さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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似たもの同士。



化け物同士

何度か生きて死んで生まれ変わってを経験した結果、自身が人でなしだと自覚した。

なぜ皆が笑うのか、怒るのか、やっぱりあまり理解できず。

好意を寄せられてもその想いに答えることができなかった。

 

「好きだ」

 

けれどそれでも。

今生も僕を見つけ出したキミはそう言う。

人でなしを、好きだと言う。

 

「キミは……。本当に、バカだなあ……」

「うん。知ってる」

「僕は、人でなしなんだよ?」

「うん。でも、好きだ」

 

ああもう。

…本当に、バカだ。

「……僕も、好きだよ」

 

だからそう返すと、彼は嬉しそうに微笑んだ。

 

 

きっと、あの子は必死に人のフリをしようとしているバケモノで。

自身が決して人にはなれないと知りながらそれでもと足掻く姿は哀れで可愛くて。

そんなものにはなれやしないくせに、それでも懸命に人間であろうとするあの子が、僕は好きだった。

 

「キミは、本当にバカだなあ……」

「うん。知ってる」

「僕は、人でなしなんだよ?」

「うん。でも、好きだ」

 

ああ、もう。

本当に、バカだ。

バケモノのくせに、人間になんてなれはしないくせに、それでもと必死に人間であろうとするキミのことが僕は好きで。

どうせ自分たちは鏡写しのようにそっくりなのだから。

 

「キミのことが好きだよ」

 

だからそう返すと、あの子は泣きそうに笑った。

僕らふたりバケモノだから。

バケモノのくせに人間であろうとするあの子が、人間のフリをして生きる僕には愛しくて。

けれどきっとそれは隠し通さなきゃいけないから、せめてもとあの子に好きだと伝える。

 

「俺はね、キミのことが大好きなんだ」

「うん。知ってるよ」

 

何度も何度も繰り返す。

あの子が人間になろうと生きるなら、僕もまた人間のフリをして。

そうして。

 

 

「…グローリー」

「なぁに?」

 

何だか、回数が進むごとに彼の愛が増していっている気がする。

それとなく、僕に気づかれないようにやっているらしいけど、ここまで他人が寄ってこないことを考えると、はてはて何をしたのやら。

 

「キミは、僕だけ見てればいいんだよ」

「…さいで」

 

うっそりとキミが笑う。

僕を腕の中に閉じ込めて、僕だけを見て。

……ああ、もう。

本当にキミは、バカだなあ。

 

「キミは、本当にバカだなあ」

「うん。知ってる」

 

そう呟くと、彼は嬉しそうに微笑んだ。

 

「同じバカ同士、仲良くやろうね」

「バカなのはグローリーだけだもん」

「……」

「あっ、ごめんうそうそ、嘘だって」

「…かわいい」

「えっ?どこに刺さったの?」

「スーはいつも可愛いよ」

「……そ」





ふたりで今日も生きていく。
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