さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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ふたりきり。



出し抜いて

「おはようカツラギ」

「ん、おはよ」

 

その日、シルバーバレットとカツラギエースは遊びに来ていた。

待ち合わせ場所に集まって、人が集まる前にさっさと移動する。

とはいえ身長差もあるので手を繋いでの移動ではあるが。

 

「どこでもいいのか?」

「うん。行きたいところ好きに行こうよ」

「そうか。なら……やっぱここだな」

「良いね、そうしよう」

 

ふたりの目的地はゲームセンター。

中に入ってすぐにクレーンゲームのエリアに足を向ける。

 

「シルバー、どれが取りたいんだ?」

「ん~、これ!」

 

そう言ってシルバーバレットが指差したのは大きなウマ娘のぬいぐるみ、しかもカツラギエースのぬいぐるみだ。

 

「……でかすぎないか? 持ち帰れるのか?」

「大丈夫大丈夫! あ、でもお金足りるかな……」

 

そう言いながら財布を開くシルバーバレット。

中身を確認して、難しい顔をする。

 

「シルバー?」

「うん……足りるには足りるけどちょっと厳しいかも……」

「……足りなかったら出すよ」

「いいの?」

「あぁ」

「……ありがとうっ!」

 

コインをクレーンゲームにセットするシルバーバレット。

それからカラカラとコインを突っ込み…。

 

「やったあ取れた!」

「よかったな」

 

ぎゅううと抱きしめる姿にはさておき、この大きさは…。

 

「帰るか」

「え」

「このぬいぐるみの大きさじゃな」

「そ、っか。うん、よく見たらそうだよね」

 

それから大きいぬいぐるみを抱きかかえてシルバーバレットの家に戻り。

 

「僕の家でよかったの?」

「大丈夫。書類も全部出してきたから」

「……そっか。なら大丈夫だね」

 

それからベッドで仲良く並んでゲームをしたり、一緒に本を読んだり、勉強したりしたふたりだった。

カツラギエースはシルバーバレットの髪を梳いてやり、シルバーバレットはカツラギエースに体を寄せて頭をぐりぐりと押し付ける。

それから夜食を取ってだらだらとしていると……。

 

「…なァ、シルバー」

「なぁに?」

「……よかったのか?」

「なにが?」

()みたいなヤツ、ホイホイ家の中に入れて」

 

じぃと覗き込まれる。

その目は逆光もあって見えない。

 

「いいの。だってカツラギ、僕が嫌いになるようなことはしないでしょ?」

「さぁ、な」

「でもずっとやさしくしてくれるし。だからいいの」

 

そう言ってシルバーバレットはカツラギエースに抱き着くと目を閉じて眠り始める。

 

「……今日、楽しかったよ……おやすみ……」

「……あぁ」

 

額に口づけを落とすとカツラギエースも瞼を閉じたのだった。





ウマソウルが見えてるような…?
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