さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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こしょこしょ。



よわいところ

「僕のことが好きなんて物好きだね」

 

そう言って笑うのは美しい白い髪の小柄なウマ。

蠱惑に笑い、ウマ乗りになって、

 

「いいよ。僕とキミで勝負をしよう」

「勝負?」

「そうさ。キミが勝ったら僕はキミのモノになる。でも僕が勝ったらキミは僕の言うことを何でも聞くんだ」

「ふーん……まあ、それで良いけど」

 

ニコニコと笑う彼は勝つ気しかないようで、

 

「じゃあ決まりだね。ルールはどうする?」

「何でもいいよ」

「なら僕が決めるね!」

 

ウマ乗りのまま、彼は言う。

 

「くすぐり合いっこして、降参したら負けね!」

「そう」

「じゃあ始めるよ!」

 

そう言って、彼は手をワキワキさせる。

そして、くすぐりが始まった。

 

「あっははは!くすぐったいでしょー?」

「別に」

 

くすぐられても特にくすぐったくない。

やっている本人は「我慢しなくていいんだから!」と楽しそうに笑っている。

 

「あ、あれ?効かないの?」

「うん」

「そんなー……」

 

彼はがっかりしたように肩を落とした。

しかしすぐに気を取り直してまたくすぐり始める。

今度は首筋や脇の下などを重点的に責めてきた。

だがそれでも動じない。

 

「うーん……おかしいなぁ……じゃあ次はこれだよ!」

 

そう言うと、彼は耳に息を吹きかけてきたり、耳をキスし始めたりしたが、やはり効果はないようだ。

 

「なんでぇ…?」

「もう、いい?」

「うわっ!?」

 

遂には泣きそうになり始めた彼と場所位置を入れ替える。

そして、両手で彼の体をくすぐり始めた。

 

「ちょっ!?あはははは!!まって!くすぐったいってぇ!!」

「降参する?」

「あははは!!しないぃいい!!!」

 

それからしばらくくすぐってみると、彼はビクビク痙攣し始めた。

どうやら限界らしい。

 

「ギブアップする?」

「……ま……だ……し、ない……」

 

そう言いつつも既に呂律が回っていない彼を見て、僕は手を止めた。

すると彼は力尽きたようにベッドに沈む。

 

「……はぁ……はぁ……はぁ……」

「大丈夫?」

「う、うん……ちょっと休憩させて……」

 

息を整えながらそう言う彼に僕は水を渡してあげた。

そしてしばらく休んだ後、彼は起き上がると僕に言った。

 

「……ねぇ」

「なに?」

「キミってくすぐり効かないの?」

 

そう聞かれれば頷くしかないだろう。

実際効かないのだから。

僕が頷くと彼は少し考え込んだ後、また質問をしてきた。

 

「……じゃあさ、逆にどこなら効くの?例えば首筋とか?」

 

その質問に、僕は微笑みを返すのみ。

 

(だって、くすぐってきたところ全部、)





なんで効かないの〜!?
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