さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

1109 / 1416

今日もウジウジ。



気後れ

俺の同期はキラキラしすぎていた。

いわゆる才能がめちゃくちゃあったってやつだ。

のちに「黄金世代」と呼ばれたのもさもありなんってくらいには才能がありまくってた。

そんなヤツらと較べて俺は才能なんかなく、あるのは親族や親からくる七光り的な人気だけで。

 

「……」

 

ぼうっとする。

こういうの考えると気分が沈むので、先輩にはあまり考えるなと常々言われるがもうそういう性分なのだから仕方がないというか。

まあ今回においては……同窓会の招待状が届いたため思い出さざるをえなかったともいうが。

 

「欠席だな」

 

毎年毎年よくもまあ飽きないことで。

先輩の世代なんか二、三年前ぐらいに一回ってところじゃなかったか。

いや確かに自分たちの世代は仲がよかったけれど。

それでも、出席率八割とか。

流石はあの世代か。

 

「……」

 

会いたい気持ちも二割ぐらいないわけでは…いや三割くらいかな。

それにもし出れるとしてもあまり気が進まない。

いや別にそういうのが嫌いというわけではないのだが……なんというか、同期のヤツら相手に昔の話をするのかと思うと黒歴史を掘り返されるようで。

それ以外にも…俺が行ってもシラケるだけだろうと。

だってあいつらは俺にないものを持っていて。

だから俺が行ったって場違いも甚だしいというか……。

 

「……」

 

いやでも、考えてみろよ?

同期だから招待状送ってくれてるだけで実は来て欲しくないって思われてたらどうする?

 

「……」

 

そう思うといても立ってもいられないというか。

なんだかんだで嫌われたくないって思ってるあたり、ほんと俺って変わらない。

いやでもあいつらはそういうヤツらじゃないし。

いや、でも……。

 

「……よし」

 

まあ、うん、ちょっと顔出してみるだけ出してみようかな。

それでなんかシラケてたらすぐ帰れば…。

 

「その日、俺たちと旅行だろ」

「あぇ?」

「それに行きたくもないのに無理に参加する方が迷惑だろ」

 

どかっと俺の横に座った先輩が忘れてた予定を口にしてくれる。

あぁ…そういえばそうだった。

あの子たちのために旅行に行くことにしてたんだった。

大きいプールがあって、食事はバイキングな大きなホテルに。

 

「……」

「そ、そんな拗ねないでください…。忘れたのはこっちが悪かったですけど…」

「……」

「わ、わかりましたよ!先輩の好きなおかずにしますから!!」

 

じとりと睨みつけてくる先輩。

いやその目はズルいっていうか破壊力抜群といいますか……。

俺はまんまとやられてしまい、仕方なく……まあ、うん。

このあと食事後にめちゃくちゃ旅行の準備しましたよね。

荷物があればもう忘れないだろうって…。





確信犯かもね。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。