さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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幸福な家庭。



穏やかなる

「おはよう」

 

そう言って、自分を起こしに来た子&孫たちにひとりひとりキスを落とすと『キャーっ』と嬉しげに三々五々に散ったり僕の手を引いたり。

 

「おはよう、グローリー」

「ん」

 

リビングへ行くと同居人であるグローリーゴアがコーヒーを飲んでいたのでちょうどいいと「おはよう」とキスをする。

 

「おはよう」

 

へにょ…と笑う姿は昔も今も変わらない。

でも、これから朝食の準備があるというのに、その格好はどうかと思うよ。

 

「グローリー」

「ん?」

「僕らしかいないからってシャツぐらい着ようよ」

「え?……あぁ……忘れてた……」

 

いそいそと寝室へ消えていくグローリーゴアを後目に、僕は子どもたちを引き連れてキッチンに行く。

危ないから近くにいちゃダメだよと言えばちゃんと言うことを聞いてくれるのはいいが、絶妙な位置で「まだかな〜…」と待っている姿を見るとどうにもこうにも……。

 

「はい、お待たせ」

「わーい!」

「いただきまーす!!」

 

今日の朝食はフレンチトーストとベーコンエッグにサラダとヨーグルト。

子どもたちにはフレンチトーストを1枚ずつ、大人には2人前分を盛り付けてテーブルに並べる。

 

「いただきます」

『いただきます!』

 

僕の声に合わせて手を合わせて言うのが可愛い。

 

「ん〜!おいしー!」

「おいしいね!」

 

口の周りにいっぱいつけて食べる姿は見ていて微笑ましい。

 

「ほら、口の周りにいっぱいついてるよ」

「ん〜」

 

そう言ってグローリーゴアが指で拭って舐めれば恥ずかしげにする姿も可愛らしい。

 

「ごちそうさまでした!」

 

あっという間に食べ終わる子どもたちは食器をシンクへ持っていくと、そのままリビングのテレビの前で遊び始める。

僕はそんな子どもたちに声をかけつつ、隣で食べるのを再開し始めたグローリーゴアを見やる。

 

「……なに?」

「いや?幸せだなぁと思って」

 

によによと笑えば、グローリーゴアは「からかわないでよ」と言ってそっぽを向く。

その耳が赤くなっているのは指摘しないでおくのが優しさだろう。

 

「ごちそうさまでした」

「はい、じゃあお片付けしようね〜」

 

そう言って子どもたちをキッチンに連れて行くと、グローリーゴア監督のもと食器や調理器具を洗ってくれるのでその間に僕は洗濯物を干す。

今日は天気もいいし、よく乾きそうだなぁなんて思いながら洗濯物を干していく。

 

「よし、終わり」

「終わったー!」

「じゃあ遊ぼ!」

「あそぼー!」

 

きゃっきゃとはしゃぐ子どもたちに手を引かれて僕はそのまま庭へ行く。

その後をグローリーゴアがついてきて、ベンチに座って一息つく。

 

「今日は何して遊ぶ?」

『かくれんぼ!』

 

僕の問いに間髪入れずに答えを出す子どもたちはさすがだと思う。

そんな子どもたちに苦笑しつつ、僕らはきゃいきゃいと遊び出す子どもたちを見守るのだった。





幸せに過ごしているふたり。
きっと初めは別々に暮らそうとしたんだけど【栄光を往く者】の駄々が凄くて…ね?(お察しください)
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