さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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冬ぐらいの話。



今日もラブラブ

俺の妻は可愛い。

気性は少し荒いところもあるがそれも愛嬌ってモノで。

 

「リリィ」

「ん」

 

チュッとキスすれば呆れたようにキスが返ってくる。

それに気を良くして続けてキスを落とせば、「調子乗り過ぎだ」と引き剥がされた。

 

「ケチ」

「うっさい」

 

カラカラと笑いながら俺は妻に抱きつく。

言葉では「やめろ」と言いつつもその実満更でもない顔をするのだからたまらない。

 

「ホント…可愛いなあ俺の妻は」

「かわ…っ!?……当然だろうがボケが!」

「あだっ」

 

照れ隠しの平手(威力低め)が飛んできた。

昔から生まれ持った体格と性格もあり、男女と言われてきた妻はこういった褒め言葉にいつも照れる。

毎日毎日言っている言葉なのだけど慣れてくれないあたり、本当に可愛いと思う。

 

「ほら、そろそろご飯作るから離せ」

「えー」

「えーじゃない。包丁持ってたら危ないだろ?」

 

妻はそう言って俺を引き剥がそうと俺の襟を引っ張る。

やめろー!とふざけて言いながらそれでも引き剥がされまいと踏ん張っていれば……。

 

「……ごふぅっ!?」

 

肘が俺の脇腹にクリーンヒットした。

キリキリ痛む脇腹を押さえてその場に蹲る。

「……お前が悪いんだからな!」と言い残しながら去っていくもチラチラっとこちらを伺っているのに気付き、心配なら素直にそう言えばいいのになんて思う。

 

「じゃあな、行ってくる」

「おう、怪我するなよー」

 

仕方ない。

これでこのまま着いていけば本気でドヤされる。

そのことを知っている俺はしぶしぶ居間の方へと足を進める。

 

「あ、父さん」

「よぉチビ。横いいか?」

「うん!」

 

居間につくと長男坊がコタツでぬくぬくしていた。

普段ならトレーニングしてるはずなのに珍しいこともあるもんだと頭の隅で考えたが「お父さん」と甘えてくる長男坊にすぐその思考を消す。

 

「おう、どうした」

「お父さんのこと独り占め〜」

「ぐっ!」

 

そういいながら長男は頭を俺の腹に押し付けてくる。

よほど寂しかったのか、「えへへー」といいながら背中に手を回して抱きついてきた。

……可愛い。

 

「父さん、頭撫でて?」

「ん?いいぞ」

 

そう言って頭を撫でてやれば気持ちよさそうに目を細める長男坊に思わず笑みがこぼれた。

……可愛い。

 

「……お父さん、僕のこと好き?」

「当たり前だろ?お前は俺の自慢の息子だぞ?」

 

そういいながらまた撫でていれば。

 

「メシだ」

「う゛っ」

 

賢い長男坊はすぐに立ち上がると机を拭いたり色々と運び始める。

 

「おら、お前も行け」

「…うっす」





結構暇さえあればくっついてそ…。
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