さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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目移りは許さない。



僕のモノ

家系なのか何なのか、昔から変なものが見えた。

いわゆる人の悪意とかそういったモンで、大概の人がそういうのをまとわりつけてる。

ので、

 

「どうしたの?」

「いや、ちょっとゴミがついてたみたいだから」

 

それとなく払う。

人の悪意ってのは目立つ人であればあるほどまとわりついているもので、それは目の前にいるグローリーゴアもご多分にもれずだ。

学校じゃ一番人気の優等生だが、その本性は人嫌いのうえ苛烈にして残虐。

プラスしてプライベートな弱味を見せたがらない。

(外面は)まさに完璧。

どこに出しても恥ずかしくないお嬢様である。

 

「そう。なら、いいのだけど」

 

言葉すくなに彼女は納得してくれた。

……のだが、今日のグローリーゴアはどこかおかしい。

いつもだったら、自分を差し置いて目立ちすぎだとか、チヤホヤされて調子に乗ってるとかいって突っかかってくるのに。

いやもう突っかかってくるなんて表現じゃ温すぎるか。

他生徒と話しているのを見られたが最後、…おお怖い怖い。

 

「それで?今日のご飯は」

「いつも通りに普通だよ〜」

「…そう」

 

ギチィ…と手を握られる。

アッちょっと痛い…と思うけれど、そんなこと言ったら最後何されるか分からないので黙ってる。

グローリーゴアはどうも自分を縛りたいらしく、「僕以外の人間とあまり話さないで」とか、「僕以外の人間と関わらないで」とか、 ……まあ色々言ってくるのだ。

でも、そんな生活も悪くないな〜と自分は思うわけでして。

 

「あ、そうだ。今日さ、また新しいゲーム買ったんだ〜一緒にやらない?」

「……そう」

「うん!だから今日は早く帰ろうね!」

「……うん」

 

 

あの子が、自分以外と笑っているのを見ると何故かひどくイラついた。

なら見なければいいのに、気づけば目で追ってしまっていて。

……あの子が、自分以外と楽しそうにしているのを見ると何故かひどくムカついた。

だから、あの子が、僕以外と楽しそうに話しているのを見ると、

 

『ゆ、ゆるして、ごめんなさい…!』

 

つい、その相手を潰してしまいたくなる。

 

 

「あ、あの……グローリーゴアさん?」

「……何?」

 

今日も今日とてゲームに勤しもう!と思って部屋に入ったらこれだ。

何故か彼女は僕のベッドに座っていて、家主である僕は床に座らされているという何とも奇妙な状況。

 

「あ、あの……ゲーム……」

「……ゲーム?」

「い、いや!なんでもない!」

「……そう」

 

……おかしい。

絶対におかしい。

だって、いつもなら彼女は僕のベッドに座ったりしないし、ましてや僕にこんなぞんざいな扱いをしない。

 

「あ、あの……グローリーゴアさん?」

「……」

「えと、何か僕したかな?もしそうなら言ってほしいんだけど」

「……」

 

彼女は何も言わないでただ…。





独占欲つっよ…。
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