さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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お互いしか知らないこと。



意外とね

俺も大概だがアイツは俺以上に無頓着で。

 

「やっほ、サンデー」

 

外行きは何とかまだマシだが家着が…。

よれんよれんの着てても気にした風はないし、「まだ着れるから」と平気で洗濯機にぶち込む。

飯は自分だけが食う時は適当な物しか作らないし掃除も気が向いた時しかしない。

この部屋を見ても分かるように色々と執着がないんだ、コイツには。

俺と暮らし始めたのも「いいよ、サンデーなら安心だし」の一言だったしな。

何で俺の人生コイツと付き合ってるんだ?って落ち込みそうになったこともあったが先に落っこちちまったのはこちらの方だ。

何せまだ続いている。

一度決めたことは覆さない。

絶対にな。

だから俺はコイツの側にいる。

 

「お~、サンデーだ。おかえり〜」

 

俺の姿を認めると、ふにゃりと笑い手を上げながらこちらに寄ってくる。

その姿を見て思わず笑みが零れる。

 

「おう」

「何?何かいいことでもあった?」

 

俺の表情から何か読み取ったのか、そう尋ねてくる。

 

「別に」

 

素っ気なく返すが内心は大暴れ。

なにせ前々からコイツが珍しく食いたいと言っていたスイーツを買ってこれたのだ。

それにはマックちゃんという秘密兵器を使ったが、全くバレずにこれた。

 

「嘘でしょ?絶対何かいいことあったって」

 

俺の返答に不服だったのか唇を尖らせてそう返すと、

 

「まあ、いいや。せっかくだし食べよ?何がくるか楽しみだけど温かいご飯ちゃんが待ってるから」

 

そう言って俺を促す。

何とも単純なヤツだ。

だがそれがコイツの美徳でもあるんだがな。

 

「あ、手は洗った?」

 

そんなコイツを俺は好ましく思っている。

 

 

サンデーサイレンスが意外とマメだと知ったのは二人暮しを始めてあまり時間が経っていない頃。

 

「買ってきたぞ」

「え?」

「?無いって困ってただろ」

 

それととても気が利く。

本人は「この程度気にすんな」とぶっきらぼうに言うが、そう言うところが好きだ。

何がなくて困っているのか伝えていなかったのに覚えてくれていて。

それに「言葉だけで良く分かったね」と言うと彼は理由を教えてくれた。

曰く、僕が料理を作っているのをいつも見てるからと教えてくれたが恐らく彼の普段の賜物だろう。

そして何より手がとても優しい。

多分それは無意識なのだろうけれど、僕に何かする時は壊れ物を扱うようにしてくれる。

そんな彼の一面が僕は好きだ。

 

「ありがとね」

「別に。いつも飯作ってもらってる礼だよ」

 

そう言ってサンデーサイレンスはそっぽを向くが、その頬は少し赤らんでいる。

照れているんだとすぐに分かった。

そういう彼の側にいるのが好きで、僕は彼と暮らしてる。

 





今日も仲良く暮らしてます。
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