とある世界線。
白峰
本来なら父親であるあの人が
「…」
やさしく伸ばされた手に従った。
とはいえ、養父-白峰透は色々と共同生活に向いていない…に加え、仕事が仕事だったため。
「…」
此処は白峰透と縁深い牧場。
この牧場で
さて、ここでターニングポイントがひとつ。
『こんなところでなにしてるんだい?お坊ちゃん』
「!?」
振り返ったそこにいたのは小柄な馬で。
まさかとパチクリ瞬きをするものの、続けてかけられる『親御さんは?』との言葉に、「え、う…」と。
思わず生返事を返すと馬は『わあ』と言いながらも面白そうに笑う。
『はぐれたの?』
「ち、ちが…。今日から、ここで暮らす…」
『え?じゃァあっちに送った方がいいかなあ?』
「……」
ちらりと違う方向を見たその馬に
…なにせ
どれだけ懇願するように話しかけられても
だから、
「……」
『え、なに?どうしたの?』
『……へえ』
「?」
馬は
『……ふうん、そうかい』
「?」
『ここで会ったのも縁だろうし…。せっかくだしおじさんに乗ってみるかい?』
*
その日から、
本当はちゃんと名前があるらしいが
その話を聞いて馬-『父さん』は笑った。
『そりゃ光栄だね〜』
『……ねえ』
「?」
ある日のこと。
『騎手くんは元気?』
「騎手くん…?」
『あ、いや、分からないならいいんだよ』
白峰おじさんが遠縁の子を引き取った世界線。
なおその子は血から来る奇跡の御業的な感じで馬と意思疎通ができるんだ。
…その分普通の人間からは排斥されちゃうんですが。
それはそれとして、日々暇さえあれば『父さん』や『父さん』の子どもたちの背に乗せてもらって英才教育されるんだよね。
…実質産駒って、コト?