たぶん故郷で…うん。
我が子や孫も大きくなり、世界一周することにした。
血縁が昔から何やかんやとしていたので世界一周も案外楽にできている…のだけど。
「え、ええと」
「おはよウ」
「おはよう、ヘイロー…?」
ある時縁あって出会った彼-ヘイローにめちゃくちゃ懐かれた。
特に懐かれるようなこと何もしてないのになあと思いながらも、セーフハウスでもはや同棲に近い仲になっているので今更か、と口にはせずにいた。
「今日ハ何するノ?」
「今日は……そうだなあ」
「ボク、バックのすることなら何でもいイ!」
「うーん……とりあえず朝ごはんにしよっか」
「分カっタ!手伝ウ!」
「ありがとう、ヘイロー。でもその前に着替えてきて?」
「分かっタ!すぐ行ク!!」
そう言って彼は寝室へと駆けていく。
その背中を見送りながら簡単に朝食を作り、更に数十分経ったあと。
「バック……!」
「ふふ、そんな急がなくても朝ごはんは逃げないよ?」
目をキラキラさせたヘイローに可愛いなあと頭を撫でるとスリスリしてきて。
まるで犬だったら尻尾があったらちぎれんばかりに振っていそうな彼に思わず笑みが溢れてしまう。
そんな彼はぼくの言葉にも耳を貸さず、ぼくに抱きついてきた。
「……どうしたの?」
「……バックの匂イ」
「え?臭い?」
「違ウ!……安心すル……」
そう言って彼はぼくの胸に顔を埋めた。
安心?ぼくの匂いで……?
「……ぼくって臭うのかなあ」
「ちがウ!臭イんじゃない!……落ち着くノ!」
「落ち着く……?」
「……ウン」
ヘイローはバツが悪そうにそっぽを向くけど、すぐにまた抱きついてきた。
「……ボク、バックがそばにいないと悲しいカら……」
「……うん」
「だからこうやって……バックのニオイ嗅ぐノ。そしたら安心すル」
ぼくより身長が高いヘイローはぼくの首元に鼻を寄せると、すぅと息を吸った。
その行為が何だかくすぐったいけど嫌じゃない自分がいる。
「……そうだね」
「バック?」
「ぼくもヘイローの匂い嗅ぐと落ち着くな」
ぼくもヘイローの首元に顔を埋める。
彼ほど鼻が利くわけじゃ無いからなんとなくとしか言いようがないのだけど……確かに、安心するかも。
「……ボク、臭イ?」
「ううん、そんなこと無いよ」
安心とかよく分からないけど多分それは彼だからなのだろうなと思う。
「大好きだよ、ヘイロー」
「…うン!」
無邪気な顔で笑う彼にぼくも釣られて笑ったのだった。
「あ、あの……ヘイロー?」
「ンー?」
「その、これは一体……」
「……バックのニオイ嗅いでル」
「いやそれは分かるんだけど……」
今ぼくは何故かヘイローに押し倒されている。
いや本当になんで……?と疑問に思っていると、彼はぼくの首筋に顔を埋めた。
「……っ!」
彼の息が首筋にあたる。
それだけなのに思わず反応してしまう自分がいる。
そんなぼくを見て彼は薄く笑うと。
「可愛いネ、バック」
やべ〜ヤツ吸引器定期。