さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

1152 / 1416

もしくは。



目標

ちょっとばかし、『領域(ゾーン)』とやらについて考えてみた。

領域(ゾーン)』というのは、「時代を作るウマが至る、当人も知らない豪脚」、「限界の先の先」───と巷では謳われるものだが、その実、僕の周辺にとっては大盤振る舞いのように見慣れたものだ。

僕自身も出せるし、甥や姪、それ以後も出してる子をよく見るし。

 

「どうすれば入れますか?って、言われてもなぁ…」

 

ハジマリは何となく。

『あ、変わったな』というぼんやりとした自覚から、徐々に『そう』と呑み込んでいく。

だが、「どうすれば」というのは、どうにもこうにも答えようがない。

そもそも、その『どう』の部分は人それぞれで異なるのだ。

僕自身がどうやって辿り着いたか、そのトリガーは何だなんて分からないし、そもそも皆、言語化できるものなのか。

 

「まあ、でも……」

 

領域(ゾーン)』って、人によっては似てるところがあるよね。

ほら、憧れの人がいる場合とかさ。

僕の周辺で例を挙げると…、

 

「先頭がいてこそ出せる…とか」

 

スーちゃん…、サンデースクラッパは()()()()()()だからちょっと毛色が違うけど。

先頭から離れてる時間が長ければ長いほど〜とか。

そう考えるとプレちゃん…、シルバープレアーは異質だなぁ。

あの子、自分が先頭にいて後ろにデバフばら撒くタイプだし。

 

 

かの一族の『領域(ゾーン)』は、先頭(もくひょう)がいてこそ──。

そう、そんな話が、昔からある。

『先頭』とは何か?

それはもちろん、レースにて一番前で走っている者のことであるが。

かの一族にとっては───。

 

「なぁに?そんなに熱い眼差しで」

 

既に現役を引退し、悠々自適に後進を育てているウマ-シルバーバレット。

その小柄な影こそが、───『先頭(もくひょう)』。

 

「いえ……」

 

シルバーバレットに見つめられ、思わず目を逸らすのは、かの一族に憧れる一介の誰か。

ゆえに、かの一族が各々目標(しゅうちゃく)する存在に想いを馳せる。

 

「私も、先輩みたいに…なれるでしょうか」

「ん〜?」

 

シルバーバレットが、そのつぶらな瞳を細めて微笑む。

まるで、悪戯っ子のように。

 

「それはキミ次第だよ」

 

「いやはや、あの子たちが好かれているようで何より」

 

目をかけている子たちなのだ。

できる限り幸せな学園生活を送ってもらいたいのが…先輩心というもので。

 

「さて、今日はどうしようかなぁ」

 

今日ぐらいは休めって言われてもねぇ…。

そう呟きながら、小柄な影は────。





僕:
シルバーバレット。
本人は気づいていないが系列の『領域(ゾーン)』が出るキッカケになっている。
たぶん系列の『領域(ゾーン)』集作ったら、僕のシルエットみたいなカットインがいっぱいそう。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。