さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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実はお互い疲れてるという。



津々浦々へ!

「旅行ってはじめてだな…」

 

カラコロとキャリーケースを引きながら初めて見る景色にニコニコと笑う。

仕事を沢山しすぎて「ちょっと休んでください」と放り出されてしまった結果、

 

「存分に羽伸ばすぞ」

「うん!」

 

マブダチのサンデーと一緒に旅行に行くことにしたのだ。

二人揃ってそこそこの資産を有しているのでそれを使って行きたいところに行こうねと。

新幹線も飛行機も船も使ってね!というやつである。

 

「つか本当に良かったのか?俺が付き合ってよ」

「むしろサンデー連れていかないとずっと仕事するだろうから、って言われて放り出された」

「あー……」

「まぁ、たまにはね」

 

サンデーの目元にも少し疲れが見えるし。

 

「……なぁ、ちょっといいか」

「ん?」

「お前、ちゃんと寝てないだろ」

「え?」

 

サンデーほどじゃないと思うけど…。

でも心配そうに目元を撫でてくれる手を振り払うわけにもいかず大人しくされるがままになる。

 

「やっぱ隈できてる。ちゃんと寝ろよ」

「うん」

「あと、その格好も……ちょっと……」

「……変?」

 

いや、似合ってるけど……と少し口ごもるサンデーに首を傾げつつ、自分の服を見るが別におかしなところはないと思うのだけど。

 

「でもこれ着ろって渡されたし……」

「誰に?」

「ん?あー……子どものうちの一人」

「おい」

 

だって我が子から渡されたし。

僕も基本服に興味ないし。

でも、とサンデーがため息を吐く。

 

「その服はダメだ」

「……なんで」

「不埒な目で見られるぞ」

「……は?」

 

いや、そんな要素どこに……。

と、自分の格好を見るが別におかしなところはない……と思う。

だってこれ、子どもに渡されたやつだって言ってるだろ!?

 

「……サンデーってこういうの好きなの?」

「いや、別にそういうわけじゃねぇけど……」

 

でも、と少し口籠るサンデーに首を傾げる。

そうしていると新幹線の時間が来たのでそのまま乗り込む。

 

「え、悪いサンデー……僕マジでわかんないんだけど」

 

僕がおかしいの?

 

「悪い。忘れろ」

 

ふい、と視線を逸らされたのでもう何も言えず大人しくする。

いや、でも本当にわからない……。

 

「……なぁ、お前さ……」

「うん?」

「その格好、俺以外の前ではすんなよ」

 

そんなの言われなくてもしないよ。

そう言おうとして少し考えてから頷く。

…僕自身で選んだ服の方が趣味悪いような気も。

 

「なんか買うか?」

「アイス買う」

「そ。じゃあ俺も買うわ」

「このアイスすっごい硬いんだよね〜」

「へ〜。…マジだ」

「カチカチだねぇ」





資金ある分めいいっぱい回りそう。
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