さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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可愛がられてる。



うりうり

(実質百合だよなぁ)

 

そう【金色旅程】が見つめる先には後輩であるシルバーチャンプとその妻である女性たちがわちゃわちゃしている姿があって。

 

「え、ゃっ、可愛くない、俺可愛くないもん!」

 

可愛い可愛いと愛でられている様子はまさに姉たちに可愛がられるツンデレな妹のようで、助けを求めるように【金色旅程】に視線を向けては見るが、可愛い可愛いと頭を撫で回されての受け身。

 

「俺も今度撫でてみようかなぁ」

 

シルバーチャンプって確かにすごく強いが。

それ以上に可愛いんだよなぁと【金色旅程】も思うのだ。

 

「よし、来い」

「わ〜ん!」

 

でも流石に可哀想かと手を広げてやればまるでコアラのように飛びつくシルバーチャンプ。

 

「あらやだ可愛い」

「は〜い、こっちむいて〜」

 

パシャパシャとスマホで写真を撮る音にようやく【金色旅程】から離れるシルバーチャンプ。

そして満足そうにスマホを見る彼女たちにムゥっと頬を膨らましては不満顔。

そんな姿も微笑ましいのだろうけど。

 

「あ、そうだわ。ねぇねぇ【金色旅程】さん」

「なんだ?」

「チャンプのこと寝かせてあげて。最近寝付きが悪いみたいだから」

「あー、そうか。チャンプ、眠いのか?」

「眠くないです」

 

ムスッと頬を膨らましては首を振って否定してはいるが明らかに目がとろんとしているシルバーチャンプに困ったように彼女たちを見るが。

 

「よろしくね」

 

そう言ってぐいぐいと背を押されるものだから結局【金色旅程】はベッドに一緒に入ってそのまま寝かしつけてしまったのだった。

 

 

「よし、寝るぞ」

「…」

「ほら、抱きつけ」

 

トレセンにいた時もそうだった。

シルバーチャンプはひとりにしておくと深夜に飛び起きては眠れないままベッドの上でぼうっとしている。

だからこうやって抱き寄せて、背をとんとんと叩いてやればすぐに眠れるはずなのだが。

 

「……」

 

今回のシルバーチャンプはとんと寝付きが悪いらしい。

困ったなと【金色旅程】は思うのだ。

 

「眠くならないのか?」

「……はい」

「そうか……じゃあ子守唄でも歌ってやろうか?」

「……お願いします」

 

よしきたとばかりに歌い出す【金色旅程】だが、シルバーチャンプはそんな歌声を聴きながら視線を泳がせて落ち着かない。

どうしたどうしたと歌い終わったあと、シルバーチャンプを静かに見ていれば。

 

「…すみません」

 

そう言って、シルバーチャンプは【金色旅程】の胸元に耳を寄せると。

 

「…すぅ、すぅ…」

「…寝やがった。しかも心臓の音聞いて寝出すって赤ちゃんかよ」

 

でも満更でもない顔で、【金色旅程】は…。





そりゃあ、父母の見目を受け継いでるからなぁ…。
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