」ということだった。

黙っているコイツは妙に威容があるというか、存在感があるので誰も近寄らない。逆に崇拝しはじめる。

だからお前から周りに関わりにいけ、と言いつけた。

だって自分の知るシルバーバレット(幼なじみ)は走ることが大好きで、家族が大好きな、どこにでもいる人間なのだから。

 

そう言えばアレも大変だった。

昔のシルバーバレットは妙に自己肯定感が低かった。

「僕みたいなヤツなんかどこにでもいる」と口癖のように言うので、そう言うたびにシルバーバレットの家族とともに褒め殺した。

もちろん同じことをトレセン学園でもしているようで、それが繰り返させるごとに少しずつ、シルバーバレットの自己肯定感は育っていったようだ。

 

「あ、そう言えばまたレースに出るから見てね!」

「時間があったらな」

「…相変わらずレースに興味がないよね」

「ンなモン見なくてもオメーが勝つんだろ」

「それはそう」

 

トレセン学園に通うようになってコイツはずいぶんと変わった。

自己肯定感がなかったころは「…勝ったのは偶然だよ」なんて言ってコッチをイラつかせてたのに。

自信満々に笑ってみせる姿にこっちの方が好きだな、なんて思わなくもない、が。

 

「僕がさいきょーだからね!

ルドルフでもシービーでもなんぼのもんじゃいってことさ!」

「へーへー、気ィ抜きすぎないようにな〜」

「分かってるって!」

 

ニコニコと笑うシルバーバレットがトレセン学園へ戻るために電車へと乗り込む。

「またね!」と元気よく手を振るのに自分もひらひらと手を振り返すのだった。




僕:
"カミサマ"になり損ねた人間(ウマ)
生まれながらにして妙に人を惹き付ける何かがある。
ひとりでいい、孤独でいい…してたところを突如として現れた存在(のちの幼なじみ)に人のいる方へと引っ張られた。
たぶん"サラ系"とか何やらで人と関わるのを諦めて口を閉ざしてたんだと思う。
史実‪√‬とは違い、幼なじみと出会ったことによって人並みに笑ったり泣いたり怒ったりできるようになった。()()になった。

そのためシルバーバレットという『偶像』ではなく、シルバーバレットというひとりの『人間』になっている。

幼なじみ:
性別不詳。だがお前がMVP。ただの人間ではあるが"カミサマ"を地上に引きずり下ろした。
はじめから僕をシルバーバレットという『偶像』ではなく、シルバーバレットという『個人』として見ていた。
コイツがいなかったらシルバーバレットは『人間』になれなかった模様。
僕が強いことを知っているがレースに興味がないため、どうなろうと僕をシルバーバレットという名前の自分の幼なじみとして見続けてくれる存在。僕を"カミサマ"ではなく、『人間』として見続けてくれる存在。



マス太もこの幼なじみと近しいっちゃ近しいけど、マス太は僕に魅せられてしまったので僕を『人間』にしようとはしなかった。
マス太は逆にいずれ"カミサマ"となる存在(ぼく)が自分だけを見てくれることに愉悦してるフシがあるので、今回の話の幼なじみとマス太が出会ったらいろいろと()ヤバいことになる。
具体的に言うと、

シルバーバレットを神格化してる幼なじみ(ウマミミ)vsシルバーバレットをただの人間として見てる幼なじみ(ヒトミミ)vsまたしても何も知らないシルバーバレットさん、ファイッ!!

という感じになる可能性がある、大いにある。
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