さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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なんでこんな機嫌悪いんだコイツ…。



なんでか不明

俺を慕うヤツらは俺が言う前に結構なんだかんだしてくれる。

先に光熱費とか家賃とか支払われてる時もあれば、まさかまさかの一戸建てをプレゼントしてこようとしたヤツもいたり。

たぶん俺が頼めば何でもしてくれそうなくらいには、慕われている。

 

「まぁ……そうだな」

 

だから俺はそんなヤツらの好意を無下にしないためにも、無理難題な頼みごとはなるべくしたくはないのだが……。

 

「……じゃあ、1つだけいいか?」

『はい! 1つと言わず100個でも200個でも!』

「……いや、それは多すぎだろ」

 

いやまぁ確かに頼めば何でもしてくれそうではあるが……。

だがさすがに一人であの状態のアイツを相手にするのは骨が折れるどころの話ではない。

 

「どっか、人気(ひとけ)がない静養地とか旅行先みたいなのないか?」

『人気がない……。あ、そうだ!』

「お、何かあるのか?」

『はい! 今ちょうどうちの会社の候補地がありまして、それのテストをお願いしたいのですが……』

「候補地? いやでもそれって俺なんかが試していいのか?」

『大丈夫です! むしろそのほうがありがたいです!』

「……そうなのか?」

 

まぁ確かに何かヤベぇこと仕出かすつもりはないが…。

 

『では、住所言いますね〜』

「あ、あぁ。わかった」

 

俺は電話を切り、メモに書いた住所を検索する。

 

「……まぁとりあえず行ってみるか」

 

それから、とりあえず俺は件のアイツ-【飛行機雲】に連絡を取るのだった。

 

 

最近の後輩-【飛行機雲】は死ぬほど機嫌が悪く。

ブチ切れこそはしないものの、いつもピリピリした雰囲気を醸し出しているので周りが萎縮してしまっていたのだ。

しかも下手に俺が近づいたら、そのピリピリ感が増しになってしまい、周りが怯えるので、俺はアイツには近づかないようにしていた。

だが今回はそんなピリピリした後輩を大人しくさせる方法を考えた。

そして俺たちは指定された住所の場所にやって来たのだが……。

 

「ここって……」

「ん、用意してもらった」

 

人気(ひとけ)のない場所だが、食材も前もって準備されているらしく。

一週間ぐらい滞在しても問題はないだろう。

 

「ふたりだけで気ままにってヤツだ、な?」

「はぁ…」

 

この休暇で後輩の眉間についているシワが少しぐらい取れればいいのだが…。

 

「先輩、これ」

「ん?」

 

後輩が俺に何かを差し出してくる。

それは白い封筒で……。

 

「……なんだこれ? あ、もしかして前払いのか?」

「……違います」

 

じゃあ何だと思って封筒を開けると中には手紙が入っていた。

 

『拝啓、この手紙を読んでいるということは無事に【飛行機雲】さんを説得できたということですね! おめでとうございます…』

「なんだ、普通の手紙じゃねぇか。…いや、なんでお前また不機嫌になってんだよ」





むすっ。
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