お互い様。
目を覚ますと今日も同じ部屋。
窓もない、コンクリートで作られただけの部屋。
「…」
可愛い我が子たちに閉じ込められてもう何日目だろう。
テレビも何もない部屋だから、時間が止まっているように感じる。
「はぁ」
持ってこられたご飯は、今日も美味しいのだろうけど。
味らしい味が、ストレスか何かなのだろうか、あまりしないので。
「お父さん、大丈夫?」
「うん、大丈夫」
「でも、最近元気ないよ?」
「そう……かな?」
「……うん」
……僕で良かった?
この子たちを引き取ったのが僕以外だったら、きっともっと幸せだっただろうに。
……ああ。
僕はまた自分のことしか考えてないや……。
「ねえ、みんなはさ……僕が死んだら嬉しい?」
「…………え?」
「お、お父さん死なないよね?」
「……わかんない」
……でも。
きっと、僕はこの子たちといる限り死ねないだろうなぁ……。
だって僕が死んだらこの子たちはみんな一人になってしまうもの……。
でももし、この子たちが僕と一緒に心中したいっていうなら……まぁそれも悪くはないかな?
いや、全くもって良くないんだけどね?
だけどそれしか方法がないのならそうするしかないし……。
まあでもそれは最終手段ということで。
「ね、ねえ!お父さんは私たちと一緒にいて幸せだよね!?」
「うん…」
必死な我が子に嘘をつく。
幸せなんて、もう分からないや。
「お父さんが幸せなら私も幸せだよ!」
「……そっか」
もし、この子たちがここから出してくれたとしても。
「……ごめんね」
「どうして謝るの?」
「ううん……」
もう……どうでもよくなった。
*
「ねえ……本当にやるの?」
「お前だって、同じ気持ちだろうに」
睨みつける視線に、少女は一歩後退する。
「そ、そう……だけどさ」
「じゃあ迷う必要はないだろう?さっさとしろ」
苛ついた様子で兄はスタスタと歩いていく。
「ほら」
「……っ」
そう言われた瞬間、彼女の体が震え出す。
「や、やっぱり……無理だよ……」
そして、震える声でそう呟くと逃げようとしたが。
「お前が、要なんだよ」
いつも優しく、そして尊敬する兄に。
真剣に、そう頼まれて。
「お兄ちゃん……」
彼女は涙を流した。
*
「お父さん」
そう呼ばれ、振り向く。
……この子たちは、まだ僕を父だと認めてくれているのだろうか。
「ん?どうしたの?」
「えっとね……その……」
もじもじする様子に首を傾げると。
「……お父さんのことが大好き!」
そんな、ストレートな告白をされたので。
「……うん」
僕は思わず泣きそうになってしまった。
ネガる銀弾定期。