さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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主に…。



似た者親子

息子が祖国で生涯暮らすことになったのだという。

その土地で出会ったライバルに乞われてのことなのだと。

 

「え?お相手くん?良い人だったよ」

 

息子の兄であり俺の親友であるソイツはそう言っていたが…。

 

『やぁ、久しぶり』

「普通は件の息子がかけてくるもんじゃねぇのか」

『はは、まぁ良いじゃないか。元気そうで何よりだ』

「お前もな」

 

電話口で交わす会話はあの頃よりも平穏で。

 

「元気にやってんのか?」

『ああ、それなりにね』

「そうか」

『…………』

「…………」

 

しんと静まり返る空間。

何か言わなければと思うのだが、言葉が出てこない。

それは相手も同じようで……。

 

「……なぁ」

『ん?』

「お前さ、その……」

『うん』

「あー……いや、何でも」

 

そして思わず、小っ恥ずかしいことを言いかけた。

『俺のこと、どう思ってた?』なんて、そんなの…。

 

「まァ、お前がいるなら大丈夫だな。うん!」

『ちょっ、待っ、サンデー!?』

 

───ガチャン!

 

 

とはいえ、それからも。

 

「また電話かけてきたのか。暇か?」

『別に暇じゃあないけど…キミの声が聞きたくて』

「……う゛ぇ〜」

『あ、今ちょっと気持ち悪いと思ったろ?酷いなぁ』

「思ってねぇから」

『嘘つけ!』

「うるせぇな。切るぞ?」

『ああ!ごめんって!切らないでよ!?』

 

そんなやり取りがちょくちょくとあったり。

 

「おう。元気か」

『うん、おかげさまで』

「……なんか声遠くね?」

『あー……実はさ、僕いま日本にいるんだ』

「は?……え!?なんで!?」

『キミの子が「僕の帰省を兼ねて一緒に旅行どうですか?」ってさ。優しいね』

「そ」

『だからキミのところ行ってもいい?』

「なにが「だから」だ!?」

 

それから何やかんやあり。

 

『サンデー、可愛い…』

「うるせ…」

 

見事に酔っ払ったソイツに膝に乗せられたかと思えば、そのままウマ乗りになられて。

 

『ねぇサンデー』

「んだよ」

『僕ね、キミと出会えて良かったと思ってるよ』

「……そうかい」

 

そんな告白を聞かされたりもして……。

そうして俺とソイツは───。

 

 

「……あ゛ー……」

 

何とも気怠い朝だ。

いや、もう昼か?

時計を見ると11時を指している。

寝すぎたなこりゃあ……。

 

「おい、起きろって!」

『ふにゃ…』

「重いんだよテメェ、さっさと起きやがれ!」

 

何度かベチベチ叩いてようやっと起きたソイツを引きずり飯を摂る。

親友の残してったおかずがまだ残っててよかったぜ…。

 

「あ、そうだ」

『?』

「そういえばお前さ、いつ帰るんだ?」

 

そう聞くとソイツはキョトンとした顔をして。

 

『え?帰らないよ』

「……はぁ!?」

 

そんな爆弾発言をしてきやがったのだった。

 





感情重いのって、いいよね…。
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