僕はただの新人トレーナーです!
不慮の事故で両脚を失ってしまってはや数年。
おじいちゃんがツテで作ってくれたいろいろギミックがついてる爆速車椅子にも慣れたし、トレーナー試験にも合格することができた。
まあ元より走りたい気持ちはもうすっからかんだったので、つえ〜選手育てようぜ!っていう感じだから学園に拾ってもらえてラッキーって感じ。
「新人トレーナーのシルバーバレットです。よろしくね!」
というわけで新学期の式でそう挨拶したのだけど…。
あれ〜……?
めちゃくちゃ空気冷えきってるんだけどォ?
え?そんな変なこと言ったかなあ?
そうして、ヒエッヒエのまま式は終わり。
カラカラ〜と車椅子で移動して説明を受けて気づけば放課後。
聞けば模擬レースがあるというから喜び勇んで見に行けば。
『僕のトレーナーになってください!』
『いや私の』
『俺の』
「え、ええぇ…?」
模擬レースもまだ始まっていないのに、出走者の子たちや…出走者じゃない子たちにも囲まれた。
全員同時に話しかけられても困るよ!?
「ちょ、ちょっとストップ!やめてストップ!」
『なんだよ』
『邪魔しないでよ!』
『順番なら守ってるって!』
「僕まだ新人なんだよ!?」
『でもトレーナーでしょ?』
「そうだけど、そうじゃない!だからちょっと落ち着いて……」
「あの」
と、そんなときだった。
「お取り込み中すみません。少しいいですかね?」
「あ、は……はい」
なんか支配者みたいな子が来たな…と思ったら生徒会長さんらしい。
聞くにみんなが僕の元に集って時間になっても模擬レースが始まらないから注意しにきたらしい。
「すみません、ご迷惑をおかけしました……」
「いえ、お気になさらず。……ところで」
と彼女は言った。
「あなたは、どなたのトレーナーなのですか?見たところまだ担当は決まっていないように見えますが」
「え?」
キョトンとする僕に生徒会長は続ける。
「この学園のトレーナーになるには、まず担当バを1人以上持たねばなりません。そしてそれは理事長から正式に認められたものだけ」
「え、…そうなんですか?」
「えぇ」
「はえ〜」
そんなこと書いてたっけな?
まあ、トレセンは学生が多いし仕方ないのかな。
そうこうしていると生徒会長さんに誘われるがままに生徒会室に行くことになって…。
「どうです?私のトレーナーに…」
「え、えぇ…?」
と、誘われた。
「私は確かに三冠を狙える器でしょうが、それにはあなたの力が必要です。私なら……あなたに栄光をあげられますよ?」
「いや、あの……」
「まあ、まずは担当バの1人目として……」
「ちょ、ちょっと!」
と、僕は慌てて止めた。
「僕まだ新人だから!キミみたいな優秀な子のトレーナーになんてなれないから!!」
「は ?」
大変な新人トレーナーさんだね…(あらぬ方を見る目)。